安達としまむら5 感想

『線引きほーちゃんと壊れたさーちゃん』もとい『安達としまむら5』の感想です。

高校二年の夏休みはイベントがいっぱい。
安達としまむら、二人で過ごす二度目の夏。

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 夏休みはしまむらと会えなくなる……お祭りに行ったり、プールで泳いだり、一緒にアイス食べたり、やりたいことがいっぱいありすぎて……そうだ、やりたいことリストだ!
 かきかきかきかき……。
 夏休みはいいものだ。なにがいいって朝、無理して起きなくていい。でも、やることがなくて、時間が過ぎるのが遅い。安達は何をしてるんだろ。バイトかな。っと、電話だ。花火大会? 別にいいけど──。

 安達としまむらの夏休み。去年とは少し違う、高校二年の夏休みが始まる。

久々の表紙詐欺でした。
表紙
読み終えてから見返すと、しまむらがこんなに楽しそうにしてるなんて安達の妄想としか思えなくなってきますが、アイスでテンション高くなっているんですね。同類なのでわかります。
んーでも、チョコミントはあんま好きくないです(お前の好みなんて聞いてねぇよ

カラー1
電波女7の真&ヤシロのカラーイラストを思い出しました。

カラー2
妹ちゃんかわえー。
惜しむらくは浴衣姿の挿絵がなかったことですね。

ノッポさんかな?
は置いといて。
見てほしいのは人物紹介文。
tikama.jpg
すごく正確になってるじゃないですか!!
本文どころかイラストと一緒に水色の髪って書いてあるのに、一向に反映しないその姿勢、嫌いじゃないです。嘘です。
せっかくイラストはかわいいのにもったいないです。
ちゃんと髪は蝶々みたいに結んでくれとまでは言わないので(本音を言えばもちろん結んでほしいですけど)、せめて髪色くらいは合わせてください。
ってか、この紹介文を書いたということは編集さんも気づいているわけで、指摘しないのはおかしくないですか?
今回は納期に間に合わなかった的な事情があったのだとしても、次からはこのようなことがないようきちんとお願いします。
そもそも、のんさんは完全に電波女のヤシロ=あだむらのヤシロだという認識で書いているようにしか思えないので、まずはその誤解を解くことから始める必要性があると思います。

カラー3
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私服の前に浴衣姿をアピールしてくるとはたるちゃんあざとい!
しまむらの言うとおり、これは輝いてますね。ま、まぶしい!
ただ、すごく残念なのが、2人の身長差がイラストに全然反映されていないこと!
ただでさえ頭半分ぐらい大きいはずのたるちゃんは更に下駄を履いているわけで、結構な身長差になるはずなのに、むしろしまむらの方が少しでかく見えるのはいかがなものかと。
あと、流石に出店ではチャイナドレスじゃないんですね安達。

SDキャラ
あれ、安達のアイス奪ってる?
やっぱりチョコミント口に合わなかったんじゃん(捏造)
こんなイラストに突っ込むのもどうかと思うんですが、どうしても気になるので言わせてください。
なんで座ってるしまむらの髪を結うのに立ってる安達が踏み台使ってるの?
しまむらの座高どんだけだよ!

if『もしみんな小さかったら』

以前に書いた感想があるので上のリンクからどうぞ。
これが文庫に収録されたのは予想外でしたが、ヤシロに幼き日の自分を重ねて見てしまうしまむらを描く上では欠かせないエピソードですもんね。
のんさんが感謝しながら描かれた二人の幼女姿……ひらがなでも“ほうげつ”のインパクトすごい。

『頼まれなくって会ってやる』

ここからは試し読みの感想から大部分をそのまま流用しています。

5巻のサブタイトルは『ブレンパワード』縛りですね。
ちなみにこれはキャッチコピー『頼まれなくなって生きてやる』が元ネタです。

お揃いのヘアピン、表紙では既に付けていませんが、本編の挿絵でちゃんと再現されてるかなーと少し不安です。
→やっぱり再現されていませんでしたね……イラスト的にも安達のしまむら愛の深さが一目で分かる重要アイテムだと思うのですが。
「~思うのうんなの」ってまた新たな安達語録が生まれちまいましたね。

