砂漠のボーイズライフ 感想

ラブじゃないよライフだよ! でお馴染み『砂漠のボーイズライフ』の感想です。

砂漠のボーイズライフ (メディアワークス文庫)砂漠のボーイズライフ (メディアワークス文庫)
(2014/07/25)
入間人間

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果てのない砂漠(ここ)には、蜃気楼の美女しかいない。
人生の潤いが枯渇した場所。それが――


 男子校、だ。
 頭髪の自由はなく(例外あり)、携帯電話は悪の枢軸で、もちろん華やかな青春なんて皆無。三年間、僕らが進み続けるのは砂の海。そう、『砂漠』というわけだ。
 そんな男子校に、訳あって集ったのは、全く意味のないイケメンフェイスを持つ長髪野郎、モンゴルから柔道のために砂漠に来た留学生、高校生の代名詞である丸坊主の元・野球少年、そして、そんな悪友たちと虚しい青春を謳歌する僕だ。
 四人が歩くその先には、無限の砂漠と蜃気楼の美女しかいない。
 今日も僕らの雨乞い(ボーイズライフ)が始まる。

今回も私の感想(イルマニアライフ)が始まります。
あらすじで四人っつってんのになんで3人なの? と疑問に思った人も多いであろう表紙を飾ってくださったのはIzumiさんでした。
ちゃんと3人の理由はありましたね。中に残り一人いました。
あとがきでも海外の方と書いてありましたが、正確には台湾の方だそうです。
案の定というかなんというか、既にpixivでお気に入りに入ってました。
KH、ダンロン、ニーアとゲームの趣味が合いそうだなーという印象です。

1『馬頭琴(仮)の詩』

菊原、相地って完全に『ぼくらの七日間戦争』じゃん! 何度菊池、相原と読み間違えたことか……ややこしいよ。
他の人物もほぼぼくらシリーズの登場人物のミックスネームでした。
とすると、相地の下の名前は『英(ひで)』の可能性大ですね。

個人的には相地の髪型はヤシの木っていうより、パイナポーヘアと呼びたい。
相地の屁理屈聞いていると(流石にここまで生意気ではなかったものの)在りし日の自分を思い出して懐かしくなりました……まぁ、今も大して変わってなかったりするんですけど。

方言混じりの日本語が達者なクトゥグええね。

『スーホの白い馬』なつかしー、あったねぇそんなの。
全然関係ないけど、国語の教科書に載ってた『おじさんのかさ』って話は今でもやけに覚えています。

2『蜃気楼の美女』

中華料理屋のチャイナドレスを着た子=安達、なので『安達としまむら』と時系列はほぼ同じであると分かります。
中口さんと安達は一緒の高校かもと考えましたが、中口さんはセーラー服、安達はブレザーなので違いますね。

新田先生もええキャラしとる。
『安達としまむら』はスピッツのロビンソン。
『砂漠のボーイズライフ』はBUMP OF CHICKENの天体観測。
偶然にも本作発売の7/25に地上波初登場のBUMPがMステに出てました。
残念ながら天体観測は歌いませんでしたが、中々すごいタイミングですよね。

教師の下ネタもそうですけど、そういう男子校特有のノリみたいなものがもっと描かれると思っていたのに全然でした。
別に期待してわけではありませんが、拍子抜けだったなぁと。

「カフェでなんやかんやする脚本とかどうよ」
「なんでカフェ限定?」
「最近はそんなのばっかりだからな。とにかく喫茶店出しておけばいいんだよ」

こら、いるまんwww ブラックジョーク冴え渡りすぎw
いやでも、冗談抜きで最近のメディアワークス文庫はカフェもの出しときゃ売れるだろみたいな風潮がありますよね。
まぁ、1冊も読んでないし読む気もないので別に問題ないんですけど。
ってか、こういうのって編集に止められないんですかね?
あ、ちゃんと読んでないんでしたっけ。ならしょうがない。今回はルビのミスが目立ちましたし。

早々にオアシスこと中口さんが登場しちゃったので全然乾いてねーじゃん! と思わず叫んでしまいました。
砂漠とは、雨乞いとは一体なんだったのか。

中口さん、とってもかわいいんだけれども、アレですね、発酵の美少女(誤字じゃない)というかなんというか……ホモが嫌いな女子なんていません!系女子ですね。
創作活動には自己顕示欲が必要不可欠! って言ったんだから自分の作品は全部好きですって言わないとダメですよ! 昔の作品も!

