犬の道、道の犬 感想

今更感想シリーズ第三弾。
電撃文庫MAGAZINE Vol.8掲載『犬の道』『道の犬』の感想です。

一言で言えば、いるまん実験作その①ですね。
読めば自ずと気付かれると思いますが、この二つの短編、文字数が全く同じになっています。
正確には句読点、括弧の位置まで完全一致です。
両方読むと謎が明かされるとか煽りがついてますけど、このことを言ってるんだと思います。
何か見落としてるのかと何回か読み直してもそんな謎なんてないじゃん、と若干騙された気分を味わったり。
それにしてもすごいです。こんなのをぱっぱと書いちゃういるまんマジ尊敬、です。
流石に漢字ひらがなの構成は違いましたけどね。でも、すごいよ。
どうやって書いたんでしょうね。
まず一本書いてからそれに合わせて書いていったのか、もしくは照らし合わせながら同時進行で書いていったのか、どっちにしろ「あ、やべ。一文字多くなっちった」と文字数を確認するいるまんを想像して…… 自重しときます。

続きから、内容についての感想。
の前に雑誌あとがきについてのコメントタイム。
保育所時代から志は既に富士山よりも高し、だったんですね。今はエベレスト越え。もうすぐ大気圏突破。
ちっちゃい頃って支離滅裂ですよね、自分もそうでした。
でも、タコもタコ焼きも大好きでした。
いるまんの焼いたタコ焼き、食べてみたかったです。
タルルートくん、アニメは観たことありませんけど、漫画は全部読みましたねー。
戦闘で下半身まで服が破けるのは印象深かったなぁ。
みえっちんとかめっっちゃ懐かしいです。


『犬の道』

 面白かったのである。非常に。入間作品初の犬視点でのお話でもあるのである。しかし、ただの犬ではない。人語を解す犬、が主人公である。この設定でいるまんが初めて書いたという短編を思い描いた方は、正直少ないと思う。でも少しくらいはいるよね、と日和ってみるのである。
 え、口調がウザいって?別に影響されたとかそういうわけでは全然ないのである。本当である。
主人公の犬、とりあえずお約束らしく名前はまだ、ないそうである。嘘である。テレビ番組のヒーローと同じ名前らしいのである。ここでは仮にマクガイバーということにしておくのである。でも、それだとちょっと長くて不便なのでマックとフランクに呼ぶことにするのである。
 このマック、実に強かなやつである。知恵を駆使して人間Aに打ち勝つ姿はまさにかの冒険野郎を彷彿とさせられたのである。しかし、どこかにこんな犬がいそうな気がするから不思議である。
 描写がなかなかにグロかったのである。死体に蜂蜜とかやめてくれ、である。勿体無い、以前の問題である。そして舐めるなしマック。何故舐めたし、というのは最後鮮やかに伏線として回収されたから良いものの、食いしん坊の名誉は拭いきれないでのある。じゅる。ほんとに台無しである。
 しかし、最後の締めはどうしようもなくいるまんである。
どこまでいっても、外装を剥いだ中、骨格に守られているのは『幸せ』のテーマなのである。
例え犬が語り部となっても変わらぬその優しさに、小生、安心。である。

『道の犬』

 達観具合やばかった。ガチで。こんな小学一年生は果たして現存しているのか。しかし、本人に自覚症状有。小学生失格と、認識をしている。途中に出てきたユーカさんと呼ばれていた歌手が気になるのだが、吹上有香だろうか。パラレルワールド的な世界、でならあるかもしれない。
 あ、これって読んだな?と思い出したのは蟻と妹の自転車籠のとある描写である。確かにある。
具体的には、野良犬が走る自転車に体当たりして、首挟むとか云々。確認頼む。これはリンクというよりはセルフネタと捉えよう。細かいところではあるがこういうのを見つけるは大好きだ。まだ、気付いていないだけでこういった繋がりがあるかもしれないわけで気は抜けない。
 あのマック、何気に再登場している。先の話より一ヶ月経った今も人間に媚を売って生き延びている姿は逞しいの一言である。しかも、救助犬とも仲が良いようでなんとも世渡り上手なものだ。
 己は感情が欠落していると思っている。だけどそんなことはなくて、あって。自己満足、掴もうと渇望して。人命救助に命懸ける犬に。まだ諦めずに、今まで傍観の中で抱えていたもの一気にをぶち撒ける台詞には、かなり胸に響いてくるものがあり抉られた。ぐりゅ。根こそぎもってかれた。
 やはり、こちらもまたぶれることなく入間的結末だった。
理解出来なかった、母が死んだ理由、それと同じ行動の結果に『満足』という代価をその手に。
死に際の想いが独りぼっちになる父への優しさで、心中、平静。である。




やってみると分かります。
いるまんすごいよいるまん。
こんな短さでもかなり大変でした。しかも支離滅裂。
まぁでも面白かったので万事おーけーです。自己満足ゲット。

描写に関してなんですけど、すごい上手いなって思ったのとこがあって、「ああああああああぁぁぁぁぁァァァ!」って台詞に被せて地の文を書いてるところなんですけど、その場面がスロー再生のように脳内再生されて、この手法はほんと上手いなと、感心感心です。

それでは、最後に心に響き渡った少年の叫びを。

「自分の、危険も察知してくれよ。人の命より、自分の命を優先で、野生らしく、」

「そんなに必死ならどうして母さんは、助けなかったんだよ!頑張るとこ間違えるな!」

「肝心なときに予感働かせろ!もっと助けるべき人間を絞れよ!無理なら大人しくしろ!」

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