トカゲの王 プロローグ 感想

電撃マオウ8月号別冊付録『SDC覚醒ファイル』掲載書き下ろし短編ノベル『トカゲの王 プロローグ』の感想です。

戦慄の廃ビル事件が起きる前にトカゲとナメクジは出会っていた――――!

後付け王子いるまんの貫禄。
なんという後乗せサクサク感。
とりあえず……どいつもこいつも漫喫好きだなぁオイ!
トカゲとナメクジのマル秘エピソードっていうから期待していましたが、数ヶ月前の話かよ!
ったく期待させやがって……ハイハイ、過剰な期待を抱いた私がわるぅーござんした。

守月さんの書き下ろしナメクジイラストがすんばらしぃー。
今までの守月イラストの中でも会心の出来映えじゃないでしょうか。
個人的にはこのカラーよりも人物ファイルのモノクロver.の方がより好みだったりします。
有り体に言えば、『オイ猫、そこ代われ』みたいな。
とりあえず、この画が拝めただけで満足かなと。

簡単に内容をまとめると、『家に帰りたくないトカゲが寄り道に、ナメクジがアメンボの情報を集めるために、巣鴨と海島が一緒に、アメンボもなにやら、と各々の思惑は様々であれ、既に漫画喫茶にて一同は会していたのである』みたいなお話です。
まぁ、早い話が一巻の前日譚です。
トカゲは海亀産太郎に惨敗してたり、ナメクジはトカゲと漫画の奇数と偶数で張り合ってたり。

大体推測は出来ましたが、ナメクジさんが20歳というのは初情報ではないでしょうか。
そんなことより人差し指タイピングなマイマイかわいい。
守月さんの挿絵も文句なしです。
トカゲは普通に迷惑なのでさっさと追い出されたほうがいいんじゃないかな?

それがナメクジの考える、猫のための『復讐』だった。

ええ~、さすがにそれはちょっとどうだろう。後付けにも無理があるんじゃないだろうか。
人物紹介のところでも気になったんだけど、『人の命よりも猫の命を大切にしている』っていつから無類の猫好きキャラになったんですか!
猫が好きとは言ってたけど、ここまでではないでしょう……なぜ猫好き設定に走ったん?
いや、猫好きなのはいいんですよ。むしろ、大歓迎です。
でも、1巻では微塵もそんな気配なかったのはなんだかなぁ。
これ以外は全然許容できる後付けなんですが……読み直せば印象変わる、かなぁ。
飼い猫を殺されたとかそういった要因もあったんでしょうけど、1巻を読む限りは能無しと蔑まれていたことが一番の動機になっていたはずじゃあ?
いるまん、この設定忘れてない? まぁ、さすがにそれはないと思いますけど。

人間っていうのは正しくなくてもいいが、間違わないようにすることが肝心だと学校の先生が言っていた。

確信をつく先生ですな。
正しくなくとも、間違えさえしなければ、それなりにやっていけるもんですよね、人生って。

続いてカエル先生のお言葉。

『努力っつーのは実力を高めるもんで、才能を磨けるわけじゃあない。そこを認められないバカが、才能という言葉に逃げるなとか言うけど、本当はそいつが才能から逃げてんのよ』

カイショーがいいそうな台詞ですね。ってか口の悪いカイショーかと思った。
いるまんって結構頻繁に『昔、先生が言っていた』とかいって、こういった自身の哲学ないし信念的な格言を織り込んできますよね。
中でも“才能”、“努力”、そしてここには含まれていませんが“運”。
この3つについて語ることが多いと感じます。
入間さんは自身の才能をどのように認識し、どんな努力を重ね、運はどのぐらい巡ってきているのだろうか。

この後に続く『だからお前もグズなりに努力しろよ。努力はしていいんだから』が、絶対そんなことはなく掛け値無しの罵倒なんでしょうけど、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、カエルさんの優しさに思えるのは流石に好意的解釈が過ぎるでしょうか。
“才能”が無くても。“才能”を補うことはできなくても。“努力”することはできる。
いくら“努力”したところで“才能”には敵わないかもしれない。
でも。
“努力”しなければできないことがきっとあるから。
“努力”した先にしか見えない世界がきっとあるから。
とここまで書いていて、これってポケモンに似ているなって。
才能=種族値or個体値
努力=努力値
運=運ゲー要素
ほら、びっくりするぐらい当てはまる!(なんか色々と台無しだよ!)

大事にしていた右腕を奪われることになるマイマイねーさん……改めてかわいそう。

ナメクジの故郷は二千年以上前に生まれた観光名所である、水没都市の近隣だった。不思議に猫の多く住み着く地であり、ナメクジも例に漏れず、犬よりも猫をかわいがる傾向があった。

このしつこさ&露骨さ……『アイで空が落ちてくる』を公開させんとする、いるまんの策略に思えてなりません。
ここまで露骨に出されては、編集部側も黙って見過ごすわけにもいかないでしょう。
もしかしたら、全然気づいていない可能性もあるかもしれませんが、そこまで節穴でもないでしょう。
『入間の間』かどこかで公開される日もそう遠くないかもしれません。

「お金持ちはカルピスを原液で飲むんだよ」

お金持ちではありませんが、原液を飲んだことはあります。
濃い方が美味しいことは確かですが、原液はヤバイです。喉に絡みついてヤバイ。
カルピスの原液をコップの2/3ほど注ぎ、そこに水を入れた激濃から徐々に水を足し薄くしていくのがマイジャスティス。
なんかいっぱい飲めた気分にもなれるし、オススメの飲法。
ちなみに、かき氷にはカルピスの原液以外は認めない主義です。

閑話休題。

よくよく考えてみれば、この短編はイルマニア向けというよりは、マオウ読者に興味を持って貰うためのお試し版的な意味合いが強いわけで、必然的にこんなかんじの短編になるのかなと。
面白くなかったわけじゃありませんが(上で引用した、先生とカエルの言葉がよかったです)、期待してたのとはちょっと違って残念。

最後に。
この冊子では『King of Lizard』となっていますが、正しくは『Lizard King』ですよね?(1巻参照)
後ほど、小冊子自体の感想も書きますが、この他にも色々といい加減で残念。
ネガティブなことばっか書いて〆るのもあれなんで、ポジティブっときますと、守月さんのナメクジさん見るためだけでも買う価値はありまっせ! ほんまでっせ!

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