幼い頃の自分の面影がちらつくヤシロを見るしまむらの複雑な心持ち、わかるなぁ。
むず痒いような、微笑ましいような、懐かしいような、そんな一言ではとても表しきれない色んなものがごちゃ混ぜになった心境と言いますか。

安達の夏はしまむらで始まり、しまむらの夏は樽見で始まる。
遂にやって来ましたね。
安達と樽見がしまむらを巡って火花を散らす、そんな夏が。

第一話 『紺碧を発して』

元ネタは『ブレンパワード』第1話『深海を発して』より。

安達さん? 流石にそれはやりすぎだと思うよ? しまむらに見られる前に処分しよ?
他はともかくとして『しまむらの手を握る。あと、すごく盛り上がる』ってなんだそのふわっとした内容は!
証が欲しい気持ちはわかるけれど、目に見えないからこそ尊いんだよ。大事にしようと思うんだよ、きっと。
不勉強な桜ちゃんに一つ、良いことを教えてあげよう。
しまむらはなんの魅力も感じていない人間とこんなに関わったりしないよ。だから、安心して。
と言っても、心配に心配を重ねまくるのが安達の安達たる所以であり。
夏は短し、悩めよ乙女。

えっ、しまむら大学行かないの?
多分なので行く可能性がないわけではないですが、今のところ考えてないってことですよね。
たしか普通科でしたよね? 卒業後はどうするつもりなんでしょう……?
将来のことなーんにも考えてないとかそんなところまでシンクロしなくていいです。刹那主義万歳。

すっかりしまむら家の子になりつつあるリトルヤシロン。
帰るっつってもあれでしょ、軒下に帰ってるんでしょ。軒上になるのも時間の問題ですね。
しまうと(しまむら妹の略)よくわかりましたね、鼻伸びーなんて。
不満ぷっぷくぷーなしまうとかわいい。
保護者気取りな小ヤシロもかわいい。
前のめりたるちゃんもかわいい。どした多いかわいい。
意外にもOKなたるちゃん、なんかやけにオットコマエーなJKです。

「おともだちロボ、がががーっ」

宣伝ご苦労様です、小ヤシロ様。

友達の友達は友達。
純粋にそう思っていた在りし日の自分。
しまむらの水中比喩シリーズ、大好きです。

この夏、どうか安達がしまむらとの夏祭りを満喫できますように。

『大人しくしているの、いい?』
「はい……」

めっちゃ笑いました。ちびっ子ナイスアシスト。

再びたるちゃんのターン、絵のモデル依頼。
モデルしまむらの挿絵が美しすぎる……なんですかこの横顔美人は。
見惚れちゃって絵筆止まるわ。
このイラストに関しては日傘、帽子と本文の描写との整合性も完璧ですね。
文句なしに5巻のベストショットに認定です。びゅーちほ。

いつ別れが来るかはわからない。
それは例えば死別だったり、移住だったり、喧嘩別れだったりするかもしれないし、何があるわけでもなく自然と疎遠になっていくのかもしれない。
だから、それがいつ来てもいいように。

過去を振り返らず、前を見つめたまま大事なことを忘れないために。
思い出は、必要なのかもしれない。

人は今という時を思い出という形に加工して仕舞っておこうとするのかもしれません。

白状するたるちゃんかわいいけど、冷静に考えると、ひさしぶりに会った友達の写真見て絵を描くとかかなりアレな気が。
しまちゃんだけに、魅力しましま?
アイスと聞いて頬がほころぶしまむら。花より団子だよねやっぱ。

そんな危険物、自宅で厳重に保管しようよ安達!
しまむらとの夏祭り妄想が淀みなさすぎる! さっすがぁ!!
水着買いに行くときもそうですけど、「一緒に浴衣見に行かない?」ってめちゃめちゃ良い口実になると思うんですけど。
でも、そういう発想に至らない辺りが、今まで友達付き合いを経験してこなかった安達らしいっちゃ安達らしいのもまた事実。

日傘に隠れているとはいえ、安達がしまむらに気づかない…だと…?
安達のしまむら愛もまだまだですね。
私だったら、いるまんが河原で番傘差して絵のモデルしてたら速攻気づいて、嬉しさのあまりチャリごと土手から転がり落ち、血だらけになりながらも強がり笑顔で「お、おひさしぶりです」って言える自信あります(張り合うな

