2 野﨑まど 感想

野﨑まどさん一年振りの新作『 2 』感想です。

《この本は、すべての『創作』の極地に至るものである――》。野﨑まど渾身の怪作!!

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 数多一人は超有名劇団『パンドラ』の舞台に立つことを夢見てやまない青年。ついに入団試験を乗り越え、パンドラの一員となった彼だったが、その矢先に『パンドラ』は、ある人物によって解散を余儀なくされる。彼女は静かに言う。「映画を撮ります」と。その役者として抜擢された数多は、彼女とたったふたりで映画を創るための日々をスタートすることになるが――。
『全ての創作は、人の心を動かすためにある』
 彼女のその言葉が意味するところとは。そして彼女が撮ろうとする映画とは一体……? 全ての謎を秘めたままクラッパーボードの音が鳴る。

WARNING
本感想を読むには以下の著作を読んでいることが必要条件となります。
・[映]アムリタ
・舞面真面とお面の女
・死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~
・小説家の作り方
・パーフェクトフレンド
・2

条件を満たしている方のみ、続きをお読みください。


そして、 『 2 』を今から読むという人へ。
本作の前に既存5作品は必ず読んでおくべきだとご忠告いたします。
もちろん、単体で読めないとまでは言いませんが、その状態で読むのは非常にもったいないです。とてつもなくもったいないです。人生の損失と言い換えてもいいでしょう。
記憶を完全に消去でもしない限り、一生に一度しか味わえない感動を決して逃さないでください。
この小説はきっと、とても面白いのです。

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ZOKURANGER 森博嗣 感想

研究環境改善委員会のメンバは五人。
入れ替わりはなし。ずっとそのまま。ユニフォームの色も、決定済み。
正義の部隊が噂になれば、悪事の抑制になる。訓練は怠らない。我々は人類の夢の上に成り立っている。


でも、これを着て、人前に出るのは……、かなりどきどきする。


ZOKURANGER (カッパ・ノベルス)ZOKURANGER (カッパ・ノベルス)
(2010/08/19)
森 博嗣

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なんなんだこの表紙は。
書店でふと目に入ったが最後、なんだか正体不明の可笑しさが込み上げてきた次の瞬間、何故か自宅に戻っていた私はいつの間にやら鞄の中に入っている本書に気づく。
まさか、無意識のうちに万引きでもしてしまったのかと心中が蝉の羽ばたき程度に粟立つが、財布の中身はちゃんと残額が代金分減っているし、少しよれよれになったレシートも確認できた。はぁ、良かった一安心一安心。アイシンクアンシン。してる場合じゃないぞう。ってしてる場合でもあるが、そんなことより何だったっけ?そうそう、読み終えたのだ。買ったのだから当たり前である。なんたって本なのだから。それ以外の使い道はまぁ、あるにはあるがあまり一般的とは言えないのでここでは触れないでおこう。買っても読まずにそのままにしておくことも多い(俗に積読である)が、今回はすぐに読んだのである。これにはもちろん確固とした理由があるわけだが、ここで特に書くような大層な動機があるわけでもなし、同じくノータッチに留めておく。中々、本題に入らないな。そもそも、本題が何かを私自身が明確どころか朧気にさえ定めていないのだから、入り得ろうはずもない。
と言いつつ入ることにする。
読み終えたのだから感想である。当たり前である。いや、当たり前ではない。
本を読んで感想を抱く。まぁ、ここまでは多くの人がその通りではないかと思う。そもそも本を読む人が少数派ではあるが。どこそこがこうこうこう言う理由でかくかくしかじかだった、と詳細なものでなくとも、大なり小なり、面白かった、つまらなかったぐらいは思うのがまぁ、普通だろう。
そこからさらに一歩、いや三歩ほど踏み出し、自分の感想を文章に起こし、インターネットを通じて不特定多数の人間に向けて発信する行為は、はっきり言ってかなり特殊な性癖の持ち主の所業と分析できる。
そんな不思議の国のアリスな私が今回お送りするのは敬愛する森博嗣氏の小説『ZOKURANGER』である。
そんなことは記事タイトルを見れば分かるという人の為ではなく、もしかしたらまだ分かっていない、絶滅危惧種に分類されるべき人の為に届くかどうかも怪しいが、蜘蛛の糸、一縷の望みを懸けて、一応添えてみたメッセージめいたものであることをここに付記しておく。
今回はネタバレといったものは多分、ないので未読の方も安心して読めるような気がする。
というのも本書にはそもそもネタバレ出来るような内容が無い。在って無きにしが如くである。文法的に合っているだろうか。ともかく、内容と呼べるような内容は無いと言って良い。
説明するのは非常に混迷を極めるのでその前にこのシリーズの概略を語ることとする。
そう、シリーズなのである。
俗にZシリーズと呼ばれる『ZOKU』『ZOKUDAM』に続く三作目にして完結巻となるのが本書『ZOKURANGER』である。
まぁ、シリーズといっても話は全く繋がっておらず各々独立しているから、どれから読んでも大丈夫であるし、どれを読まずとも、もちろんなんら問題はない。
じゃあ何故シリーズなのかと言えば、子供の頃夢見た空想は現実的にやろうとなると如何に馬鹿馬鹿しいことになるのか、というテーマと呼べるのかはともかく、そんな主題めいたものが一貫していることが一つ挙げられる。
もう一つは登場人物の名前、大まかなキャラクタ、年齢といったものが共通していることである。
分かりやすく噛み砕いて言うならば、パラレルワールドみたいなものだと解釈してもらって構わない。
初めからそう言えよという意見に対しては、全くその通りだ、と返す他ない。
ちなみに本作は随分前にハードカバで既に刊行されており、今回私が買ったのはそのノベルス版である。プチ情報である。
そして私はこのシリーズを二秒ほど前からこう呼んでいる。
珍妙奇天烈摩訶不思議脱力系リアリティ小説
自分で考えておきながらなんだが、長い。長すぎるなこれ。もっと短く簡潔に出来なかったのか、といっても仕方が無いので賢明な私は口を閉ざすことを選んだ。
いや、面白いのだ、これが、本当に、もうべらぼうに。ソォシュール!
べらぼうにというのはいささか誇張が過ぎるかもしれないが、なんというか身体中の力という力が全て風船の空気のように抜けていくというかなんとうか、そんなかんじなのである。声を出して爆笑とかではない。本を持つ手の握力も維持出来なくなるような、ふにゃふにゃな笑いに襲われる。ふはぁーーーーーーである。たれぱんだ の如く緩み切る。へにゃへにゃのダルンダルンだ。
そろそろこの文章にも飽きてきた人もいらっしゃるのではないだろうか。さようなら。
(性懲りもなくつづく)

