神のゴミ箱 感想

2015年1冊目、メディアワークス文庫『神のゴミ箱』の感想です。

神のゴミ箱 (メディアワークス文庫)神のゴミ箱 (メディアワークス文庫)
(2015/02/25)
入間人間

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ある日、ゴミ箱のゴミがひとりでに増えた。
それが『彼女』との触れあいのはじまり。


 ある日。とあるアパートの住人、神 喜助(じん きすけ)のゴミ箱の中身が、ひとりでに増えた。ここの住人の誰かのゴミが、何故か転送されてきている。糸くず、美しい髪の毛、小説の下書き、そして『恥ずかしいポエム』。
 しかし、読んでいるこちらが赤面するそのポエムは、どうやら『遺書』らしい。つまり、ここの住人の誰かが、死のうとしている?
 自殺防止に奔走したり、女子中学生の援助交際を諭したり。
 神(のゴミ箱)のお告げにより、退屈だった彼の人生は、ささやかに動き始めた。
 これは、『どこかとつながっている』ゴミ箱を巡る、すこし不思議な住人たちの物語。

笑いあり、笑いあり、笑いありのとにかく笑えるゴミバコメディでした。
1章&2章(前後)は雑誌掲載時の感想をお読みください。

1章『2000mg配合』

『大学の三丁目あたりで』との矛盾について、修正なり補足なりがあるかと思ってましたが、結局月寒が出てきたのはこの章だけでした。

2章(前)『女子中学生との援助交際において、彼の内宇宙に生じた律動』

神が2階の男前に頼めよとか言ってましたけど、もし柳生に頼んでたらマジで犯罪に発展していましたね……本当に神でよかった。神様ありがとう。

2章(後)『実は3章でもよかったと思う』

文庫化する際に絶対章題変えるだろうと思ってたのにそのままだった!
むしろ私は前後編に分けず、合わせて2章でよかったと思います。

文庫ではモノクロになってしまっていますが、かわいすぎる木鳥ちゃんの肩出しルックがカラーで拝めるのは雑誌購読派の特権ですね。眼福眼福。

些細なことですが、1章では大家(老婆)なのに、この章では中年になっているのがちょっと気になりました。

3章『彼は彼女に彼女は彼に彼も彼女に、そして彼女と彼は』

ややこしい章題。予告の『あいつ怪しくねぇ(仮)』は跡形もないですね。
それはさておき、3章めっちゃ面白かったです。もう笑いっぱなしでした。

最初、我慢大会でもしてるのかと。
「ロリコンにちは~」今日も桃ちゃん絶好調!
でもね、比内さん、ロリコン=貧乳好きというわけではないですよ。多分。
それはそれ。ロリはロリ。

えっ、木鳥ママンってガチで外国の方なの?
ってことは木鳥ちゃんハーフか。近い将来が楽しみですね。
父親の元に行くかどうかで悩む木鳥ちゃんに神がかけた言葉。
大人って感じですね。格好良いな。これは木鳥ちゃんが惚れてしまうのも無理はない。
ろりこんにちははともかく、自分を大切にしなさいと諭すのも大人の役目も欠かさない神さんかっけーッス。

突然の誓いのキス。
木鳥ちゃんかわいすぎか。
ほっぺやおでこじゃなくて手の甲なのも木鳥ちゃんらしくてポイント高いです。

「ロリコンばんわ~」今宵も桃ちゃん絶好調!
良いロリコンだっているよ! 偏見いくない。
『硬派(カタハ)』はルビまでTシャツにプリントしてあるのか、ただの誤植なのかどっちなんですかね?

柳生がガチのロリコンだった!!
しかも悪い方のロリコンだぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!
こいつの場合、イケメンだからロリコンでも許されそうな雰囲気になるのが最悪ですね!
ザリガニの隠語とか下の毛とかこんなストレートな下ネタ使ういるまん珍しい! そして、腹痛い!
ここから先は1行毎に笑い転げていたと言っても過言じゃないです。
西園乱入まではいいとして、なんでワカメ男まで上がってくるんだよw
妖怪・氷菓子女こと比内さんは窓から入ってくるわ冷蔵庫は勝手に漁るわ文句は言うわとやりたい放題ここに極まれり、とカイショーの横暴っぷりが可愛く見えてくるレベル。
西園かわいそうw でも、嬉しそうでなによりです。

「え、まあ……ふふふ、私は歴史の立会人というところかな」

ラベンダーの香りで瀬川確定! と思ったら、一人称“私”? あれ、誰だこいつ?
もしかして、松平さん? いやでも松平さんも一人称私違うし。
いるまんが一人称のミスをするとは思えないし……マジで誰だこいつ! と天井に向かって叫んだのは一旦置いておいて。
全員で顎に手を添えるポーズw なんかもう一々ツボに入ってダメだ。今なら何されても笑える自信ある。
×空気読めない、○空気読まない系女子はいつまで扇風機と戯れてんのw
あなたのことは謹んで、ざ・ふりーだむ☆と呼ばせて頂きたい。
この暑苦しい空間において唯一の清涼剤木鳥ちゃん、好きな人いるの? って問われてもじもじしながら神のことちらっと見ちゃう年相応のかわいらしさ……うーんメルシー。
そんな幼かわいい木鳥ちゃんも少女である前に一人の女。
恋敵(仮)にさぐりを入れますが……

「私? 彼の部屋へ遊びに来るのに理由なんて必要ないわ」

オイコラ、爆弾投入すんなwww
その後も中学生相手に煽る煽る。
この大人げなさ(この人にこれほど無意味な言葉もありませんが)、絶対に見習いたくないなって思いました、まる。
二人を遠ざけようと必死かわいい木鳥ちゃん、JCを相手にちょっかいかけまくる比内さん、めんどくさいことでキレ始める西園、色んな意味で人類の敵だと判明した柳生、そして、なぜか扇風機の前を確保するワカメ男。
いやだからなんで出て行かないんだよお前はw
最初から最後まで活き活きしすぎだろ比内さん!
あー面白かった(目尻の涙を拭いながら)

それでは、先程のワカメ男=瀬川問題に戻りましょう。

 次に出てきたのはワカメ男だった。男は目が合うと、カモノハシみたいに横に広い唇を動かして「三四郎だ」と名乗った。なんだか赤酒ばかり飲んでいそうな名前である。柳生に三四郎に喜助と、このアパートには古風な響きの名前が集うのだろうか。その三四郎ことワカメ男が「いやなに」と頭を掻く。
「俺はだな、別のアパートに住んでいたのだが、急遼、部屋が必要になったというか、譲ったというか、占拠されたというか……まあ事情があって近いここに移り住んできたんだ」

やっぱり瀬川三四郎ですよね。彼以外に当てはまる人物いませんし。
ということは先程の“私”は気取って言ってみただけと考えてよさそうです。
部屋が間違っている問題もすごい丁寧な説明ありがとうございます。
よく考えれば、あの後老婆左門さん行くとこないですから、事情の分かる瀬川を頼るしかないんですよね。
で、あの部屋は老婆左門さんに譲ってか占拠されてかして、このアパートに移ってきたと。
つまり、この世界(時間)は瀬川と左門が付き合ってるということなので、やっぱりパラレルワールドではない可能性が高いと思われます。
となると、『大学の三丁目あたりで』との矛盾は解決されませんね。う~ん。
それはさておき、この時点で瀬川は大学4年生のはずで、ほぼ1年学校に行っていなかったことを考えると部屋に引き籠もってばかりいるのはマズイ気がするんですけど、大丈夫なのかな?
左門と付き合っている今、生来真面目な性格の瀬川が留年するわけないよなぁとちょっと疑問に思いました。
あとこれは植田さんが悪いわけではないと思いますが、表紙イラストのワカメ男と瀬川が全然一致しないというか別人なのが残念だなと。
左門と付き合うようになってファッションに気を使うようになったのかもしれませんけど、ノースリーブはないでしょ! もっと普通でいいよ普通で!
あ、そういえば、左門に告白するときに髪さっぱり切ってなかったっけ(今思い出した)
ま、まぁ、あれから結構経ってますし伸びたんですよきっと(震え声)
(追記)色々と記憶違いがありました。補足記事を書いたので詳細はそちらをお読みください。