長期休暇中、部活で使う部屋は別にして、教室の鍵は普通かかっているのでは?
安達も初期の自分が最早別人という自覚はあるんですねw
誰もいない教室で独り、しまむらを思う。
青春の1ページだなぁ。

「ひやむぎはいいものですな」

宇宙人はそうめんをひやむぎと言う。これ豆な。
ひゃーむぎうまい。

いつもより月を近くに感じる。今にも落ちてきそうで、つい、見上げてしまう。
宇宙は死ぬ前に一度くらい行ってみたいなぁと、昔から思うのだ。
無重力の世界で気の済むまで眠ってみたい。
それを体験したとき、囚われるものを一つ解かれた感覚はなにを捉えるのか。
重苦しく、茄だるような暑さの下で、夢想だけが月に触れる。

抱月の名に相応しい詩人ですよねしまむらって。

私も家族の延長って、正直想定できないんですよね。
家族以外の他人と家族と同じかそれ以上の関係になるってすごいことだと思います。
それこそ、奇跡みたいなものではないでしょうか。

ヤシロの名前のルビがミスってますね。
“ちがま”じゃなくて“ちかま”です。
でも、今回は誤字らしい誤字これくらいだったので良しとしましょう。

面倒くさがりで怠け者で適当で気難しくて出不精……たるちゃんのしまむらを見る目は確かですね。
そう思ってる相手がちゃんと約束通り来てくれたらそれだけで嬉しくなっちゃう気持ちはわかります。
昔に戻る必要はないというしまむらが本当にしまむらで安心します。

 相手をしてあげないと、かわいそうに思って。
 そう言ったら、妹はどんな顔をするのだろう。義務感って、家族に感じてはいけないものの筆頭だと思う。だから妹だから面倒見ているというのは、間違っていないようで引っかかりを覚える。順番は間違っていないけど、そのままでいいのかなと。

この感覚もすごくわかります。
義務感を感じてしまったら、それを自覚してしまったら、色々としんどくなっちゃいますよね。
例えば介護とかってすごく難しい問題ですけど、突き詰めればやっぱり“家族だから”できる限りのことはしてあげたいって思うものだと思います。現実はそんなに甘くないですけど。
ちょっと話は逸れますが、みーまーの「妹だから」を思い出して、そこから芋づる式に「母親だから」「×とかじゃなくてごめんね」までフラッシュバックして、しまむらのこれもそれに近いものがあるなと感じました。

エキシャーマン再び。
なにしてんすかあんた。
この人、人生エンジョイしすぎでしょ。
しかし、占いの腕は本物なのが侮れません。

予想通りヤチーのからあげおねだりで修羅場突入かと思いきや、焼きそばブロックで華麗に回避!
そして、しまむらの変わらない本質がポロッと零れて。
昔と変わらないしまちゃんを見つけて嬉しそうなたるちゃんにこっちまで嬉しくなってしまいます。

やっぱり、しまむらは良いお姉ちゃんだと思います。
そして妹ちゃんかわいい。

「私はさ、まずしまちゃんと楽しくやろうって思ったんだ」
「まず?」
「うん、まず」

意味深な台詞です。
私なりに解釈してみると、樽見も安達同様しまむら以外は友達と呼べる友達はいなくて、でもそれじゃダメだと考えているところに偶然昔の親友と再会し、やり直すなら今しかないって思ったとか、そんな感じでしょうか。決心ときっかけの順番は違うかもしれませんけど。
人間観察にハマってるって言ってましたし、その中でやっぱり自分も誰かと繋がりたいと思うようになり、まずはしまむらをきっかけに、人間関係のリハビリをしよう、みたいな。
樽見ってコミュニーケーション能力は高そうですが、それは表面上のやり取りに限った話で、家族以外に深く関わっている人とかいなさそうですし。

「は、花火よりもって?なんて、あははは」
「うん、キラキラしてるよ」

さらっと褒められるしまむらさんマジイケメン。
先程も一度ありましたが、地の文で樽見ではなく“たるちゃん”と呼んでいるところも見逃せません。

楽しそうなしまむら一行からの、絶望の渦に落ちていく安達。
この温度差が入間クオリティ。

おまけ「永藤家来訪者その1」
耳掃除だとぅ!?
日野が永藤にする分にはいいですけど、逆だと下が見えなくて危なそう。おっぱい的な意味で。
姉妹とはまた少し違った、この二人の関係性も命名が難しいです。
親友というのは間違ってはいませんが、何か足りない気がします。
しまむらが言っていた“家族の延長”が一番しっくりきますかね。

