静電気の季節 感想

電撃文庫MAGAZINE Vol.20掲載『静電気の季節』の感想です。

バスの衝突事故で、僕と彼女は偶然ファーストキスを果たした。
そして僕は右目を失い、彼女は左目を失った。

静電気の季節だった。

冬じゃなくてもしょっちゅうバチッとなる帯電体質です。
sp_comment_5.jpg
ちなみに庭さんからの5周年お祝いイラストの二人のお話です。
(半分くらい2011年当時に書いた感想になるので、ん? となるところがあるかもしれませんがお気になさらず)
ほろ苦甘酸っぱい!
“これから”を予感させる前向きな幕引き。こういうラスト大好きです!

まずはイラストから。
ニューイラストレーター、庭さん。
ふぉぉぉぉぉぉおおお、びゅーちほ……!!
素晴らしいですね。作品の雰囲気ともドンピシャですよ。
目から花が咲いているようにも見えて、DOD3のゼロですねっ!
ロゴも静電気のチクッとする感じが出ててとってもグーです。

・カールくん(僕)
男を女の子と間違えることはないですけど、逆はよくあります(←超失礼)
間違えるというかすごくボーイッシュでどっちかわからない雰囲気の人が多いのが悪いんです(責任転嫁)
声聞けば一発で分かるので問題はないんですけど、ニッシーみたいにびっくりします。
閑話休題。
右目を失ったことを受け入れるのが早い。流石入間主人公。それでこそ入間主人公。
西澤恵の両親への対応もすごい入間主人公ですけど、面と向かって娘さんの下着をくださいって言えるメンタルはやばい。プロポーズの何倍も勇気要るよ……
これで両親からは変態の烙印を押されてしまったわけで、この後仮にニッシーと付き合うことになって結婚まで漕ぎ着けたとしても、「む、娘さんをください……!」「もう下着はいいのかね」とか言われてあばばばばば……ですよ! 若気の至りって怖い!
どエロ黄鶏系男子(脇命!)なところと歯の浮くような台詞を真顔で言っちゃうところが好きです。

ちなみに彼、合コンにも参加しているので未読の方はぜひ。ちなみに合コンの感想はこちら

ハイパーイルマ大戦 File.04 『合コンサイドA 一応は時を越えて』

左門さんにタイムマシンを使って変えたいことはあるかと聞かれて、例え事故を回避して右目を失わずに済むとしても、彼女に会えないのは惜しいと言ってのける彼が大好きです。
入間主人公って本当、彼女に首ったけですよね。それはもう羨ましいくらいに。

・西澤恵
非常に現実的な人だと思いました。
おそらく、考えたくなくても先のこと先のことまで考えてしまう性格で、だからカールくんとのことについてもあんな風に語れたんでしょうね。
常に明るく振る舞ってましたけど、色々無理してたんだと思うと胃が……
顔の怪我のこと、そしてなにより失った左目のこと。
誰しもカールくんみたいにすんなり受け入れられるわけないですから。
女性となれば尚更のこと、ショックは大きかったはず。
自慢の可愛い顔がブサイクに成り果てていたときの恐怖。
元来の性格によるところが大きいんでしょうけど、決して楽天的なわけでもないのに(むしろ、悲観的な印象)、明るく元気に振る舞う姿に彼女の強さを感じました。
そりゃーこんな女性にあんな笑顔向けられたらカールくんだって惚れちまいますよ。

ところで、大学生でファーストキスってことは今の彼氏が初恋人なんですかね?
付き合ってどのくらいだったのかもちょっと気になります。

・医者
冒頭に登場したお医者さん。
なんの根拠もないんですけど、なんとなく恋日先生のお父さんなんじゃないかなって思いました。
岐阜の病院なので可能性としては0じゃありませんし。
はっきりした物言いとかちょっと分かりにくい冗談とか、良い先生だと思います。

・本編諸々
偶然、乗り合わせたバスが事故に遭い、吹っ飛んだ拍子にキスして、しかもお互いファーストキスで。
要素だけ拾い上げるとロマンチックですけど、これだけ血なまぐさい出会い方もそうそうありません。
苦い理由だったとしてもカールくんが髪を伸ばしてたおかげでニッシーと出会うことができたっていうプチバタフライは素敵。
「きみがその子を好きになってよかったわけ」ニッシーええ子や。

事故で大怪我を負ったり、犯罪に巻き込まれたりした後、元の日常へと戻ったとき、果たしてそこに“元の日常”は待っているのか。
変わってしまったのは自分自身であるのに、『見る目』が変わるのは周囲の人間達で。

あったもの、あるべきものの『外』に、僕たちは追いやられた。

生きている以上、待ち受ける現実があって。
入間作品で繰り返し言及されているテーマですね。

屋上で西澤恵の言葉に耳を傾けながら、このままフラれてお別れかぁ……ってしんみりしてたら、この流れでまさかのキス!? ワンモアチャンス!?
初めてのキスは、マーチの味がした(キャッチコピー)

『片想い』の汎用性もこの短編の見所。

NEXT STATION......?
┏━━━━━━━━━━━━━┓
┃     片想い     ┃
┠─────────────┨
┃← 一目惚れ|両想い → ┃
┠─────────────┨
(バス停っぽくできなかった……orz)

『静電気の季節』の真髄はラストにあり!

・クロスオーバー

「小学生のとき、僕みたいに目玉をなくしたやつがクラスにいたんです。右だったか左だったかは忘れてしまったけど、新学期に包帯ぐるぐる巻きで歩いていたのを覚えている」

『ひかりの消える朝』のシンバのことですね。
ここから時系列を計算するとみーまーよりも少し前辺りの話だと分かります。

ふと、小学生のときに片目を失った同級生のことを思い出す。あいつは確か、あの歳から彼女持ちだった。なんてやつだ、と憤る。

周りから見ると彼氏彼女に見えてたみたいだよ! やったねシンバ!

「へぇ、たい焼き屋でバイトしてるんだ」
「んーん、大学前のクレープ屋。無断欠勤が続いてるし、クビになってると思うけど」

『ぼっちーズ』で中村さんらがバイトしてたとこですね。
でも、10年以上潰れずに残っているとかちょっとした老舗レベル(笑)

・気になった点
カールくんと西澤恵のそれぞれの年齢はカールくんが免許取ろうと毎年思っているという記述から少なくとも2年生以上、2コ上の西澤恵が4年生と推測されます。
で、西澤恵の彼氏が不真面目学生なら話は別ですが、そうでなければ4年生の後期まで講義が残っているのはおかしい気がするんですよね。
彼氏だけでなく、西澤恵自身もまだ残ってる様子ですし……
そもそも4年の10月だったらもう半年もせず卒業なんだから、そこまで大学を基本に考えなくても……と思ったりしました。
まぁ、いるまんもそんなことまで考えてないってことなんでしょうけども。
追記:ニッシーが浪人、もしくは留年している可能性を考慮していませんでした。
名城の文系は単位0でも4年までは留年しないらしいので、浪人したのかな?
彼氏も勝手に同い年だと思い込んでましたけど、年下の可能性は大いにありますね。
とりあえず、自己解決です。

Leave a comment

Private :

Comments

- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
08 10
発売カウントダウン!
入間人間著作一覧
7/7更新

刊行年月日順リスト

シリーズ別著作リスト

刊行予定リスト
天野寂のお気に入り
Profile

天野寂

Author:天野寂

“あまのじゃく”と申します。
読書メーター始めました。

このブログについて

Recent Entries
RSS
Recent Comments
Categories
Archives
FC2カウンター
RSSリンクの表示
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード