嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 10 終わりの終わりは始まり 感想

9巻発売から一年。
恋い焦がれ、待ち続けたこの一年は果てしなく長い長い、それこそ本当に気の遠くなるような長さでした。
でも今こうして10巻の余韻に浸りながら、ぼけーっと振り返ってみれば、あっという間の一年だったような気もしたりして、なんだか不思議な気分です。
読み終わった直後はとてつもない虚脱感に襲われ、放心状態に陥り、何も手に付かない状態でしたが、一晩経ち、やっと少しずつ落ち着いてきました。
この余韻が消えないうちに、出来る限りの言葉を尽くして、ありったけの想いを込めて、胸の中の気持ちを留めておきたくて、この感想を書いています。
いつも以上に、取り留めなく脈絡も糞もない文章の羅列になっています。
でも、これが自分の飾らないありのままで剥き出しな言葉です。

それでは、ちょいとハッピーエンドまでお付き合い願います。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん10 終わりの終わりは始まり (電撃文庫)嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん10 終わりの終わりは始まり (電撃文庫)
(2011/01/06)
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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん10
終わりの終わりは始まり

実写映画2011年1月22日より全国ロードショー。僕も、まーちゃんと観に行けるかなぁ?


 まーちゃんが、殺人犯に攫われた。
 僕の元から、まーちゃんが消えた。バカップル伝説も終焉を迎えた。
 長瀬透殺人事件に起因する自分自身との無益な争いに精を出していた間に攫われたんだから、まったくもって笑えない。
 しかも犯人は、長瀬だけでなく、僕の知り合いを次々と殺してまわった人間でもある。
 そして、今だ犯人は逃亡中。
 この事件だけは、僕が終わらせないといけない。
 敵は二つ。殺人犯と、僕自身。内外からの挟み撃ちだ。相手にとって不足はないが、相手からすれば標的は不足だらけだろう。
 だからって、まーちゃんを諦めると、僕はみーくんじゃなくなる。
 出来る内に、出来ることを。『ぼく』が終わる前に。
 よーし。じゃあみんな、行ってきます。
 ちょいとハッピーエンドまで。

みーまーシリーズ最新刊にして最終巻。
××とネタバレの入り混じった感想をお楽しみください。

僕はきみにまた嘘をつく。
きみをこれ以上なく、幸せにする為に。

のっけからこの引用文だけでノックアウトされました。
あぁ、みーまーだ。みーまーが読めるんだぁ……って。
『きみ』となってるのにまた色々と想像を掻き立てられたりもしたのですが、これについてはラストの方で語るとして。
まずはいつものように左さんの美麗なイラストについての感想から。
表紙
表紙絵が公開されてから幾度となく眺めてきましたが、実際に書店で手に取り眺めた時、不覚にも泣きそうになりました。
前に「印刷の関係かもしれないけど、泣いているように見える」と言っていたんですけど、やっぱりこれ泣いてますね。
ほんの少しですけど、うっすらと涙が溜まっています。
本編を読んで、この涙の意味は分かった気がします。
でもそれ以上にこっちまで笑顔にさせられるような澄みきった笑顔が美しく素晴らしいです。
この表紙以外はあり得ない、それくらい原作とシンクロした左さん渾身の一枚だと思います。

裏表紙
「隠された右手で誰かと手を繋いでるのかも」とか言っていましたが、見事に外れました。でも、あの妄想は嘘じゃないからいいんです。
それはさておき、やはり右手を隠していたのは1巻と対応していたんですね。
包丁を後ろ手に隠しているのも同様でした。
内容もそうでしたが、ここも原点回帰だったと。
1巻と比べて血溜まりが少ないのも一人分だからなんでしょう。
こういった細かなこだわりには最後まで感心させられっぱなしでした。
別れを告げて去っていくような後ろ姿は寂寥感満載。

カバー裏
本編を読む前に先に確認してしまったのですが、いきなりばいばい。って言われてもう何がなんだか分からない心境で「やだやだまだばいばいしたいくないよ」と駄々を捏ねる始末。
これが僕の、最後の嘘だ。で「なぁーんだ嘘か。良かった良かった。……って“最後”だなんて言わんといてよぉ」と以下略。

カラーイラストその①
初見時→まーちゃんきゃわいー!
本編読了後→まーちゃんきゃわいー!!
びっくりマークが一個増えました。というのは3割ほど冗談で。
ここをイラストに持ってくるっていうのがなんかすっごくみーまーらしいなぁって。

カラーイラストその②
右から一人ずつ。
長瀬一樹:でしょうおそらく。元気にやっているといいなぁ。
長瀬透:初め男の子に見えた。なんでだろう?喉仏?いい横笑顔。
坂下恋日:頭撥ねてるけどごっつ美人。綺麗。眼鏡装備のカラー絵は初めてだね。
伏見柚々:相変わらず小動物系。かわいい。
大江湯女:ふぉおおおおお!!!!!!わっふー!びっじんっ!!ドストライクセイイエス!イエス!オーイエス!オーエッス!大江ッス!全部堪んないんだけど、特に目!瞳が堪らんのです!のです!素晴らしいですわ、すわすわ。
大江茜:茜は最後までかわいい担当だったなぁ。ちょい眉かわいい。
天野××音:この表情サイッコーです。口元生意気エンジェル。
上社奈月:束ねた髪がちょっぴり。
御園マユ:色気やべぇ……なんかゾクッゾクする。こんな目で睨め上げられたらフィーバーしちゃいますよ。耳にかけてる髪が少し落ちてきてるのがなんかエロい。近づけば切り裂かれそうな、危うさを秘めた美しさ。本当に綺麗。


これだけが唯一の不満。
映画化に合わせての発売に宣伝しなかったら意味無しですし、諸々の事情も頭では理解出来るんですけど、やっぱり!やっぱり!最終巻の帯も今まで通りの煽り文帯が良かったです。
本当に、これだけが悔やまれるというかなんというか。残念です。

もう一つの始まり『回遊と誘拐』


いるまんの三人称。
ここまで本格的なのは初めてのはずなのに昔どこかで読んだことがあるような、懐かしい感じがして。
すぐに『僕とまーちゃんの日記』三十一日でマユが描いた絵本を思い出しました。
というか一人称しか書けないって言ってたの、やっぱり嘘だったんですね。
ダ・ヴィンチで情景描写が多かったって言ってて、絶対三人称書いてただろと思ったんですけど、ほら、こんなに書けるじゃないですか。
当然、成長したっていうのもあるでしょうけど、それ以前にこれがいるまんの生来の持ち味だったんじゃないかなって。考え過ぎかな。
いつか一冊通して三人称で書いたものが読みたいと思わされるくらい、しっかりしていました。
でも、三人称になって一人称の文とはガラッと気色が異なるはずなのに、何故か不思議といるまんの匂いがするんですよね。
茎や葉が違っても根っこが一緒だとやっぱり同じものが滲み出してしまうのかなぁ。
とにかく、それで淹れたお茶が大好きなんだよな、自分は。