第二話 『しまむらの刃』

元ネタは『ブレンパワード』第9話『ジョナサンの刃』より。

女の子と一緒に遊んでいてこの嫉妬ということは、もしもしまむらが男の子とデートしてるところを目撃してしまったりしたらどうなるんでしょう?
あくまでも安達は特別な友達枠を独占したいだけで、別枠になる彼氏は対象外ってことになるのかならないのか。
まぁ、このシリーズでそんな展開はないでしょうから、考えても仕方ないんですけど。

ついに爆発した安達の5ページに及ぶ吐露。
端的に言ってやばい。
最初は「おいおいいるまん、作風変わっちゃってるよ!」って笑っていられたんですけど、段々と真顔にならざるを得なかったよね、うん。
しまむら以外に何もない安達はしまむらに縋るしかなくて、そんな自分がおかしいこともわかっているのにでもやっぱり縋ることしかできない安達が痛々しすぎて……お母さんの件以降は声にならない悲痛な叫びを上げながら読み進めました。
個人的に思い出したくなかった過去を思い出させられて胃が痛くなりながら、しまむらは一体どんな反応するか気になってページをめくると

『……めんどくさいなぁ……』

しまむらの刃やべぇ!!
切れ味はんぱねぇ!!
たしかに安達はめっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃめんどくさい。
よくしまむらは黙ってあの長台詞を聞いたと思う。
けどさ、いくら私でもこの状況で「めんどくさい」は言わない。言えないよ!
あの長台詞を聞きながら、どうやったら安達と縁を切れるか必至に考えて、嫌われるよう頑張ると思います。
だのに、追い打ちとばかりにもう一度刃を振るい、さっさと電話を切るしまむらさん(17)。
マジか。
安達が自殺するとか考えないのか、すごいな。
私もかなり薄情者を自負していたつもりでしたが、しまむらには敵わないかもしれません。

第二話、かなりブレンパワードしてましたね。
安達の長台詞はオーガニック的と言わずになんと言いましょう。
章題こそ『しまむらの刃』となっていますが、しまむら=ジョナサンではなく、完全に安達=ジョナサンでした。
つまり、あの長台詞を一言に要約すると「クリスマスプレゼントだろ!」ということなのです。

おまけ「ヤシロ来訪者その8」
ライオンパジャマをくれた羊人間にクロスオーバーの香りを感じながらも思い当たらなかったのですが、『虹色エイリアン』の猿子じゃないかという感想を見かけまして「それだ!」と。
確かな描写はありませんが、もこもこした髪型で羊っぽいと言えば羊っぽいですし、ライオンパジャマも持っていそうです。
そして、なにより変な人ですし。
砂時計の信号を探知したと考えるとより信憑性も増します。

第三話 『魂は共有?』

元ネタは『ブレンパワード』第14話『魂は孤独?』より。

安達はさしずめ、キュイと。

安達は絶望したら自ら命を絶つタイプだと思っていたので、あんなこと言われてよく自殺しなかったなと。本当にほっとしました。
自殺は大袈裟にしても、まさかたった3日でここまで立ち直るとは、想像以上にタフでした。
メロンブックス特典しおりにあった『愛ってなんだろう?』
そのキーワードがここで登場します。

誰かを痛切なほど尊く想い、その相手を知り尽くしたいと切望する。
それは大きな意味で愛と呼んで差し支えないと思う。
だから、私はしまむらを愛している。間違いなんかじゃない。

I love Shimamura.
と書くと服屋の方のしまむら愛好者みたいになっちゃいますけど、愛ですよ。愛なんですよ。
愛に突き動かされ、勇気を振り絞る安達の姿を固唾を呑んで見守りながらも、さすがのしまむらでも出ないだろうなぁと……ってあっさり出るんかい!
え、だって3日でしょ? しまむらのメンタルはどうなってるの?
今までしまむらとのシンクロ率は常に80%は超えていましたが、今回ばかりはちょっとついていけません。
少しぐらい気まずそうにしていればまだわかるんですが、あれを気にも留めてないとか……スルースキル高いってレベルじゃない。
4巻でも何ヶ所かしまむらに対してゾッとする場面がありましたが、今回、その本質が顕著になったということでしょうか。

