早稲田文学増刊 wasebunU30 『返信』 感想

初めに、今回なんでこんなに更新が遅かったかというと、一度ほぼ書きあげたテキストを間違えて全消ししてしまったからだったりします。
はい、どーでもいい話終了。
もう既に機を逸しちゃった感がありますけど、もちろんお構いなしです。
英文と空気が読めないことに定評がある自分としては、ここは譲れないな、と。

まず、この紙の匂いがすごく良いです。なんか安心するというか落ち着くというか。
ちなみに、映画のパンフレットも同じ匂いがしますよね。
次は電子版になるかもしれないし、まだ何も分かりませんとあとがきにありましたけど、出来ればこのまま次も紙のままでやって欲しいです。
電子書籍を否定するわけではありませんが(むしろこれから先はこちらが主流になるのが自然な流れだと思います。と言っても自分は一度も利用したことがないんですけど)、自分は本はページを捲って読みたい派ですので。
古いと言われればそれまでですけど。

短篇競作、初めは全部一言ずつくらいコメントしようと思っていたんですけど、予想以上に肌に合わなくてやめにしました。
一応、全部目は通したんですがかなり疲れました。
携帯電波の時みたいに微妙に繋がってると思ってたのに、驚くほど無関係で肩すかしを味わいました。
でも、『笑い飛ばして、笑い飛ばしてよ』は結構良かったです。タイトルが好み。

残りの評論なんですけど、挑戦はしたものの国語の模試をやっているようで進まない進まない。疲労困憊を理由に辞退させて頂きました。
でも、『捏造の技法』はわりかし面白く読めました。
とりあえず、『あの子の考えることは変』を読書リストに追加しました。
本谷有希子さんの書かれる作品も好きなんですよね。
『生きてるだけで、愛。』とか訳分からんけど、なんか分かる気がして、あの独特の雰囲気が好きです。何言ってるか自分でも分からんですけど。

閑話休題。

それでは続きから本命のいるまん短篇『返信』の感想いきます。

愛は祈りだ。

上の文は『好き好き大好き超愛してる。(著:舞城王太郎)』からの引用だ。
私もこの作品に出会ってかなりの衝撃を受けた覚えがある。
自分にとって初舞城作品であり、彼の作品の中で一番好きな小説でもある。
そして今回、短篇中でこの文が出てきたことが素直に嬉しかった。
一種の共感めいたものがそこにはあったのかもしれない。

いるまんがここまでストレートに『愛』という言葉を使うのは入間作品の中でも初めてではないだろうか。
この短い話の中で何度も用いられていたが……今度暇なときにでも数えてみるとしよう。

作中の彼は彼女を愛していて、彼にとって彼女こそが全てだ。
そんな彼女と彼を繋ぐのは嘘を塗りたくったメールのみ。
彼女に甘え、彼女との平穏なやり取りを続けていくことも出来た彼が、変身の為に一歩踏み出すところがなんとも恰好良かった。
入間作品主人公ズのこういう『諦念に浸かっているようで、その実誰よりも真直ぐで、決めるところはどんなに無様だろうと決める』ところが大好きだ。あっきゅんらぶ。
あんなに熱い冷めてる主人公は中々お目にかかれないと思う。
嘘をいつか本当に、彼女に少しでも相応しくなろうと祈るその姿は、最期のオチを知っても変わることはなかった。
ただ、美しさに満ちている、そんな風に感じた。

ごちゃごちゃと御託を並べてはみたが、本当はそんなことはどうでもよくて、ただただこんなに大事に思える人がいるということはそれだけでなんかすごく素敵だ、とそんなことを思った。

やはり私は彼の紡ぐ物語がどうしようもなく好きだ。それこそ愛しているといってもいい。
だから私も祈ろう。
彼と彼の物語、その幸せを。
もし、そこに私が含まれていたならば、こんなに幸せなことはないだろう。

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