マユの絵本が真っ先に連想された理由に地面の上に眠っていたからというのもあって、絵本も少女が温かい土の上で眠りにつくラストだったので、その続きかなと思ったりもしました。
日記二十二日で燃やしたみーくんノート、最後の五冊目なんでしょうか。

少女の中には、彼女だけの全てがある。
ただ、噛み合わないのだ。世間にも、時の流れにも、自身の成長にも。
心だけが。

だからこその三人称。
それでもマユの視点に限りなく近く、彼女の気持ちが少しだけ透けて見えるような気がして。
今までずーっと、みーくんが現れるまでの八年間、マユは何を思い、どんな想いで彼が来るのを待っていたのかと考えては、胸が締め付けられる思いでした。
そして、涙を流しながら微笑む彼女、現を失った夢が現実となる日を待ち続ける彼女を見て、さらに胸をぎゅっとと握りつぶされました。
早く迎えに行ってあげて、みーくん。

はっきりとは分かりませんけど、誘拐の動機めいたものも少しだけ明かされた、のかな?
大体、想像通りだったんですけど、やっぱり池田兄妹に原因の一端があったようで。
異質な少女と、普通から外れた子供たち。
この奇妙な組み合わせといくつかの要素が合わさって生まれた、偶発的な結果だったと。
7巻で湯女がマユの誘拐の動機を推測していて、それは当たらずと言えども遠からずよりも正解に近いものだったと思っていますが、7巻の誘拐と1巻の誘拐の動機は違うと思っていました。
で、やっぱり違うんですよ。
7巻の時は明らかに「(前回の経験から)こうすればみーくんが来てくれる」と思ってやっているのに対し、1巻の誘拐は『みーくん』を求めるという目的は同じですが(マユが行動する理由は他にはありませんし)、確固たる理由があっての行動とは思えません。
そうは言っても、ただ目に付いただけというわけではなく、池田兄妹と見て昔の自分たちのことを思い出し、その結果、というのもあるんじゃないかと。
でも結局、マユ自身、自分の行動の理由を明確には理解してはいないんじゃないかなって、そう思います。
そして、それが正しいとか間違ってるとかじゃなく、一つの答えとして正解で良い、そんな風に思っています。

改めて前回のあらすじ『間を空けすぎて嘘のつき方を忘れました』

やられたっ!!(某新世界の神になると息巻いてた人風に)
完っ全にしてやられたわっ!!ちくせう!!
こんなたった2ページちょいでまんまと引っかけられるとは……ああもうっ!!
いるまんの瞳に完敗!

あ、肝心要の叙述トリックについては分かっていることを前提に話を進めていきます。
一年前の犯人予想で竹田君を指名したのですが、普通に彼、犠牲者となっていましたね。
ストレート過ぎて逆に新鮮でしたけど、読んでいく中での違和感であっきゅんでないことはすぐに分かったので、そうなるとこれは誰ぞや?と考えた時、当てはまるのは菅原しかいないんですよね。
うーん、逃げ出した、までは別にどうとでもなると思うんですけど、その後、すぐに警察関係者には通達されるはずで、奈月さんがあっきゅんに会った時にそれを知っている感じはしなかったのがなんともモヤっとするところではあるのですが、あえて黙っていた、というのも別段可笑しくないことですもんね、うん(とりあえず、納得)
報道に関しては混乱を防ぐために規制したんでしょうね。
あと、にもうとのことを知っていたことだけが不明点ですけど、それはあれ、ストーキング行為に明け暮れていたということにしておきました。

んでなんでしたっけ?
そうそう、いるまんにコテンパンにされた話。

いきなりのエルシャダイネタに「いい加減くどいぞいるまん!」とツッコみ、そもそもなんだこの章題は。またメタネタか!やめんしゃい!なんて思った自分をどうか叱ってやっておくんなせい。
いるまんらしいっちゃらしいけど、これって完全に映画化に合わせた弊害だよね。
はぁ……なんて溜息漏らした自分を誰か罵ってやっておくんなせい。
他にも自分と同じこと思った人がいると信じて。
でもこう思った人は例外なく、いるまんの術中にまんまとハマっていることに微塵も気づいていなかったんですよね。
すっげー悔しいんですけど、こういうのって騙されたもん勝ちですからね!
まんまとハマってやったぜザマーミロー!(←開き直った)
もう分かってると思いますけど、説明します。説明させてください。

間を空けすぎて』と聞いて多くの人がみーまーの刊行インターバルのことを言っているのだと初めは思ったと思います。
で、思ったらもう負けなわけですね。
実はこの一人称の主は菅原で、『間を空けすぎて』というのはそれもそのはず、彼は八年以上もの間、誘拐事件に関するあれこれを忘れていたんですから、そりゃあ間も空きすぎってなもんですよ。
このトリックはリアルタイムで追いかけている人にしか通じないもので、リアルタイムでこうして引っかかれたことが悔しくも、そして何より嬉しくもあります。
映画化と合わせたことによって生まれたブランクをこういう形で使ってくるなんて……惚れ直す、なんてレベルじゃありませんよ実際。ホントすげぇッス。感激。
実はずっと最終巻は本当はもう書き終わっていて後は出版するだけなんじゃないかと密かに疑っていたのですが、この仕掛けやエルシャダイネタ、その他の描写も見ていると本当に最近書き終えたものなんだなぁって、そんなことを思ったりもしました。

章題後半部分の『嘘のつき方を忘れました』、これも非常に上手い。
この章でこう言っておくことによって、後に続く章で全然嘘を言わないみーくんの違和感を巧妙にカモフラージュしていますよね。
こんな短い章の間に伏線がぎゅうぎゅう詰めになっているなんて、誰も思いませんよ。
いるまんすげーマジ尊敬。

そんな中、彼のまーちゃんに対する想いが綴られているのがまたニクい。
でも、「こんなことも忘れてしまった時期がある」というところで気づくべきだったかなと読み返していて思いました。

僕が、まーちゃんを大好きだっていうこと。

自分も彼のその想いだけは忘れずにいようと思います。
やっぱり、ミッチーのことも好きだなぁ。

『僕の最後を語るお話』のはじまりはじまり。

六章『naked human -純粋限定-』

湯女はなんだかんだ言って、世渡り上手ですね。
生き残る術を本能と理性で実践しているところとか。
でも、一人だったらここまできっぱりと生きることに邁進しなかっただろうと、彼女の側に茜が居て本当に良かったです。もちろん、その逆も然り。
二人で慎ましく幸せに暮らしてくれるといいなぁ。
幸せの秘訣、男を見る目もあるようですしっ!ズビシッ!


『始まりの未来は終わり』『終わりの終わりは始まり』という副題からも分かるように9巻と10巻は上下巻構成になっていました。
六章から始まっていて章題も全て対応しています。
構成はなんとなく1巻を思い起こされますけどね。


展開早っ!と思わず言っちゃいましたけど、いや、みーまーらしいなって微笑みが零れ、下着の件でミッチーももれなく変態だったかと、笑わせて頂きました。

世界は不思議で溢れていて、そんな不思議に囲まれながら、無知でも生きていけること。
なのに、幸せについてはわかっていて。
どうしてだろう、と自問する話、なんか前にもありましたよね?どれだったか思い出せないんですけど。

地の文でもまーちゃんまーちゃん言ってるのが気になってはいたんですけど、感じる雰囲気はみーくんで違和感はありつつも久しぶりにみーまー読んだからなのかなと思いつつ読み進め、その疑念が核心に変わったのが『お姫様抱っこ』でした。
おんぶの時苦労したのは完全に寝入ってるからと右手が使えないからと解釈していましたが、お姫様抱っこはどう足掻いても片手じゃあ出来ませんからね。
ああ、あっきゅんじゃないんだなって。
まぁ、この時点では菅原だとは思ってなかったんですけどね。
これは後から気づきましたが、正面から抱きつかれても鳥肌ぶつぶつーになってなかったり、色々と気付かせる要素が散りばめられていたんですよね。

そうやって意識して読んでみてもやっぱり××と道真は似ています。全然違うのに、そっくりです。
主にマユ関連。両者ともそこに嘘はないからなんでしょうね。マユ好きすぎ。
まーちゃんのすることだったら、どんな酷い扱いでも許してしまいたくなるところとか。

『雨の中』
『やつ』が笑っているのかと思っていました。

七章『memories -タイムマシン-』

茜は相変わらず、かわいいなー。
お姉ちゃんって、湯女の教育実を結んだねー。
初め、ばいばいって手を振ってんのかと思って泣きそうになったけど違ったねー。
元気でねーって、手を振ったー。


夢はとってもお手軽タイムマシン。

懺悔室の説明に『岸部露伴は動かない』を持ってくるあたりがミッチーだね(根拠不明)

菅原にとってもパッと思いつく男友達が金子でなんか嬉しい。
ていうか、金子が出てくるだけでテンションあがるよね。夢だけど。
パンの話はイースト菌でも膨らまず。でもそこは流石金子、空気読めすぎ。

自分が他人にとって害虫だと自覚していても。
それを理由に夢に籠ることに出来ないのだから。
これからも生きていく。
だって、自分に迷惑をかけるよりはマシだろう?
ここらへんの自己中心っぷりがあっきゅんとは違いますね。
まぁ、あっきゅんも自己中心ではあるんですけど。
人生なんて例外なく、自己満足の積み重ね。
現実が夢のようになるまで徹底することは並大抵の困難ではないけれど。
夢の終わり。金子との別れ。
寂しさがポツンと残ります。

「じゃっくんはさ、タイムマシンがあったら乗ってみたい?」
「もちろん!いるまんの新刊発売日に行って、読み終わったらそのまた次の発売日へ行って。毎日毎日いるまんパラダイス!」
なるほど、と苦笑した。天野寂らしい答えだ。
「でも、過去にも言ってみたいな。いるまんの初サイン会に行きたいのですのです」
脳内でなら行き放題だねー、いってらっしゃーい。戻ってくんな。
はさておき、難しいことを色々考えても最終的には、まーちゃんは世界、とまーちゃんな結論に行き着くみーくんマジみーくん。
まーちゃんの表情を窺って、駄目だって言われたら勝手に掘ればいいか、とかこういうところが本当にあっきゅんにそっくりです。

思い出のお芋掘り。
みーくんと一緒に、土に爪を食いこませ、土を、お芋を、そして思い出を掘り起こす。
まーちゃんにとってのタイムマシン。大事な大事な、現実逃避。
お姫様の為に張り切るみーくんが微笑ましいです。
二人きりの時の童女まーちゃんも可愛いけど、自分はどっちかって言うとこの二人きりと外行きの混じったカタコトまーちゃんの可愛さがやばいと思います。
外で見せる控えめな笑顔とか、正直堪らんわけですよ。

扉を破壊するみーくんを見ていぶかしむ訝しむまーちゃん。
Z戦士うんぬん以前に、常日頃から満身創痍がデフォルトな虚弱高校生あっきゅんにそんな芸当出来ませんもんね。
それにこの破壊行為はちょっとアグレッシブ過ぎるかな。

まーちゃんの焚火オススメスポットは7巻で久屋白太の監禁に使った廃工場(倉庫でしたけど、多分)。
めらっさめらっさとたき火を見つめて寄りそう二人。
その光景は温かそうで、懐かしくて。こんなにも甘い現実が確かにあって。

現実のいいところだけを毟って、お上品に皿に盛りつけたなら、美味しいものだ。問題は残っている悪いところを、いずれ口にしなければいけないこと。

でも、その後にやってくる不味い現実も食べなくてはならない時がやってくる。

芋の皮を剥いて、解体するの楽しいって完全に菅原入ってましたね。
あっきゅんだったらマユより先に食べることはせず、「剥いてあげるよ」とか言いそうだなぁとこんなところで差異を感じたりしました。
なんたって筋金入りのスジ取り係ですから。

『光の中』
まだ笑ってんのかよー、どんだけ笑ってんだよーと思っていました。

八章『please give me wings -ただし銅製-』

恋日先生が出てきてくれてすっごい安心しました。
あぁ、生きてたって。
まさか、あのニー日せんせーが外出しているなんて。
おつかい、がんばってください。……ちょろまかさないように。
おめでとうございます!
式には是非、呼んでくださいね。
なっちゃんにもよろしくお伝えください。


焼き芋ランチの後はホームセンターへショッピング。
彼女のお目当てはもちろん、ほ・う・ち・ょ・う♡
まーちゃんの買って買って光線。
みーくんは攻撃を防……げなかった。まいどありー。

キュートでポップってミッチーはどこでそんな映画評を読んだのやら。やらやら。

彼女の手に包丁が似合うようになったのはいつからなのか。

大きなものがぐにゃりと歪んだのではない。小さな心がぎゅうぎゅうとへし折られて無理に固まってしまったのだ。だから直しようがない。

彼女はその小さな心にたった一つ、『みーくん』という希望を残した。
他の何を失っても、それに縋って生きていけるように。
それさえあれば、他に望むことはないくらいに。
夢を、見続けていられるように。

ショッピングが一段落ついたら、寂れた公園でデート&デート&デート。
デシリットル好きやなぁ、みーくん。二人とも。
ここから、本格的にまーちゃんのみーくん観察が始まります。
ジーッと穴が開く程見つめまーちゃん。
右腕が使えないはずなのに逆上がり出来るのはおかしいぞ。
お次はあれ、地球儀みたいなジャングルジムの回るやつ。あれ、本当になんていうんでしょうね?ググったけど謎。
右腕が使えないはずなのにぐーるぐる出来るのはおかいしぞ。
その後も色んな遊具をこなすみーくんをジーッと観察。
ブランコに乗って「もっと」とせがんだのもおかしいぞっていう思いが段々と積って大きくなっていったからなのでしょう。
いくら外だとは言ってもこのまーちゃんは流石にテンションが低すぎますもんね。
あっきゅんと一緒だったらもう少し、楽しそうな空気になるんじゃないかな。

菅原がなんだかすごく寂しそうで悲しくなります。
自分が見ているものと彼女が見ているものは違うのかもしれない。

願わくば、僕の方が狂っていますように。

純粋な彼の祈りはどこか孤独めいていて。
すぐ隣にいるのに独りぼっちのような。
それでも、彼女が幸せであれと願う彼。
立派なみーくんになる素質は間違いなくあったんだと思います。
彼もまた、どうしようもなく人生を狂わされた被害者の一人で。
願わくば、『壊れていない正しさのある世界』では彼と彼女が幸せでありますように。

そして、『運命の夜』がやってくる。

『風の中』
流石にちょっと笑い過ぎだろ、と思っていました。

九章『I -××-』

奈月さんのモノクロ絵は初ですね。
スーツな女性はいいものです。
バリバリ仕事出来ちゃいます的なオーラがビリビリです(雰囲気だけ伝われば!)
彼女にしか出来ないことを、彼女はきっとやり遂げたのでしょう。
ただひたすら、見守り続けるが如く。


脳内タイムマシンドリームエディションパート2.
今回のゲストは長瀬透ッス。
この僕が菅原である以上、他の選択肢はほぼあり得ないんですよね。
あるとすればあとは枇杷島くらいでしょうか。二人の共通の知人となると。
ともかくこれは嫌らしい。非常に嫌らしい。
ここで長瀬を登場させることも嫌らしければ、嫌味ったらしく『みーくん』と呼ばせるのも嫌らしいです。
何よりぐちゃぐちゃに殺した相手と普通に話すっていうのが最っ低に嫌らしいです(褒め言葉)
いるまん、死後の世界の話好きだなぁ。
普段から笑わない方が、とか、冗談だけどな。とかもうここらへんまでくると念押しのように違いが目立ってきます。
『やつ』そっくりに笑った長瀬が未来を告げる。
もうすぐこっちにくることになるから、と。
そして、予言は現実のものとなる。

夢の中で重力の話をした後で、現実世界でアイキャンフライbyブランコ。
この無茶苦茶っぷりはまさしくみーくん。
想像するだに激痛駆け巡るから。やめて。ほんとやめて。

おねむなおねだりまーちゃんかわいすぎるやろ。
「んとー、前ー」とか殺す気かっちゅうねん。ぐはっ。
扉ぶっ壊して、お次は万引きとマジネジぶっ飛びすぎ。
菅原のみーくん、マジぶっ飛び。
右手でまーちゃんの手を握っていたんでしょうね、みーくんは。

利き手がアクセサリーなみーくんは左手で箸を使えないからってスプーンを用意してあげるまーちゃんは優しいね。
きっと良いお嫁さんになると思うよ。
このあたりが決定的だったんじゃないでしょうか。
みーくんとみーくんの違い発見。
みーくんらしいまーちゃんへの甘さがハッピーを呼び寄せて、幸せになれる可能性は高かったと思うよ、うん。

またまた出てきましたね、甲斐抄子。
なんか最近よく出てくる気がします。
それはさておき、『狼少年・かいしょうこアレンジver』ですが、普通に三人称書けるよねいるまん。
この際、本当に絵本出してくれませんでしょうか。
もちろん、絵は左さんにお願いして。
短いお話でもなんでもいいからとにかく読んでみたいです。
閑話休題。
あとがき、オイ。
あのあと結局チーズ饅頭当たったんかい!

本家みーくんである菅原も、今、まーちゃんと一緒にいる為には、彼女の望むみーくんを演じなけらばいけない。
二人のみーくんにとってお互いの存在は恐怖そのもの。
彼女の隣にいる今ををいつ取って代わられるかわからない。
その不安に苛まれながらでは、心休まる時はない。
だから、決着をつけなければならない。
全て終わったその暁に、まーちゃんの望む二人きりの世界で生きること。
それが嘘偽りない、『みーくん』の本音。

そして、まーちゃんがダウトを宣言する。
それは『みーくん』失格のお告げ。
入れ替わるように、現れたのは我らがヒーロー。
彼らしさ満載の無様な登場でカタルシスは臨界点へ。
あの笑い声だと思っていた謎の幕間がずっと走りまわっていた彼の荒げた息だったとは……またやられました。
こんなに盛り上がる仕掛けは中々思いつきませんぜ。
左手に重なる彼女の面影が彼を迎えに来たように見えました。

さよなら、ミッチー。
道真の一人称が読めて嬉しかったし、楽しかったよ。


あっきゅん、久しぶり。
ハッピーエンドまで連れてって。

十章『revival -嘘をもう幾星霜-』

ここで八事がくるとは微塵も想像していませんでしたね。
それなりに毎日を過ごしているみたいでほっとしました。
せんぱいはきっとこう答える。
いやーごめん。やっぱ僕、ちょー幸せ。


おせぇ!ほんとおせぇよ!最終巻だよ分かってる?ずっときみを待っていたっ!!
なんか自己紹介が真っぽいしさ。それは別に関係ないか。
雨の日も風邪の日も某フォレストさんばりに走り続けて幾星霜。
消耗し過ぎで戦闘前から満身創痍の風前の灯状態。

あぁこの語り口はみーくんだなぁ。
本当に本当に久しぶりだなぁ。
嬉しくて嬉しくて嬉しいなぁ。
菅原のみーくんとはラブが違うよねラブが。

菅原は精神病院から抜けだしてきたっぽいですね。
精神鑑定で責任能力無しとかそんな感じでしょうか。
詳しくないので分かりませんけど、刑務所よりは逃げ出しやすそうな気はします。
ま、起こり得ていることに一々過程を問わないのが自分の美点なので、そんなことはどうでもよくて。嘘だけど?

