魔界探偵 冥王星O トイボックスのT 感想

V、W、H、P、F、J。
そして、T。
冥王星Oシリーズもとうとう大詰めとなった7作目。
魔界探偵冥王星O―トイボックスのT (メディアワークス文庫)魔界探偵冥王星O―トイボックスのT (メディアワークス文庫)
(2010/08/25)
越前 魔太郎

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例に漏れず今回もネタバレしまくりですが、今回は特に未読の方は注意です。というか読まない方が絶対いいです。
読むくらいなら先に絶対本書を読んでからにすべきです。
今作は完全に外伝的位置ですので、他のシリーズを一作を読んでいない方でもなんの問題もなく読めます。
シリーズと呼べる要素ははっきり言ってオマケ程度にチラッと出てくるぐらいです。
でも、むしろそこが好感触だったりもするんですけど。
まぁ、とにかく個人的には傑作と呼んで差し支えない出来映えだと思います。
ので続きからは、既読の方のみに向けてここが良かったよねーみたいなのをダラダラーと書き連ねた感想になっております(あれ?いつもと変わらない?)
面白かったです!面白かった!とにかく面白かった!
全体的にミステリチックで色々推理するのが楽しい楽しい。
悔しながら真相には気づけなかったけど、ミステリは負けるが勝ち、騙されたもん勝ちですから満足満足大満足。

冒頭、過剰なまでに能天気にはっちゃけてる語りが不快で仕方ありませんでした。
セルフツッコミとかも寒過ぎて「これもPみたいな末路を辿るのか……」と思わされていたのがもう作戦だったとは。
それからこれもまたP同様出てくる【彼ら】がしょぼかったのですが、それもまた上手いこと書ききっていて。
してやられました。一本取られた!やりますな、今回の魔太郎。
というか今回出てきた【彼ら】はもうほとんど人間と同値でした。
でも、そこにきちんとした説明もしくは理由付けを施していて、破綻なく違和感なく受け入れることが出来ました。
【玩具職人】と聞いてPの【ゼペット】と関係あるのかな、それかFの死体解体も関わってくるのかなーとも思いましたが、そんなこともなかったですね。
【彼ら】の中でも下級に属する者は名称に【男】【女】とは付かない、とかそういうことなのかも。
あと、【彼ら】は自分たちのことを【我々】っていうんですね。宇宙人みたい。

【冥王星O】や【窓をつくる男】の出し方もさらっと不自然なく、好感が持てました。
全く出さなくても話としては成立したでしょうけど、特に出したからと言って気になることもありませんでした。
【冥王星O】関係への触り方が絶妙というか、心得てるなぁと。
はっきり言って、シリーズでこの話をやる必要はなかったんじゃなかとも思います。
同時にこの話をシリーズでやることの意味、を考えるとやっぱりこれ以外にないんじゃないかと思ったりもして。
それもひっくるめて実に要素要素の配置が巧みでした。
ただ、何故空を歩く男だけ【】書きじゃなかったのかな?

前半は『記憶のない少女=ヤマト』だと推測してたんですけど、半分正解で半分間違い、と不正解だと断固として認めない方針です。
かわいいと言われる中性的な顔立ちだって言うから絶対、僕っ娘だなこれは、うん。とか思ったんですけどね。
身長183センチって……そりゃ大層モテモテだったことでしょう。
まぁ、『サイセイ』によって体験するのと同じように見ることが出来るのにヤマトが男であることに気付かないのは可笑しいだろうという疑問もあったので、間違っているとは分かってましたよ、ええ。
色々仮定を立てまくりながら読むのでその中に正解がありました(全然確信はなかったのでちゃんと分かっていたかと言うと否です)けど、大男の正体には気づけませんでした。
てか、大男とか眼中にありませんでした、節穴すぎるにも程がある……。

この展開は『DEATH NOTE』を思い出しました。
記憶が戻った時に「計画通り」と二ヤリ笑ってくれたらもう完璧だったのに!(何がだ)
んでもひとつ、『バクマン。』の港浦ぐらい役立たずって盛大に吹き出したわ!
的確すぎる比喩表現をありがとう!

久しぶりの「メイオウセイオー メイオウセイオー メイオウセイオー」にはちょっとテンションあがりました。
先程もいいましたが本当に設定の使いどころがお上手。
「どこにでも繋がっているが、どこにも繋がっていない」
カッコ良すぎるぜ、窓のアニキ……!