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イキルキス 舞城王太郎 感想

舞城王太郎『イキルキス』感想です。
まず表紙について一言。
なんともまぁ可愛らしい装丁だこと。
イキルキスイキルキス
(2010/08/17)
舞城 王太郎

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物語には生をもたらすキスと、死を招くキスがある。
青春、恋愛、セックス、暴力、家族。みんなカナグリ生きている。

荒々しく吹きすさぶ言葉たちはいつしか紙の上に優しく降り積もり小説となる。

本書は表題作『イキルキス』の他、『鼻クソご飯』、『パッキャラ魔道』を収録した短編集となっています。
簡単にあらすじをば。

イキルキス
僕の通う西暁中学校で同じクラスの女子6人が続けざまに謎の突然死を遂げる。そんな中、いきなりクラスメイトの八木千佳子が尋ねてくるのだが……
鼻クソご飯
幼い弟を強姦魔に殺された俺は、この世のあらゆるホモやロリコン、そして性欲、精液までも許せない。己の怒りに任せた行動の末、俺はあっさり刑務所にぶち込まれる。そこで俺は絵を描いたり、西川濠と出会う。
パッキャラ魔道
僕の家族はある交通事故をきっかけにぐちゃぐちゃのバラバラになっていく。

……すいません、パッキャラ魔道のあらすじは無理です。
いや、他のもどっこいどっこいですけど。
舞城作品のあらすじを書こうとした自分が愚かでした。

例によってネタバレには全く考慮しておりません故、ご注意ください。
要は既読者向けだということです。

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バイバイ、ブラックバード 伊坂幸太郎 感想

このブログについてに書いてあるように、気が向いたので(実はこの前の“オー!ファーザー”の時も気が向いていたんですけど)今回は伊坂幸太郎さんの新刊“バイバイ、ブラックバード”の感想を書くことにしました。
初ノンイルマー記事になるんじゃないか?と思いましたが、もうすでに魔太郎関連が思いっきりノンイルマーでした。

多分、この記事で初めましてな方が結構出てくるのでは、と無駄な心配を発揮してここらで改めて自己紹介を。
好きな作家さんは数多くいますが、入間人間、森博嗣、伊坂幸太郎(敬称略)、この御三方が頭かなり飛びぬけて大好き人間、その名を“天野寂”と申します。
基本的に既読者を対象とした感想しか書きません。
つまり、ネタバレってやつですけど、ネタバレと言うよりは自分の場合、未読者が読んでもちんぷんかんぷんな内容になってるような気がするので、意味が分からなくてもいいなら読んでも別に問題ないんじゃないかな、と思います。
そこらへん、自分は全く気にならないので良く分からないところなんですけど。
自分が気に入った作品を色んな人に読んで欲しいと思うこともありますけど、だからと言って積極的に人に薦めようという気概は湧いてこないというか、要するに天の邪鬼な人間なのです。
それよりも既に読み終った人向けに「こことか面白かったよねー」という内容の方が書いていて楽しいですし、しばらく経って読み返す時もそっちの方が面白いので。
バイバイ、ブラックバードバイバイ、ブラックバード
(2010/06/30)
伊坂 幸太郎

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まず、本書の説明から。
本書は双葉社の企画『ゆうびん小説』として書かれた五編の短編に書き下ろし一編を加えて刊行されました。
詳しくは『ゆうびん小説~伊坂幸太郎さんの最新小説があなたに届く』をご覧頂いた方が早いと思いますが、簡単に言うと『短編を書き終えるたび、五十名の方のポストに小説が届く』というもので、なんという素敵企画。
恥ずかしながらこんな企画があったなんて全く知りませんでした……自分も「あれ、なんか届いてる。なんだろ?」みたいな展開繰り広げたかったです。
心から、お悔やみ申し上げます……自分に。
それから、太宰治の絶筆『グッド・バイ』のオマージュ的作品でもあるそうです。
この辺りの話に関しては
「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために
(2010/06/30)
ポスタル・ノベル

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をお読みください。
伊坂さんのロングインタビューや件の『グッド・バイ』等が収録されています。
でもこれ、わざわざ分けずに一冊にして1600~1800円くらいにして出してくれればいいのに

では、続きからは内容に触れていくので、先入観0で読みたいという方はバイバイ、ブラックバードです。
まぁ、そういう方は初めからこんなところに訪れたりはしないですよね。
口調が若干変わりますが、気になさらずに。

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