一年振りの因縁対決。
ROUND 2のゴングが今、切って落とされる……!!
みーくんの投石!りゃー。
ひゅーーーぅ、ぼと。
気まずい空気が流れる!!これは気まずい!!
みーくんのヒーロー度がガクッと下がった!!
ミッチーはメジャー未読のようですね。自分も途中で止まってますけど。完結したんですよね、たしか。

「お前はもう、終われ」

終わりだ、とは言わなかったのはあっきゅんの優しさだったんだと思います。

そして、始まる一方的過ぎるみーくんぶっ刺しタイム。ぐっさぐさのぶっしぶし。
生命の一大事なのにマユと目があって幸せを感じているあっきゅん。
そんな場合ではないんだけど、これこそがみーくんのみーくんたる所以ですよね。

敵を討ったところで、長瀬は喜ぶわけではない。
最後まで『助けて欲しかった』だけの彼女をもう救うことは不可能で。
致命的なまでに間に合わない。
失ってしまったそれはもう二度と、取り戻すことは叶わない。
分かってる。分かってるから。分かってるけど。
叫ぶ。うるせぇと吠える。
青白い湖に浮かんだ誰かの手はこう言っているように映りました。
「まだこっちにくるのは時期尚早ッスよ」

まぁ、いつものことですけど、ラスボス戦も一方的に主人公フルボッコですね。
いいや、この物語の主人公さ」バルフレアネタかな?
前に「オイオイヨ」ネタもありましたし。
昔のことを思い出して段々腹が立ってきて、例に出すのなんでトーエのことなんですかあっきゅん。
もっと他にもあったやろ。それ羨ましい思い出やし。ま、でもあっきゅんらしいな。
マユも、長瀬も、なにもかも返しやがれこのキチガイ野郎と突き出す左手。

なんの役にも立たないならと彼女に左手を差し出す方がよっぽど有意義だろうってところがどうしようもなくみーくん。
そして、にこーっと笑ったマユは右手に握った包丁を菅原の胸元に突き立て、空いた左手でみーくんの手を握る。

「私、こっちのみーくんがいい」

やばい。鳥肌総毛立ち。この幕引きは感動的過ぎた。
日記十六日の悪夢をを思い出して、あれは半分正夢だったんじゃないかって。
でも、決定的に違うのは選んだのが『私』であるということ。
これでその人称使うのは卑怯。
いるまん、あなたのことが大好きです。

最期、咄嗟にマユに殺意が芽生えてしまったミッチーだけど、きみがマユのことを好きだったこと、忘れないよ。
死んだら良いも悪いも関係なくそれまでだって言われればその通りなのかもしれないけれど、ここで終われて良かったんだと思う。
全てを思い出して生きていくには菅原はちょっと道を踏み外し過ぎてしまったから。
この二日間の逃走劇もきっと長くは続かなかっただろうから。
そこに彼は彼なりの幸せを見出していたのだろうけど。
彼の物語はここでお終い。
願わくば、彼の眠りが少しでも安らかでありますように。
おやすみ、みーくん。

そして、マユの放ったたった一言で天にも昇る幸せを噛み締めるみーくん。

ああ、ぼかぁ幸せだぁ。

ここで不意打ちのように落涙に見舞われました。
ずっとずーっとあっきゅんは不安だったんですよね。
毎朝目を覚ます度、もしマユの目にみーくんとして映らなかったら、と付きまとう恐怖。
代替可能であるが故の、消えることない悪夢。
そんなものと闘い続けてきたと思うんです。
でも。
誘拐事件をきっかけにみーくんとしての再会を果たして。
二人で過ごしたこの一年はしっかりとマユの記憶に刻まれていて。
思い出の中に生きる理想のみーくんに少しずつ少しずつ、××との日々が上書きされていたんですね。
みーくんが目の前に二人いる状況の、マユの、『私』の選択の結果に。
自分が選ばれた喜びは言葉なんかじゃとても表しきれない幸福感に満ちあふれていたに違いありません。
しかも、相手は元祖みーくんですからね。まさに完全勝利でしょう。
たった一言。このたった一言で××がどれほど救われたのか。
連日の疲労も傷の痛みも何もかも一気に吹き飛んでいったんじゃないでしょうか。
自分からも心から祝福を。
おめでとう、あっきゅん。
やったね。本当におめでとう。

まるで九年分の思いが堰を切って狂ったように笑い続けるみーくんはきっと色んなものを流しながら、それでも気持ちの良い笑顔だったんじゃないでしょうか。
やっとマユの前で笑えるようになったね。
見守る心は暖色系。

遊んだ後はお片づけの時間。
いざっ、いんぺーこーさく。
ボロボロ過ぎてこのままコロッと逝っちゃうなんてことはないよね?とちょっと心配になってきていましたが、構わずお山へ穴掘りに。
渋々でも手伝ってあげるまーちゃんはきっと良いお嫁さんになれると思うよ。ってもうなってるか。
マユが流した涙。『私』が流した涙。
マユは心のどこかできっと全て覚えていて。
でも、それを許容する程のこころはもうないから。
深い深い奥底に閉じ込めて。
その矛盾が彼女を活かして、生かしていて。
だけど流れたその涙には色んな思いが混じっていて。
ばいばいって。昔のみーくんとのお別れの涙だったんじゃないかなって。
そんなことを考えたりしました。

みーくんがついた嘘は、マユの為であり、そしてなにより自分の為でもあったのでしょう。

奈月さんが通り掛かった可能性も無きにしも非ずですが、まーちゃんはちゃんと救急車を呼んでくれたんですよね。ええ、きっと。
みーくん、こんなところでくたばっちゃメーよ。

嘘つき少年と壊れた少女のものがたり

ハッピーエンドの終わりには何が待つのか。
分からないけれど、嘘つきなきみが『ある』と言ってくれるのならば。
どこまでもお付き合い致しましょう。

結局、あっきゅんの素顔を見ることは叶いませんでしたが、よぅしと左手を掲げる彼の後ろ姿を見て頭に浮かんだ彼の笑顔は、表紙のマユに匹敵するくらい清々しい、素敵な表情をしていました。


生きててくれてありがとう。
右腕は再起不能で身体中ボロボロで。
でも、まだ左手が残っている。
彼女と再び、手を繋いで歩んでいける。

上にも書きましたが、ずっと名前だけ出てきていた竹田くんや脇田さんといった小学生時代のクラスメイトが連続殺人の犠牲者となり、あっきゅんの現在の顔馴染みは全員無事でした……ただ一人を除いては。

不幸を背景にして、幸せは輝き続けるのだから。

思えば、このシリーズのテーマは一貫して投稿時の原題であり一巻の副題でもある『幸せの背景は不幸』をひたすら描き続けてきていたんですよね。
だからこそ、自分はこんなにもこのシリーズが好きなんだと、改めて好きになり直しました。

ここでの女々さんネタはごめんなさい、正直萎えました。いらんかったと思います。
入間作品で叔母さんと言ったら自分の中では枝瀬叔母です。
全然出番はありませんけど、最初から最後まで本当に頼れる人でした。
彼女の支え無くして今の××はなかったでしょう。
更に出番のない枝瀬叔父もきっと良い人なんだと思います。
いつか、この二人の話を読んでみたいです。
××はもう、あんまり二人に心配かけないようにね。

最終回でついに明らかになったフルネーム。
彼の名は、金子金男。嘘だけど。
いやー金子が出てくるだけでなんかテンションあがるんですよね。
ミッチーの言っていたこと何気にあたってますし。
関係のないところで関係のない事故に巻き込まれてるあたりがマジ金子。
骨折してるけど、あー元気で良かった。ホント良かった。

にもうと&ニー日先生登場。
てかまたエルシャダイネタすか。どんだけ楽しみなんすかいるまん。
前巻で立てた死亡フラグが形を変えて現れるもやっぱり死亡フラグでしたとさ。
あにーちゃんの膝の上に乗ると大人しくなるにもうとマジ子猫。

みーまー偽伝からだと思うけど、いるまんの中で流行ってるよね、おっぱいオバケ。
それはともかく、あっきゅんセクハラ過ぎっしょそれは。思うだけでもセクハラよ、しかも三回。
まー多感なお年頃だからねー。
柚々は何故に『恋』と『変』を隣合わせにしたんだ。絶対狙ってるだろ。確信犯だろ。
まぁ、似てるから、とかそんな理由なんでしょう、多分。惜しいことを。
んできみは何悶えてる。このドM。
てか湯女りんキック、菅原のナイフ攻撃と並び称されるってどんな威力だったんだよ。
駅前かどこかで二条オワリと会って、なんやかんやあったんですかね。
とにかく、食い扶ちが確保出来たみたいで良かった良かった。
脱ニート。しかもピアノ弾き。
ナンシーコンサート超行ってみたい。

×音も恋日先生もちょーくぁーうぃーなぁーもぉー。
言い逃れできないね、あの時のプロポーズは紛うことなく『僕』だったから。
極めつけは『マジる』ですよ『マジる』。
でも、先走りな恋日先生と大好きなお兄ちゃん(大きな視点で捉えよう!)と一緒に暮らす為、大荷物抱えてやってきたにもうとが破壊的に可愛いので許す。全部許す。マジる。
詰みまくってるけど頑張れあっきゅん!
こんな状況でも『彼女』がいなくて良かったなぁと安堵してるあたり、これが一途な浮気っていうんでしょうか?それとも、一途の浮気、かな?

二ー日レッドマフラーとお揃いのマフラーなんて買ってたのかあっきゅんは。
あの時一緒に買ってたのかな?だとしたら最強にかわいいぞ。
退院して叔父さんの家にまた住んでいたことが分かって少し安心しました。いやなんとなく。
いつか、長瀬の墓参りに行けるといいです。そこで涙を流せるといいです。

ジェイコム奈月の話が出てきたので、自分の憶測でも。
菅原を埋めた、あの隠蔽工作とも呼べない穴だらけの後片付けに、彼女が気付かないわけがないと思うんです。
きっと、奈月さんは全て知った上で、あの犯罪を完全に闇に葬り去ったのでしょう。
刑事としてではなく、彼らを見守ってきた一人の人間として、法に背いたのでしょう。
正しいか間違っているかで言えば、それは間違っていることなのかもしれません。
それでも、奈月さんは自分にしか出来ないことを、やったのでしょう。

大量の風船が空に舞い上がる幻覚を見た。

映画ネタというか映画のラストシーンを被せてきましたね。
ここ、エキストラで撮ったシーンじゃないですか。
くっそ寒い中、自分も風船飛ばしてきましたよ。
映画では編集して青空にしてあるので、この曇り空はその場にいた人しか味わえませんなニヤニヤ。

たとえ、僕と彼女以外は誰も幸せになれなくとも。
それでも同じこの選択肢を何度でも何度でも繰り返す。
理由は一つ、単純明快な魔法の言葉。

「……ぃだよ、うん。お代はラブで結構、という感じ?」

ぅあーそこで『その言葉』を呟いてきますかあっきゅんは。
聞き逃すわきゃーありませんよ。
ばっちり耳に焼きつけといたんでよろしく。
こんなに一途なやつ見たことねぇよってくらい底抜けのアホだよね。
よーるすにラブイズミラクル。
約二ヵ月振りの再会にも関わらず、0秒反応なまーちゃん。
一巻を思い出してしまうそのやり取りを温かい空気が包み込んでいて。

僕らはいつだってやり直せない。たった一度さえも、一秒も、一瞬たりとも過去へ人生の針を戻すことはできない。だから僕はきみにまた嘘をつく。きみとこうして出会う度。
きみをこれ以上なく、幸せにする為に。
「僕の名前は、みーくんです」



嘘つき少年と壊れた少女の物語は、またここから、騙られる。

××は『みーくん』として生きていくことを決めたんですね。
まぁ、今までもそうでしたけど、今回のは改めてというかより一層というか、確定的に。
そう言えば、10巻内に『ぼく』は一度も出てきませんでしたが、走り回っている間に色々なものと一緒に振り切ってきたのかもしれませんね。
あらすじにもあったように『ぼく』は消え、完全に『僕』になったみーくん。
そして、『キミ』から『きみ』へ。
彼女を幸せにする為の選択であると同時に、××自身の幸せがそこにあることを知っているから。
“愛”する人の隣で、その幸せな笑顔を見られる日々を幸せと呼ばずして何と呼びましょう。
これ以上のハッピーエンドがあるかってんだっ!!
これ以上なく、幸せが溢れたハッピーエンドに辿り着いたねっ!!
幸あったよ!すっげー幸あった!

エピローグ『これまでからと、これからまで』

うむ、騙された。
気持ちいい程の騙されっぷりであった。
別々の制服、というのが少し引っかかっていたんですけど、男女だから制服違うよね、うん、という意味の分からん説得で自分を納得させ、マユが!マユが頭下げた!とめちゃくちゃハイになっていたりしたのですけど、見事に手の平で踊らされていたようで。
なるほど。そういうことね。引っかかったよ、ばっちり。

あれから、五年後。
すっかり大きくなった浩太くんと杏子ちゃん。
髪が長くてほっそりした浩太くんかぁ……想像通りな将来像でした。
で、あんま関係ないんですけど、浩太くんがお釣りの二円を募金箱に入れたところでミッチーを思い出しました。ミッチーも募金してましたよね、二十円。
杏子ちゃんは相変わらず、ふしゃー!って感じですね。
あ、そうそう、このアパートって桜山線アパートかな。多分そう。
二ー日先生も美里の二ー友だったり、カンスト職人やってたり、元気そうで何より。
柚々も相変わらずみたいで何より。
あのまま大学行っててももう卒業してるはずですけど、何やってるのかな。
奈月さんも相変わらずお元気そうで何より(さっきから同じことしか言ってない)
奈月さんが見守ってくれてるなら、安心、かな。
湯女はピアノヒッキーになって、同じヒッキーの恋日先生とは別次元のヒッキーですね。

