魔界探偵 冥王星O ジャンクションのJ 感想

読み終ってからもう一週間経って記憶も薄れ気味ですが、構わず感想いってみたいと思います。
ネタバレバンバンなのでご注意ください。
魔界探偵 冥王星O ジャンクションのJ (講談社ノベルス)魔界探偵 冥王星O ジャンクションのJ (講談社ノベルス)
(2010/08/05)
越前 魔太郎

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俺は今、無意味な物語を拾い、読みながら歩いている。存在理由としての食餌。消える記憶と、脳内に潜む探偵。逢うたびに顔の変わる恋人。交錯する複数の【冥王星O】。……【冥王星O】? それは――俺の名だ。物語を紡ぎ続ける【越前魔太郎】とは一体何者なのか。知らぬうちに裏返る世界は、まるでメビウスの輪。重なり合う運命の交差点で、謎は解かれ、現実は崩壊する!

毎度のことながら、redjuiceさんのイラスト素晴らしいっす。
リコは可愛いしめーちゃんはカッコイィ。
ワンピースの透け具合もそこはかとなくセクシィ。

今作は短編集風に仕立てられてます。
ので、それぞれについてちょびっとずつ。

prologue

今までで一番、舞城っぺーって思った。すごく舞城舞城してる。
もしこれがシリーズで一番初めに書かれてたなら、越前魔太郎=舞城王太郎だと思ったと思う。
いやまあいきなりこんなメタメタな話をされてたら流石に困っただろうけど。
それから、今回の【冥王星O】はヴイじゃないのかぁってちょっと残念に思ったりも。

一章

映像化しながら読んでいくので絵里香は初め、勝気で吊り目の丸々に太った可愛らしい女の子を想像したのだけども、最後の方で明かされる真実でぶーりん(↓参照)に変身した。
pic0000021.jpg
こういう途中でイメージ像がガラッと変わる仕掛けのある話は好き。

肝心の内容に関して。
はっきり言って「食とは愛」というテーマの話は大好物なのである。
雪花にキモッと言われようがなんだろうが、美味しそうにものを食べる女の子より素敵なものなどありはしないのだ。というか性別問わず美味しそうにものを食べる人は漏れなく美しいと言ってよい。
姿形がどうあれ、食に対する無尽の愛を注ぎ、彼に恋心を抱く彼女が人間でなくしてなんであろう。
つまり、この話を一言で纏めるとするならば、恋する乙女は最強。
とっても美味しそうな幸福感に包まれたラストを御馳走様。

interlude1

リコかぁーいーなオイ。
思い出したのは、ディスコ探偵の梢。
あだ名の付け方が、うん。すごくあれです。可愛い。

二章

魔太郎が腹筋をねじ切りに来た!と思った。本気で思った。
なんだこれ、面白過ぎるゲラゲラ。マジで涙が浮かぶくらい笑った。
この【冥王星O】はかなりのポテンシャルを秘めてる。多分、本気とか出したらヤバい。
【冥王星O】自体は至極真面目なのだが、そのシュールといったらない。
そして無駄にエロい。エロすぎる。
もちろん、映像化したわけだがとてもじゃないが未成年にお見せ出来るものではなかった。
彼ら彼女らは必死に頑張っているわけだが、傍から見れば裸でくんずほぐれつしてるようにしか見えないわけで変態以外の何物でもねぇよあんたら。
この女体、侮りがたし!だの今だ、股間に胸を押しつけるんだ!じゃねーっつの!
シリアスにしようたってそうはいかねぇっつのっていうか端からシリアスにする気0だろ!確信犯だろ!
せめてもの救いはまゆがナイスバディの美人さんだったってことかな。
あー面白かった(涙を拭いつつ)。

interlude2

西城秀樹の名前が出てきたのでもしや今回の魔太郎は森奈津子さん?とか思った。
彼女が二章を書いたと言われれば、納得出来る。もしそうだったら、むしろあのくらいのエロシュールさでは生温いくらいである。
でも、多分違うだろうな。

三章

白雪姫になぞらえた連続殺人事件とか終盤にかけての突拍子もないような真相というか展開がこれまた舞城っぽいお話。
主人公であるユキハナのキャラが個人的に超好み。
ちょっと自分に似てる気がするというか、女の子だったらこんなカンジ?と思ったけどやっぱり全然違うなとも思う。
それはともかく親近感が湧くと言うか共感出来る女の子だった。
話吹っ飛びまくりのラストもなんだかすごく綺麗で、その余韻が良かった。