3『第22回男子校脚本大賞』

エロ本もらったクトゥグのリアクションで腹筋がお亡くなりになりました。
でもって相地、写真集に付箋とかやめろw 余計なお世話すぎるw
黙々と写真集を観賞するクトゥグといい、むっつりな安沼といい、THE・男子高校生! って感じでええね!

見た? 見た? はあざとすぎると思います中口さん(ニヤつきを抑えられない顔で

土曜日を迎えるまでにあたって様々な葛藤やら妄想やらがあったのだけれど、男の懊悩する様など見ていて面白いものでもないので割愛。これが乙女なら始終覗いていたいのだが。

なんだばしゃぁぁあああのことかな?

中口さんマジ厄介。
だがしかし、オアシスだから許される。もとい癒される摂理。

ここを砂漠だと言う菊原の本心を見抜く中口さん。
男子校関係なくね? と作中ずっと感じていて、砂漠とか雨乞いとか蜃気楼の美女とかなーんかそれっぽい言葉並べてみました感が拭えなかったんですが、ここに来て菊原の口から真意が語られることでようやく『砂漠』の意味を掴めたような気がしました。
第一志望の高校に落ちるという、菊原にとっておそらく人生初の大きな失敗によって辿り着いた望まぬ場所。
本作は青春要素も恋愛要素もありますが、何について書かれた小説かと問われれば、私は“人生”についてだと答えたいです。
菊原の場合は高校受験でしたが、そういった失敗によってそれまで歩いてきた道から外れてしまうことや砂漠の真ん中に放り出されて漠然とした不安に駆られることって珍しいことじゃないと思います。
そういう落ちこぼれ(っていうと言葉が悪いですが)が、それでも砂漠を歩き回って雨を乞う。
それが、砂漠の雨乞い(ボーイズライフ)であると。
あぁ、いるまんやなぁと至福を感じるひとときでした。

4『ヤシの木のかみ』

それもこれも良き友人に恵まれたおかげだよね! 友達万歳! ヤシの木万歳! なお話でした。
どーでもいい話ですが、自分も高校の時分、相地ぐらい髪あったんですよね。
頭髪検査とかないゆるゆるな校風だったので特にお咎めなしでしたが、「男の髪は短く!」みたいな古臭い固定概念が嫌で嫌で仕方なかった、というか今も嫌です。なくそう男女差別。
納得出来なければ絶対に譲らないという、相地のスタンスはモロ自分と一緒ですね。
そのスタンスを貫いてここまでバカやれる相地を素直に羨ましく思います。

「俺に会えてよかっただろ?」

そして、こんなバカに出会えた菊原が羨ましいです。

あとがき
我慢できずに血飛沫が舞ったんですね、わかります。

カフェdis3回目w
いるまんも「カフェものとか書いてみませんか?」とか言われたんでしょうか?
タイトルからはアレなそれを感じましたが、内容にはアレな要素ありませんでしたね。
あれですよ、BLにするんだったら中口さんみたいにかわいい女の子出したらアカンとですよ。いや、しなくていいですけど。
全然むさ苦しくなかった事実。
もっとこうガツガツしてるのを想像してましたけど、ちょっと爽やかすぎるかなと。
某摩湖さんの腋を狙う某鶏くんぐらいの血走りは欲しかったところです。

『安達としまむら』と同じく、1冊で終わっておいた方が良い話だと思います。
売れて欲しいけれど、売れたら続くだろうことを考えると……ぐむむなジレンマ。

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Comments

逆に、いるまんの書くカフェものを読んでみたい
わたしも買いました&読みました!面白かった今回も!

カフェのくだりで笑が堪えられませんでした。どんだけカフェものが嫌いなのだろうかと……

でもじゃあ逆に、編集さんからカフェものを書いてください、という注文が来たらどうなるのか。それがちょっと気になります。
Posted at 2014.07.27 (20:44) by 木野 (URL) | [編集]
Re: 逆に、いるまんの書くカフェものを読んでみたい
予想外に爽やかで面白かったです!

露骨なまでのカフェディスりにはもー笑いましたね。やっぱ入間さんもそういうこと気にしてるんだなーと。

入間さんが書くカフェもの……コーヒーなんて苦くて飲めるか! っていう奴がなんやかんやあって喫茶店のオーナーを任されて、とか。
タイトルは『まっずいコーヒーのいれ方』で(ヤメナサイ
冗談はさておき、カフェという縛りをどう料理するかは見てみたくはありますね。
Posted at 2014.07.27 (23:28) by 天野寂 (URL) | [編集]
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