そして、この語り手は美里嬢だったわけですが、気づくのに時間を要しましたよ全く。
まさか彼女で締めてくるとは思いませんからね。
最期は全然関係ない新キャラから見たその後の世界、みたいな感じで締めてくるのかなと思ってたくらいです。
でも、分かってて読むと美里以外ありえないじゃんこれってなってるのが、ね、悔しい演出なわけですよ。
毎日なんだか不幸だなーって。
どれだけの『不幸』があれば、私は幸せになれるんだろう。

池田兄妹を心配してるけど、素直に認めないところなんか大人になっても変わらないなぁって、すごく……あっきゅんでした。
あっきゅんも嫁絡みで毎日大変そうで、何よりです。
『幸せ』を問われ、「幸せです」と微笑む姿に「あぁ、本当に幸せなんだなぁ」とハッピーエンドの終わりに待っているものを少しだけ垣間見れたような気がして、体中の力が抜けるくらい安心しました。

五年後もこうして幸せそうに笑っている彼の姿が在るんだということ。
それになによりも安堵して、それがなによりも嬉しくて。
この五年間にも様々な困難があったのでしょう。
それでも、彼彼女彼ら彼女らも生きている。
これまでがあったように、これからもきっと幸せや不幸を吸っては吐いて。
いつかくる終わりに向かって、緩やかに生き続けていくんだろうな。そうだといいな。

明日もきっと良い日じゃない。
けど、私はそんな日でも過ごしていける。

後ろ向きな希望を感じさせる、どこまでも“らしい”ラストだったと思います。

あとがき
ダ・ヴィンチのインタビューより詳細ないるまんが執筆時に感じる手触りのお話。
わかるような、わからないような。
わかるようになったら嬉しいな。
ぼっちーズが激しく気になります。自分にだけでいいのでこっそり教えてください。

自分は入間作品を読んでいるとなんとなく家族っぽいイメージを感じます。
これがほんとのイルマニアファミリー。なんちって(←ウザい)
読んでいて全体に感じたイメージはこんな感じ。

・みーまー→変人だけど不思議と人を惹きつける魅力を持つ捻くれ者の兄。××してる。
・電波女と青春男→素直で癒し系な妹。基本的に兄とは正反対。でもどっか似てる。好き。
・多摩湖さんと黄鶏くん→経験は無いくせに知識だけは無駄に豊富でド変態な姉。全然周りが見えない、見ようとしない、視野狭窄な一途娘。大好き。
・花咲太郎→柔和で物静かな親戚のお兄さん。ただ、熱くなるときには誰よりも熱い。ろりこん。
・僕の小規模な奇跡→不器用で真っ直ぐな一番上の兄。ラブい。
・六百六十円の事情→人生の悲喜交交を知っているカツ丼大好きお父さん。かっこいい。
・バカが全裸でやってくる→ゴーイングマイウェイな夢追い裸族。性別不明。バカ。
・ぼっちーズ→内緒。これだけ全然別のものが浮かんだ。

こういうのは誰しも覚えるものなのだ……と今即席で考えたやつが言ってみます。
適当なんでさらっと流して下さい。
やっぱり終わりなんですよね。完結なんですよね。
分かってはいるんですけど、いるまんの言葉でそれを宣告されるのはかなり堪えますよぅ。

おお、父間さんお仲間!
自分も映画のエンドロールに自分の名前がなくってちょっと憤懣やる方なかったんですよ!(←黙れ)
あれは酷いですよね!いるまんと名前が並ぶの楽しみにしてたのに!(←だから黙れ)
うん、貴女の息子さんは男性ですよ、ママ間さん。
こちらこそ約三年半、楽しませていただきありがとうございます。
入間さんに心の底からの感謝を。

著者近影
父間さんの迷走っぷりが大変愛しゅうございます。
このマスコットキャラクター?が商品化される日は来るのでしょうか?
意味がないからいいんですよね、こういうのは。シャー!!!!!





約三年半前、気まぐれに立ち寄った本屋で気まぐれに手に取った小説、それが『みーまー』との出会いでした。
今思い返してみても何故その時の自分がそんな行動を取ったのか不思議なんですけど、それまで一度も入ったことのなかったラノベコーナーにふらっと足を運んだというか、引き寄せられたというのか。
当時はライトノベルという言葉自体知らず、初めはラベルの正式名称かと思っていたくらいですから、本当に偶然の出会いとしか言いようがありませんでした。一つ、嘘だけど。
そして、そこで平積みされていたまーちゃんの表紙に一目惚れして、気づけばレジで支払いを済ませていた、と。
表紙買いはあまりしない方だったので、それだけ左さんのイラストが素晴らしかったのだと思います。思いますというか事実素晴らしいですもんね。
そういう意味でも左さんには感謝してもしきれない思いでいっぱいだったりします。
なんたって、いるまんとの恋のキューピットですから!
そうして一晩かけて読み終わった時、問答無用でフォーリンラブでしたよ。ええ、本当に。
これが運命かっ!と大好きになり、その想いは今でも変わらずここにあります。
一巻の感想もまたいつか書きたいので、その時の為、この話はここらへんでやめておくとします。

今も昔も色褪せることなく、一番大好きな1巻。
書店で見つけた時は驚きのあまり大声を出しそうになった2巻。
キンキンに冷えた部屋の中、毛布にくるまって読んだ3巻。
2ヶ月連続刊行だやほーいと諸手を挙げた4巻、5巻。
終わっちゃったのかぁ……と名残惜しんだ6巻。
やったぁー続刊来たー!と気持ち悪いくらい最高にハイってやつな7巻。
分厚っ!鈍器、鈍器♪と鼻歌を口づさんだ8巻。
胸を締め付けられる思いで読み進めた9巻。

気づけば『みーまー』は自分にとって、今まで出会ってきたどの作品よりも思い入れの深い作品になっていました。

10巻は終始、読み終えたくなくて何度も何度も戻りつつ、一ページ一ページ暗記するぐらい丁寧に丁寧に言葉を掬っていきました。もっと、もっと、と祈りながら。
それでも、いつかは終わってしまうことが分かっていて。
そして、迎える別れの時。
真っ白に燃え尽きてました。いや、読了後の自分の話です。
読み終って数時間の放心状態っぷりったらなかったです。
さらに数時間経って、その放心状態からやっと戻ってきたら今度は「ああ、終わったんだなぁ」という感覚がじわじわと湧いてきてました。
このなんとも言えない気持ちを人は何と呼ぶんでしょう……
物語の終わりを迎えた後のこの虚脱感はこれまで何度も味わってきましたが、こんなにすごいやつは初めてでした。
これからもあっきゅんたちの物語は続いていくのに、もうそこに自分は立ち会えないのだと思うと堪らなく切なくて、寂しくて……ぐぞぉざびじい゛ぞう゛!!ぢぐじょー!!
悲しくはないけど、ただひたすらに寂しいです。寂しい。寂しいよぅ……
死ぬほど寂しいけれど、ひとまずはここでお別れ。
いつかきっとまた、どこかで会えると信じて。
不幸を背負った彼らの幸せが、どうかいつまでも続きますように。
再会の祈りと願いを込めて。