閉じ切ったおもちゃ箱の中で。
ずっと一緒に。
ずっと二人で。
溶けあうように。
それが――
永遠の幸せ。
それが――
わたしたちの愛。
それが――
完成された、愛。

という、ストーリー。




今回の中の人は前に公式でほとんど答えが出ているように『御影瑛路』さんですね。
絵師さんも同じですし、「空ろの箱と零のマリア」ってそれはヒントじゃなくて答えです。
御影さんの作品は「空ろの箱と零のマリア」の前に書かれた三作を読んだことがあります。
これがもう絶望的に合わなくて、じゃあなんで三作も読んだんだよってツッコミが入るところですけど、きっかけはイラストも挿絵も全くない異色作ということで何かあるはずだと信じて手を出したんですけどね……何も無かった(少なくとも自分の場合は)。
はっきり言ってつまらなかったわけですけど、それが今作はどうでしょう。
やっべぇ!おもしれぇよこれ!なわけですよ。
「ちょっと見ないうちにすっかり立派になられて」と上から目線が自惚れ甚だしいですが、「空ろの箱と零のマリア」も読んでみようかなと思わされるくらいには心を揺さぶられました。
でもどうなんでしょう、作風としてはこんな風なんでしょうか。

発売前はかなりイイデザインだと思った表紙なんですけど、読み終ってから見返してみるとちょっと微妙かなぁと感じました。
ナイフじゃなくて水鉄砲だったら良かったのに。
いっそのこと、ウルトラマンマスク被って水鉄砲構えてスマイリー缶バッチつけてるイラストにすれば良かったのに(詰め込みすぎ)


残すところ、待望の舞城さんのターン、デッドドールのDDだけとなりましたね。
メフィストで一部読みましたが、予想以上にぶっ飛んだ内容になりそうな予感です。
この様々な形の『愛』を描いてきた一連の物語を、どう纏め、そして終結させるのか。
期待で胸を膨らませつつ、9/6を待ちたいと思います。

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Comments

越前をまだ一冊しか読んでない自分が急にいうとします。
御影作品はおもしろいんです!
3作品っていうのはきっと「僕らはどこにも開かない」と「神栖」ですね、わかります。この中ですと自分は「僕らは―」を読みました。
空ろのほうですけど、おもしろかったですよ。ただ、読んでちょっと嫌な気分になります。一巻はループものですので、同じ話を8回みせてこられたときなみに嫌な気分になります。(ハルヒのエンドレスエイトネタ)
御影作品は女の子がいんですよ。「僕らは―」だって最後んところのヒロイン(名前が思い出せないのはご勘弁)よかったでしょうに、、、、、
おもしろいのですか、、、この本だけ読もうかな、、、
意見の言い合いとか、幸せですね。

そういえば、
志望校がきまりました。今更なんです、はい。
ですのでいいかげんがんばる。コメが短くなるぞー(笑)
まぁそのいきたい高校が県一番のところ。国語や社会で50上下のやつが狙おうなんて無理なはなしですので、がんばる、とりあえず。こうみえて交互が苦手で数学が得意(自称)。
学力は低いんです。

えーっと、この前舞城さんが「まいしろ」と間違えて読まれてました。ラジオにてです。
映画の撮影のときに顔だしたらしいですね。栗山さんが「インポケット」にていってました。

そういえば、くだらない文かいたんでぜひ読んでください。URLにて、、、、。「暗黒童話」「オデューボンの祈り」「押入れのちよ」をたして割ったかんじです。オデューボンまだ読んでないけど、、、
 そういえば、某変体さんも受験生ですって。ブログにかいてくれました。いや、だからどうといったことはないのですが、、、、
 そういえば眼鏡がない生活はやっぱりつらいですね。タイプミスが減った。机の上のノートの文字もこれで読める。
綾崎隼さんと同じとこ在住でした。テンションがあがった。

 なんだかんだいって長いのがご愛嬌です。
 しばらくのあいだはまだくるので、今後ともよろしくお願いします。
 また来世であろう。さらば!!
Posted at 2010.08.27 (20:55) by 首吊り(偽名) (URL) | [編集]
Re:首吊り(偽名)さん
そうです、その三作品です。
過去の記憶からあんまり期待しないようにしていたのですが、今作は素晴らしかったと思います。
でも、その三作品を読み返すことはないでしょうし、つまらないと感じたことも変わりません。
これは個人的な意見であって、面白いと感じる人ももちろんいるでしょう。
そうでなければ、まず本になりませんよね。
と言ってますけど、内容自体はほとんど覚えていないので語ることは無理ですね。
覚えていないってことがつまり、つまらなかったということの証明です自分の場合。
空ろは読んでみようかなぁ、ループものループものっと。
この本だけ読むのはありですよ。
Wさえ読んでいれば出てくる冥王星O要素も分かりますし。ヴァイオリンの話はあれですが。
とにかく面白かったので、ぜひぜひ。
反対意見とか新鮮で面白いですよね。