他の話もだけど今回、小ネタがすごい。
多分、全部拾えてないけど気付けただけでもかなりあったし、ジャンルも様々豊富でこれ本当に一人で書いたのと疑いたくもなってくる。

interlude3

この色々な可能性について考え考え仮定を出してはまたそれについて考え考えひたすら考えなところが舞城さん過ぎる。すごいな。

四章

この章は更に細かく短い話の集まりになっているので、感想も小分けに。
開始地点
【越前魔太郎】vs.【冥王星O】
ゲームスタート。
完全なる感情
閉鎖された環境での養殖された愛。
終始、閉じ切った雰囲気が堪らない一編。
本物であるとか偽りであるとかそういったことは関係なく、愛は愛であると思う。
女【冥王星O】初登場。
己喰らい事件
ツィオルスコフスキーの名前が出てきてテンション上がった。
本当に短い短編ではあるが、その中に濃密で強烈な【愛】を閉じ込めていた。
完全に個として完結した小宇宙な【愛】を。
四章の中で一番好きな話。
冥王星暗殺事件
ついに大統領まで出てきた【冥王星O】。
【顔のない女】はファーストレディになってるし、もうなんでもアリ。
さっきの『己喰らい』と同世界でVやWは伝記になってる。
ピアノを落としたのは【窓をつくる男】かな、能力的に。
魔界迷宮事件
まるで【冥王星O】のバーゲンセールだな……
浦島太郎……うらしまたろう……ハッ!裏史魔太郎……
中継地点
【冥王星O】の正体。
つまり、それは単なる【記号】に過ぎないということ?
ジャンクション事件
【彼ら】だった越前魔太郎は愛を獲得した代償に【彼ら】ではなくなった。
時も繋ぎとめておけるって【窓をつくる男】の能力改めてパない。
【ジャンクション】というのを初め、ゴミって意味だと思ってた。それはジャンクだろっていう。

epilogue


【過去を弄ぶ女(ルーラー・オブ・リコレクション)】=リコ
これには唸らざるを得なかった!
正直、全然予想も何もしてなかった。すっげー衝撃。
なるほどなるほどーとこれまでの展開も説明されていて納得納得。
起こったことも起こらなかったことも、そしてこれから起きるかもしれないことも起きないかもしれないことも同価値に全て記録され書かれ続けていく、と。

最後、リコはめーちゃんの記憶を消したのかな?
今回のこれも初めてではなくてもう何度も何度も繰り返されていることなのかもしれないとも思った。







総括すると、めちゃくちゃ面白かったです。
個人的に今のところシリーズで一番面白かった。
もちろん、一番好きなのはWだけど。
でも、これから読むのはどうなんだろって感じもしますが。
今まで冥王星Oシリーズを追いかけてきたからこそ楽しめる、それは間違いないと思います。

今回も誰が書いたのか全く分かりませんでした。
正直、一人で書いたとは思えなくて、何人かの合作なんじゃないかと疑ってるくらいです。
ちょっとだけ舞城さんが書いてる部分もあったりして、とかも。
とにかく今回の魔太郎の正体はすごく気になりますね。
この人の他の作品をすっごく読んでみたいので。
これ書いた人すげーマジすげぇです。

あと、こういうメタチックなのは舞城さんが書かれると思ってたので、このタイミングでこう攻めてきたのは意外でした。
となると、舞城さん担当のDDがどんな話になるのやら。

そして、トイボックスのTももうすぐ発売ということで楽しみ。

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Comments

裏史魔太郎wwwww

自分も己喰らいが一番好きです。
次点が大統領とかユキハナ。

Jは一概に面白いとは言えないのが個人的な感想ですな。
ちょっと一章ごとに面白さが上下してた感があります。

リコのどんでん返しは衝撃的ではあった。
でもこの話の時制がいつごろなのか分からんので
居なくなった「過去を弄ぶ女」がリコなのか、
「過去を弄ぶ女」は現在存在しないのかが謎。
まぁおそらく前者でしょう。

あと最後冥王星Oは普通に殺されたなと思いました。
これ以上生かしておくわけにも行かなく、必要もない。
ましてや窓男が生かしておくなど生ぬるい事をするかってところです。


トイボックスはあらすじからして期待できます^^
フィータスの少女って線も考えながら楽しみにしてます。
Posted at 2010.08.20 (18:30) by またまた (URL) | [編集]
Re:またまたさん
そのくらいの言葉遊びならやってくるかな、と。

己喰らい良いですよね。
想像するとかなりグロいですけど、文章自体はカチッとしていて終盤はロマンチックでもあります。

自分的にはどの話も一定の水準で楽しめました。
つまんないところはなかったですけどね。

初めからあの男の知り合いだと分かっていたから、気づこうと思えば気づけたのかもしれないですけど、言動の可愛さにコロッと騙されちゃいました。
そうなんですよね、時系列が全然分からないです。
VやWが自伝となっているということから遥か未来の話だと推測出来ますが、この空間(リコと【冥王星O】がいる場所)は時空の狭間というか外界と時間の流れの異なる、そもそも時間の概念のない世界である可能性もなきにしもあらずではないか、とも思います。
この空間も間違いなく【彼ら】の能力が生み出したものだろうと言ってますし。
前者だと思います。
Wで【過去を弄ぶ女】は始末されたと【窓をつくる男】が言ってますが、それはある意味真実で、ある意味では嘘だったのでしょう。

でも、あの拳銃では人は殺せないわけですし、記憶を弄りまくって殺せないことはないと思いますが、単に記憶を消しただけだと自分は思います。
記憶さえ消せば、利用価値もまだまだあるでしょうし、わざわざ代わりを探す手間も省けます。
いや、【窓をつくる男】なら生かしておくことも可能性としては捨てきれないかと。
なんだかんだ言って結構優しいですよ、彼。


トイボックスはどうでしょうね、面白いと良いです。
フィータスだけ名前も出てこなかったのが少し可哀想でした。
Posted at 2010.08.20 (20:13) by 天野寂 (URL) | [編集]
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