ばいばい。ありがとう。またね。

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Comments

改めまして、お疲れ様でした。
涙と手の震えが止まりません。

去年は入間人間という作家に出会い、感銘し、歓喜した、そんな一年でした。
初めて書店で入間人間の文字を見かけたこと(これは平積みされた「僕の小規模な奇跡」でした)、"探偵"という二文字に惹かれ購入した花咲太郎、ライトノベルを買うことに慣れておらず買うのに緊張したみーまー1巻、途中参加した月刊入間人間。
全てが良い思い出です。

そして今年。
新年に相応しい傑作を読むことが出来ました。
今まで生きてきて良かった、そう思えました。
面白い本は今までに読んできたように思います。
でも、でも。
「やっぱり入間人間が一番」
入間先生、あなたのことが大好きです。

そして天野さんに最上の感謝を。
情報に疎かった自分にとって「入門入間」は情報の最先端でした。
毎日このページを見るのが楽しくて楽しくて。
僕がここまで入間人間を好きになれたのは、「入門入間」そして天野さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
そして、本当にお疲れ様でした。


あと凄く余談なんですが、自分は今作の犯人を金子だと思っていました。
それはない、それはない、と思いつつも、自分の中で最悪のエンディングを考えてしまいました。
一番辛いエンディングを想定してしまうのがミステリ読みの性、なんでしょうかね……。
何はともあれ、金子が犯人でなくて本当に良かった。
そしてハッピーエンドで本当に良かった。

最後にひとつだけ。

「いるまんマジ最高!××してる。」
Posted at 2011.01.12 (02:39) by 稲羽 (URL) | [編集]
ついに、みーまー終わってしまいましたね…。
嬉しくもあり悲しくもある。けど、でも、しかし、みーくんの幸せを悲しむわけにはいきません…
ここは涙を堪えて旅立ちを送ってあげることにします。

ここは、舞城さんの力を借りて…みーくん好き好き大好き超xxしてる!!

…戯言シリーズみたく続編でないかな…
Posted at 2011.01.12 (21:02) by (ry(ry(ry (URL) | [編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
Posted at 2011.01.16 (19:57) by () | [編集]
Re:稲羽さん
ご返信が遅くなりまして、誠に申し訳ございません。

ありがとうございます。
読了から10日以上経ってやっと現実に戻って来たような気分です。

それは素敵な一年でしたね。
このコメントを読んでいて、なんだか自分まで嬉しくなりました。
『僕の小規模な奇跡』は確か未読でいらっしゃいましたよね?
素晴らしい作品なのでいつか読んでみてください。
初入間作品は花咲なんですか?
それはそれでまた受ける印象が違いそうです。
本当に、良い思い出ばかりです。

本当に、そう思います。
新年早々、こんな素晴らしい作品の完結に立ち会えた喜びは言葉では言い表しきれません。
色んな意味で、この作品無くして、今の自分はありませんでした。
『みーまー』、そして入間さんには本当にたくさんのものを貰ったような気がします。
どうかこのありったけの感謝が少しでも多く届きますように。
そしてこれからも、いっぱいいっぱい楽しませて頂きますよ、入間さん。

恐悦至極に存じます。
もう、このコメント見るだけで嬉しくて嬉しくて。
>僕がここまで入間人間を好きになれたのは、「入門人間」そして天野さんのおかげです。
特にこの一言でどれだけ報われたか分かりません。
一人でも多く入間さんのことを好きになってもらえるよう、これからも頑張っていこうと思いを新たにさせられました。
やっぱり見てくださる方あってのブログですので。
というわけなので、よろしければ、今後ともよろしくお願いします。


な、なんだってー!!
金子はそんなことしませんよ!ええ、本当に。
でも、もし金子だったりしたらビックインパクト過ぎて本が真っ二つになっていたかもしれません。
文字通り、最悪のエンディングですよそれは。
いや、本当に金子じゃなくてよかったです。
そうですねー、ミステリ読んでると誰も彼もが怪しく思えてきて、逆に怪しくないやつが一番怪しいパターンとか際限なく様々な可能性を考え始めて止まらなくなりますよね。
とってもみーまーらしい素敵なハッピーエンドでした。

それでは、便乗して。

「いるまん、幸せになろう!間違えた……いるまん、幸せをありがとう!」
Posted at 2011.01.19 (02:23) by 天野寂 (URL) | [編集]
Re:(ry(ry(ryさん
ご返信が遅くなりまして、誠に申し訳ございません。

悲しいというか、ひたすらに寂しいです……。
でも、二人がハッピーエンドを迎えられたことは素直に嬉しいですよね。
これからも、彼らの幸せが続くことを祈りましょう。

みーくんもまーちゃんも好き好き大好き超xxしてる!!世界一ィ!!

スピンオフ作品とかは読んでみたい気もします。
どうでしょうね~。
Posted at 2011.01.19 (02:24) by 天野寂 (URL) | [編集]
ご返信が遅くなりまして、誠に申し訳ございません。

初めまして、コメントありがとうございます。

終わってしまいましたね。
物語の最終回を迎えた後の、あのどうしようもない気持ちってなんなんでしょうね?

すごく分かります。
時々、嘘で隠しているみーくんの本心が垣間見えることがあって、そのどれもがとても切ないんですよね。
自分もこういうシーンが好きで読んでいました。

冷たいんだけど温かいような、言葉にできない不思議な魅力を持った作品でした。

本当に寂しいんですよね。
でも悲しいお別れでなく、寂しいお別れを迎えられたことを嬉しく思ってもいます。

感覚の共有って言うのでしょうか。
同じ作品を通して自分と同じ思いを抱いた人がいるというのは、救われるはちょっと言い過ぎかもしれませんけど、なんだかふわっと安心感に包まれるような、うれしい気持ちになりますよね。

ありがとうございます。
こちらこそ、素敵なコメントありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
Posted at 2011.01.19 (02:26) by 天野寂 (URL) | [編集]
六月の電撃文庫の新刊にみーまー最新刊がありますよ
なんでも子供さんの話らしい
いまから楽しみです
Posted at 2017.04.08 (10:53) by (URL) | [編集]
Re: さん
はじめまして。
コメントありがとうございます。

わざわざありがとうございます。
存じおりましたが、他事で記事にするのが遅れてしまいました。
あゆちゃんとまいちゃんのお話ですね。
楽しみすぎて不眠症になりそうです。
Posted at 2017.04.08 (18:35) by 天野寂 (URL) | [編集]
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