『おともだちロボ チョコ』第一話『チョコ、お友達を発見する』 感想

電撃文庫MAGAZINE Vol.38掲載『おともだちロボ チョコ』第一話『チョコ、お友達を発見する』の感想です。

私たちの仕事はこの星で戦い、生き延びること。
ただ戦い続けて、突然現れる『怪獣たち』の意識を地上に向けさせる。
それだけだ。

第一話って……いい加減にしてください!!
いや、新作が読めるのはすごくすごく嬉しいんですよ?
嬉しいんですけど、あっちもこっちもつまみ食いしかできてないので、ちゃんとお腹一杯ガッツリ食べたい!! と思うのが人情ではないでしょうか。
完全に完結させられない病患ってますよ入間さん。
一つ一つ終わらせてから新作書いてくれないとその間生殺しにされる読者としては気が気じゃありません。
ただでさえ隔月誌でインターバルが長いというのに別の作品始めますか普通。
それになにより『大学の三丁目あたりで』という前例もあるわけで。
こういう作品の内容と関係ないところでフラストレーション溜めさせるのやめてほしいですホント。
作品自体は面白いだけに勿体ないと思いますです、ハイ。

愚痴はこの辺にしまして、イラストのお話から。
いやー、今回は素晴らしいじゃないですかloudrawさん!
正直、『僕の小規模な自殺』以後の2作品は微妙だと思っているんですけど(特に『エウロパの底から』)、今作はかなり雰囲気とマッチしていてグーな感じなんじゃないでしょうか。
redjuiceには流石に及びませんがそれに近い画風で、後ろの『カタツムリ』もすごくカッコイイ良デザインだと思います。
当たり外れはあれど、見る度に印象が変わる面白いイラストレーターさんですね。

それではそろそろ本編の感想に入りたいと思います。
例の如くタイトル詐欺です、本当にありがとうございました。
まぁ、わかってましたけどね。
タイトル通りのほんわかハートウォーミングストーリーが100%来ないってことくらい。
これくらい予想出来なきゃ、何年イルマニアやってるのかって話ですよ。

ロボットと人型生命体の交流を描いた前作に引き続き、巨大人型ロボットVS敵性怪獣というこれまた結構ガチなSFで攻めてきました。
今作が本当の、以前書きたいと言ってた“巨大ロボットもの”なんですかね。
巨大人型ロボットもので避けて通れない問題『何故、人型でなくてはならないのか?』にちゃんとした理由を用意している辺り、今回はいつものなんちゃってSFではなく本格SFを目指している気配が感じられました。

まだ16歳の女の子が、人類が火星へ移住するまでの時間稼ぎの人柱としての生活を余儀なくされるという徹底的にシビアな世界にあって、自分を地球に置き去りにした(も同然の)家族が幸せに笑えるんだったらと自身の境遇を受け入れている永森の健気さに泣きました。
しかも、死ぬのは怖い、死にたくないと死の恐怖に晒され、奇跡的に生還を果たした直後でこれですから。
永森が優しいというよりはそのくらいしか生きる意味は無い世界ということなんでしょうけど、それでもやっぱり泣けます。
ところで、今作の主人公・永森の名前の元ネタはチョコレート繋がりで『森永製菓』だと思います。
後々、治明なるライバルキャラが登場するはず、多分。

マッドサイエンティスト緒方博士。やばいですねこいつ。
結果的に永森は助かったものの、少しでもチョコに敵意を抱いていたら他の候補生と一緒に殺されていたわけで、むしろそっちの可能性の方が高かったわけで(緒方博士が『可能性は多い方がいい』と言ってますし)、明らかに全滅上等で向かわせてます。
人の命なんて毛ほども興味ない外道以下の臭いがプンプンします。
ですけど、こういうキャラは嫌いじゃないです。

チョコに関してはお披露目過ぎてコメントしづらいですが、ロボットが巨大ロボットを操縦するという展開は素直にわくわくしますね!
作中でも色々と突っ込まれてましたけど、ロマンがあんだよ男の子にはな!
あと、カァールディスの戦闘方法には爆笑しました。
ロボットになっても全然変わってねぇ! いつもの血みどろ肉弾戦じゃねぇか!
せっかくロボットが活躍できる世界観なのに、ビームとかミサイルとかぶっ放してもいいのに、特攻&力押しっていうね。
でもこのくらいならエヴァとどっこいどっこいだし全然アニメ化いけるから安心して大丈夫!

チョコのおともだちに選ばれた永森ですが、博士がチョコに友達を作らせる理由が謎です。
チョコが人間だったら某子犬作戦みたく戦う理由を作らせるために、とかなんでしょうけど、現段階できちんとシステム通りに戦うチョコにそんなのものは必要ないですし、むしろイレギュラーの原因になる可能性が高いです。
ただ、これは敵性怪獣を倒すことを目的とした場合の話で、人類の未来とかそんなものはどうでもよさそうな博士の性格を考えると、より人間らしいロボットを作りたいから、とかそんな理由がしっくりきます。
もちろん、これも博士の趣味でしょう。
そして、ここから一つの仮説が立てられます。
以下、『ふわふわさんがふる』のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。



『おともだちロボ チョコ』は『ふわふわさんがふる』の前の話ではないでしょうか。
『ふわふわさん』に脱出計画の名残のロケットが放置されていましたが、これは『おともだちロボ』の火星移住計画のことで、人類を滅ぼしたロボットはチョコだったと。
もちろん、チョコ一人で人類を滅亡させるのは無理でしょうけど、彼女がきっかけになった可能性は高いと思います。
理由は色々考えられますが、例えば、仲良くなった永森を(人間によって)目の前で殺されたチョコが敵討ちにとか、人類に代わってロボットを支配者にするという緒方博士の計画だったとか。
この仮説への最大の反論『敵性怪獣が襲うのは人型であるから、『ふわふわさん』の世界で彼らが襲われていないのはおかしい』へ対しての回答としては『人類と共に怪獣も滅ぼした』『地球の人類が滅亡し、怪獣は火星(の人類)にターゲットを移した』『人型を襲ってはいたが、怪獣の狙いはあくまでも人類であり、人類の滅亡と共に怪獣も消えた』等々が挙げられます。
特に上に挙げた内の3つ目などの理由だった場合、ふわふわさんを地球に送り込んでいるのは火星に残った人類という可能性も浮上してきます。
そして、決定的とまでは言いませんが、『カタツムリ』の正式名称『PE-17J ペドゥラ』は有力な共通点です。
『ふわふわさん』でもロボットの名称は『アルファベット+数字』でした。
17JのJはおそらくジャイアントのJでしょう(適当)

こうやってあれこれ考えながら読むのはすごく楽しいんですけど、やっぱり一気に読みたい!(じゃあ、文庫化するまで待てよとかそーいう問題じゃない)
ので、出来る限り早く続きを読ませてください。
『神のゴミ箱』と同時掲載してもいいんですよ?(いるまんを殺す気か

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Comments

巨大ロボ…肉弾戦上等…人類移住計画…
キャプテンアースの話かな?(すっとぼけ)

確かに新作のうえに大好きなロボット物!なんですけどいい加減神のゴミ箱書いてくれませんかね。風呂敷を一旦畳んでから次のを書いてほしいですね。
Posted at 2014.06.11 (20:06) by No.39 (URL) | [編集]
Re: No.39さん
キャプテンアースについては全く知らないんですけど、これならアニメ化狙えそうだなーとは思いました。

全く同感です。
他のシリーズ作品にも言えることですけど、並行してやるにしても限度がありますよね。
Posted at 2014.06.11 (23:15) by 天野寂 (URL) | [編集]
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