閑話休題。
ほんと、比内さんが何考えてんのかわっかんねぇな。

4章『小鳥のさえずり』

予想外の木鳥ちゃんパート。そこはかとなく『安達としまむら』の安達パートの雰囲気が。
“神さん”を“しまむら”に置き換えたらそのまま成立しそう、は流石に言い過ぎですが、あれで培われたものが活かされてるなと感じました。
よーするに夜は短し、恋せよ乙女ですね!
あーだこーだと理屈を捏ねたり、なんやかんやと考えを巡らせて、“好き”を自覚するまでの心の過程を書かせたら入間人間とはよく言ったものです(そんなの初めて聞いた? 気のせいです)
髪型で悩んだりするのは青春っぽくていいですが、柳生に相談するのだけはやめるんだ木鳥ちゃん。それだけはいけない(真剣)
西園うぜぇ! はっ倒したい!
意識した途端、今まで通り自然に接することができなくなって。
そんな乙女の姿を固唾を呑んで見守っている読者をあざ笑うかのように空から舞い降りる自由の女。
流石に空気読もう? ひうちっち。
ほらぁー木鳥ちゃん泣いちゃったじゃん。
比内さん? 自分に素直な生き様は大変素晴らしいと思うのですが、“容赦”という言葉をご存じでしょうか? あ、ご存じない。左様ですか……木鳥ちゃん、強く生きて。

 どうして泣いたと聞かれないのが、優しさであり、悲しくもあった。
 神さんは、わたしの内面にまで踏み込みたくないのだと思う。

聡いなぁ。辛いなぁ。
無償であることの解釈も切ない……入間さんの乙女力というか片想い力高すぎです。

5章『うつろう光の雨 オフホワイト 闇夜を灼く白昼 サンライトイエロー そして、巡り往く季節の檻 セルリアンブルー』

このネタいつまで引っ張るんですか! というツッコミもこれで何度目でしょう。
ハマりすぎもとい再燃しすぎです。
いるまんがPCの前で一人、この前口上を詠唱しているかと思うと右脇腹辺りが捩れるので勘弁してください。

うら若い男女が密室でこんなに密着してるのに全くそういう雰囲気を感じさせないのはいるまんの才能なんでしょうか。
絵面を想像すると結構アレなはずなんですけど、このエロくなさはなんなんでしょう。良くも悪くも性を感じさせないというか。

 誰かを好きになるのは、こういうことなんだよなあと思った。
 好きな人を好きであり続けたい。触れ合えるかもしれない。癒やされたい。理解されたい。理解したい。ここにいたい。いてほしい。相互的でオーガニック的な何か。期待と保身と成長が混ざった心境のすべてが、川の下流を目指すようにそこへ流れていく。

良いこと言ってるなって思ったのに、オーガニック的な何かで台無しだよw

作詞家になればいいんじゃないかな、比内さんは。

手の甲に口づけするだけでいいのにれろんて舐めるあたりがなんとも入間主人公だなと。

オカーチャン、常識的に考えてゴミ箱は拾わないでしょ! キタネーヨ!
……ってあれ、続くの?

・総評
近年希に見る爆笑入間小説でした。
いやー笑った笑った。笑いまくりました。
電マガ掲載時も笑いまくってましたけど、一気に読んで更に笑えましたね。
どいつもこいつも面白いんですけど、やっぱり比内さんの存在の前ではみんな霞みます。
笑いの女神ですねこの人。なにしても面白いとかこんなん卑怯ですよ。
一方、癒し担当木鳥ちゃんはとにかくかわいかった!
特に彼女視点の切なく狂おしい4章は素晴らしかったと思います。
1巻完結かと思いきや、まだ続くようで、それ自体はすごく嬉しいのですが、入間さん、シリーズ増やすのはシリーズ終わらせてからにしましょう?
というわけで、続きをすっごく楽しみにしています! 近いうちにお願いしますね! 近いうちに!

あとがき
この間、『いもーとらいふ』の感想で「すみっコぐらしのとんかつかわいい」みたいなこと書いてたんですけど、いるまんもお気に入りみたいで嬉しいです。
比内さんの部屋にあったとんかつのぬいぐるみってすみっコぐらしのことですよね?
ぐでたまもいいですよぐでたまも。

なんという怒りの永久機関。
ある意味じゃなくて紛う事なき初志貫徹ですよ、あなたは。

書きたくなるなら書いてくださいよー。
いるまんの書きたいもの=私のよみたいものってやつですよマヂマヂ。
あ、でも、あゆちゃんが日本刀振り回したりするのは勘弁な。

納豆かき混ぜてつることあるあるw
腕つったことはないですけど、指がつることがあります。寒い季節はつりやすいですよね。
そういうときは左にスイッチしてまーぜまぜするので大丈夫! でもなくて、両手つって為す術なくなったこともあったっけ。

こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
そして、改めましてお誕生日おめでとうございます。

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Comments

最近忙しくて一日で読み終われること無かったんですけど久々にイッキ飲みしちゃうぐらい面白かったですね!
相変わらず比内さんは容赦ないですね(笑)
「虫を食べる鳥の気持ちを理解出来ても私は虫を食べたくない」
この台詞木鳥ちゃんが何か起こしそうですし後々の伏線になってるような気がします。
あと天野さんとは違う意見なんですけど個人的には4章から雰囲気変わったからか3章までの方が面白かったですね。
まぁ全部面白かったですけどね!(笑)
Posted at 2015.02.27 (19:03) by No.39 (URL) | [編集]
神ゴミの続きもいいけどママニューの続編だしてほしい……
神ゴミ読みました!今回もおもしろかったですね。
比内さんと神のやりとりが、小規模の三白眼さんと主人公のそれを彷彿とさせられました。仲良いよねおめーら(笑)

神ゴミ続くみたいですけど、どう続くんでしょうね。そっちも読みたいけど、やっぱりママニュー!ママニューの続編!を期待したいです。望み薄かな……

それと関係ないですが、ぼっチーズ四月に文庫化するみたいですね。やったぜ!
Posted at 2015.02.27 (19:16) by 木野 (URL) | [編集]
Re: No.39さん
イッキ読みはいいですが、イッキ飲みは体に悪いですよ!
それはさておき、サイッコーに面白かったですよね!
比内さんは入間界のお笑い女王ですね。最早この人が出てくるだけで笑えてくる体にされつつあります。
木鳥ちゃんは虫なんて食べません><
冗談はさておき、そこは普通に比喩だと捉えましたけど、No.39さんの言うとおりだったらちょっと悔しいです。
続刊でケリつけましょうか(謎の喧嘩腰
多分、総評に4章が素晴らしかったと書いたのでそう解釈されたのだと思いますが、私も一番面白かったのは3章ですよ。
いやでも1章もかなり笑えたし、2章も……1~3章が最高だったということで。
4章は仰る通り雰囲気がガラッと変わってシリアスなんですけど、いいかんじにアクセントになってて、お笑いだけじゃなく1冊で色々な入間さんが味わえていいなと。そういうことを言いたかったんです、あれは。
なので、続刊も1章分は神以外の誰かパートを入れて欲しいなって思います。
Posted at 2015.02.27 (23:59) by 天野寂 (URL) | [編集]
Re: 神ゴミの続きもいいけどママニューの続編だしてほしい……
今回も、なんですけど、ここはあえて、今回は特に面白かった! と言いたいです。
小規模カップル思い出しますよね。
でも、あちらは(読者にはわかる)デレがありますけど、こっちは皆無なのが(笑)
後々、比内さんパートとかであれがデレだったの? ってなると楽しいんですけど、今のところそんな気配は……

神のゴミ箱が木鳥の手に渡ったので、またなんかしら一騒動か二騒動あるんじゃないでしょうか。
売れ行きが良くなくて続きを出さないかもしれない作品の筆頭候補ですから、正直かなり厳しいかと……

待ちに待った文庫化ですねっ! やっほっほいっ!!
Posted at 2015.02.28 (00:10) by 天野寂 (URL) | [編集]
遅くなりましたが読み終わりました
入間作品も作品数が増え、登場人物も多くなりましたが比内さんは今までで一番お気に入りなキャラかも・・・好きなキャラというより憧れるキャラです。

皆さん4章以降の雰囲気の変化について述べていますが、4章以降は年の差が重要なキーワードになっていて最近の短編も年齢を意識した作品が多くなってきていて入間さん自身にも何か変化があったのですかね、気になります。
後、自分が一番笑ったのはザリガニのくだりですw
徹夜明けなので読みづらい文ですいません、慣れない敬語もやめるか検討中w


Posted at 2015.03.01 (08:15) by yuu2 (URL) | [編集]
Re: yuu2さん
憧れるのは一万歩譲って良いとしてもこんな大人になっちゃダメですよ!
これは比内さんだから許されるのであって……正直比内さんであっても許されない部分ありますし。
でも、色々な意味で魅力的な人物であることは同意です。

そう言われてみるとたしかに最近の作品は主要人物の年齢差が顕著になっていますね。
この流れでいっちょ親子の物語をMW文庫あたりで1冊書いてほしいなと思います。
ザリガニバトルも隠語か? もどちらも爆笑ポイントでしたよねw
別に読みづらくはありませんが、書きづらいようでしたら多少崩してもらっても全然構いませんよ~。
Posted at 2015.03.01 (13:34) by 天野寂 (URL) | [編集]
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