誕生日とか特別な理由があるわけではなく、高校生が同級生に花束を贈るというのは常識的に考えておかしいよね。
安達も自覚はあるようですが。
自分がおかしいことを自覚していて、頑張って直そうと足掻くも全然上手くいかない不器用な安達は見ていて辛いです。本当辛い。
一方、あれだけ重い思いをぶつけられた直後にも関わらず、いつも通りのしまむらが怖いです。本当怖い。
花束抱えている挿絵が一瞬、赤ちゃん抱いてるお母さんに見えたのはただの目の錯覚ですが、安達に対するしまむらの対応が完全に母が子に接するそれです。
「なにこれ」連呼する姿も、母の日に思いがけず我が子から花束をもらった母親のそれです。

おめでとう安達! 樽見はおそらく入っていないであろう変人枠ゲットだぜ!

川を流れる葉っぱの比喩が絶妙ですね。
捉えどころがなくて、いつふっと離れていってもおかしくない葉っぱに離されないよう離されないよう必死に寄り添う葉っぱ一枚。

なぜか二度言うしまむらさん。大事なことだからね。
普段体育の着替えの時間とかどうしてるんだ桜ちゃんは。
実際は漫画やアニメみたいに下着姿になったりしないものですし、周りに大勢の目もあるしで、自重していると思っておきます。
しかし、そんなお色気シーンを真っ向からぶち壊す! それがしまむら!
海賊本の水着はやっぱり空想の産物だったんですよ。しまむらがあんなかわいい水着持っているわけがないんですよ。
女は黙ってスクール水着と昔から決まっているのです。
打って変わって、桜ちゃんの生着替えのターン!
しまむらお前おっさんかよと笑ってたら、オチで大爆笑させられたよ!
全読者の嘆きでもある「分からない、しまむらが分からない」で腹筋にトドメ。色んな意味でマジわかんねぇ。
しまむら好き好き大好き超愛してる安達でさえ、永藤に見えてくるなんて相当です。

例の如く悶々とする安達さん。この子もこの子で立ち直り早いというか欲望に忠実というか。
そして、ようやくあの一件に触れてくるしまむら。
安達も感じていますが、やはり母親が子に諭すような印象が強いです。
個人的にはここでのしまむらの言葉を聞いてやっと、あれ以降ずっと感じていたしまむらへの恐怖から解放されました。
なるほど、そういう路線かと。
しまむらが優しくないことを思い出す安達。

 順調であることと、平坦であることは似て非なるものだった。
 しまむらにとっての私の扱いというものに、ゾッとする。

目の前の彼女との絶望的なまでの隔たり。
ってしまむら母空気読んで!
今まであえて触れてこなかったけど、今回絶好調すぎでしょお母さん!
ここからしまむら母を羨む展開に持って行く流れはお見事ですけど。

ヤチーがいつの間にかマスコットキャラになってる!
妖精ならただでコロッケにありつけるねやったねヤチー!
これを買い物と呼んで良いのか女子高生達よ。
買い物には違いないけれど、もっとこう女子高生っつったらショッピングじゃないんですか。これただのおつかいやん。
ああ、いるまんだなぁって私は嬉しいですけどね。

しまむら父もヤチー寛容派ですか。すごい一家だ。
プールでしまむらに諭されたことを実践してみようと決心する安達は偉いのですが、最初のターゲットが妹かよ!
しまむらがいないところでもこんな調子では先が思いやられますね。
小学生相手に敬語というのは安達らしくもあるのですが、仮にも接客業のバイトしてることを考えるとちょっとなぁ。
もちろん、しまむらの妹だから緊張しているのはわかりますけど。
で、よりにもよっていきなりお風呂かよ! 奥手なのか大胆なのかわっかんねぇなもう。
というか、これに関しては安達よりしまむら妹がすごい。
人懐っこい子ならともかく、普通は怖くて入れないと思います。
そして、案の定の気まずい空気。
誘っておいて無言はいかんでしょ無言は。妹ちゃん可哀想。
素直じゃない妹ちゃんかわいーなーもー。

「しまむらが好きな人は、自分も好きでありたいかなって」

心にもない台詞を吐き出す安達が見ていられないです。あー切ない。
からの、エアーブレイカーヤチー見参!
なんだかんだヤチーやしまむら母には救われます。便利なキャラですよね(便利言うな

氷の彫像はやめてあげて! しまむらさん、それあかんやつ!