おめでとうございますっていうのも変ですよね、受かったわけじゃないのに。
頑張ってくださいっていうのも無責任な感じで、しかもあまりそんな思ってもいないことを……ですけど、頑張ってください。
そんなことより、受かった時のお祝いの言葉を準備しておこうと思います。
ぶっちゃけ中学、高校は全教科暗記科目と言っても過言ではないので、やったらやった分だけ伸びる、はずです。
その時点での頭の良さ、悪さはそのまま要領の良さ、悪さだと思ってます。
とまぁ、こんなこと言ってますが、当時はそんなこと思ってませんでしたけどね。
とにかく、やるしかないっちゅーことですよ、はい。

読ませて頂きました。
感想としては、う~ん、もう少し長いのが読みたいかなってところです。
メールで教えて頂いたので、既知でございますよ。
ライバル、ではないですね、別に同じところを目指しているわけじゃないでしょうから。
共に切磋琢磨してください。
今、二番目くらいに欲しいものと言ったら視力です。
眼鏡ないとなんにも見えないし、眼鏡はかなり鬱陶しいですし。
いっそのこと8.0位欲しいです。

いえいえ、息抜きにでもまたいつでもいらしてください。
来世の自分にもよろしくお願いします。
Posted at 2010.08.28 (02:54) by 天野寂 (URL) | [編集]
いつも楽しく読ませていただいてます。読んでるだけなので初コメです。本来、コメントはあまりしないのですが、御影と訊いてついコメントしてしまいました。
首吊り(偽名)さんが言っている様に、空ろの箱は面白いです。私は5大神の一人としてまつる程の御影信者です。その私が読んだ御影作品の中で一番面白いと思ったのが、空ろの箱一巻です。途中で飽きかけても、最後まで読んでもらえると嬉しいです。感想を書いて貰えると最高です。否定的意見でも構いません。御影作品は知名度が致命的な程低く、感想自体があまりありません。良ければお願いします。
良く考えるとブログへのコメントは初めてなので、どの様にすればいいか判らなく駄文になっていますが此処まで読んでくれて有り難う御座います
(因みに5大神の内約は入間、舞城、京極、西尾、御影です。勿論入間は5大神の中で一番好きです。)
Posted at 2010.08.28 (21:59) by 入間最強説を唱える学者 A (URL) | [編集]
Re:入間最強説を唱える学者 Aさん
初めまして。
コメントありがとうございます。

いつも読んでますってコメント貰うのはものすっごく嬉しいものなのです。
これは御影さん効果ですね、感謝です。
そうですか、空マリ(なんとなくこう略しそうな気がするので)は面白いですか。
でも、あんまり面白い面白いって言われると逆に読む気がなくなっていく天の邪鬼なひねくれ者な自分には困ったものです。
と言っても今作は口に合いましたので、とりあえず一巻だけでも読んでみようと思います。
面白くなかったと感じたら、ごめんなさい、感想は書きません。
入間作品と越前作品以外で感想を書いている作品はかなり面白いと思ったものだけですので。
その時はツイッターの方にちょろっと呟くぐらいはするかもしれません。
お約束は出来ませんが、またちょくちょく覗いてみてください。
なんと、人生初コメ頂いちゃいましたか。
自分も初めてコメントしたときは何書いていいのか全く分からず、でも拙いなりに一生懸命考えて考えて、コメントしたりしていました。
これはブログを始めてから分かったことですが、自分の記事にコメント貰うのってすごく嬉しいことなんです(そうじゃない方ももちろんいらっしゃるとは思いますけど)。
ですので、気が向いたら是非またコメントしてくださると嬉しいです。
(5大神wすいません、なんか笑っちゃいました。入間さんが一番ですか、それは良い趣味だと思います。あと学者Aさんということは学者Bさんや学者Cさんもいてどこかで入間さんについて研究してるところがあるということですか?そうだったら是非、紹介して欲しいです。学者Iぐらいにはなれる自身がありますから
Posted at 2010.08.28 (23:50) by 天野寂 (URL) | [編集]
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