人は一人一人違っていて。
同じ場所で同じものを見ていても、同じ景色が見えているとは限らない。
それは価値観が大きく異なる二人なら尚更で。
それを承知で、同じものを見てみたい、見てほしいと思うこと。
その感情を人は何と呼ぶのか。

高い建物の灯り、鉄塔の点滅。そして月の光。
自然と私たちの明滅を吸い込んで、夜は淡く映し出されていた。
私はそんな空を飽きることなく受け入れる。
高く積まれるような雲を、美しいと感じる。
しまむらも、また。
少なくとも今、私としまむらは同じものを見ていた。
手を繋いだまま、羽を広げるようにお互いが少し距離を取る。
風のない夜の下で、この繋がりにどんな名前がつくのだろうと、思いを馳せる。

個人的に5巻のベストシーン。
みーまー2のお月見シーン然り、こういうシーン大好きです。
夜景を宇宙や深海に例えているのもとてもイルマンチックです。

おまけ「永藤家来訪者その2」
なんかもう色々と熟年夫婦すぎる。
本当、ご馳走様でした。

第四話 『アダチ・リバイバル』

元ネタは『ブレンパワード』第6話『ダブル・リバイバル』より。

4巻に登場した文学女子再登場ですね。
もしかすると、中学時代の図書委員ちゃんの可能性もありますが、足長いなんて描写なかった気がするので違うでしょう多分(自分で自分の足長いとか言わないか)
ここでフラグを立ててくるということは、次巻以降、しまむら以外との交流相手として最有力候補になりそうです。

格好まで婦人風とかしまむらのお母さん化が止まりません。

「そうか? な-んか制服着ていた覚えがあるが……ま、深く言及するのはやめとくか」

よくないね、うん。マフラーに引き続き、勘弁してやって晶ちゃん。

「はいでは早速わたしから。にねんせ~」

バカは一人~ ここの町の~ 空見上げる~♪
お料理行進曲も懐かしい。キャベツはどうした~♪

居たたまれない安達を見ているこっちが居たたまれません。
そんな安達をそっとあやすしまむらは今回何度目か分かりませんが母親にしか見えません。
かかってきた電話は樽見からですかね。多分。
何も大丈夫じゃないのに「大丈夫」と縋りつくのもいい加減勘弁してください。こっちのライフがもう0です……。

私が間違っていると。おかしいのだと。
だから、変えようとして。努力して。頑張って。
だけど、違う。なにかが違う。決定的に違う。
私は一人で生きることに向いている。
それは私が誰より一番分かっている。
そんな私が初めて一緒にいたいと思えた人。
その人だけでいい。たくさんは必要ない。たった一人でいい。
そのためならその人の正しさだって関係ない。

しまむらと私は違う生き物なのだ。
だからいい。だから心惹かれる。

ここらへんで既に限界寸前でしたが、次の台詞で涙腺決壊しました。

「大好きだから! しまむらが、大好きだからぁぁぁぁああああああああ!」

まさか、安達パートで泣く日が来るとは思いませんでした。
いやでもこんなん泣くでしょ。泣くしかないでしょ。
がんばれ、がんばれ安達って文庫を持つ手に力が籠もるでしょ。
でも、あのしまむらをどうこうできる気がまるでしない……このシリーズの行く末が全くわからなくなりました。

おまけ「ヤシロ来訪者その9」
口直しというか箸休めというか、最後に和ませて終わらせてくれる心遣い、ありがとうございます。
しかし、ほっぺとは日和ったなしまうと。
そこは口にちうーして、「ヤチーの仲良しの証、イエスだね」ってオーガニック的にいかないと!

総評
第二話以降、しまむらパートが一切ないのはあえての演出でしょうし、非常に上手い構成だと思うのですが、そのおかげでこれまで脅威のシンクロ率をマークしてきた私でさえしまむらの真意が読めなくなってしまいました。
この得体の知れない恐怖はある意味、ホラー小説と言ってもいいかもしれませんね。
このまま、しまむらが安達に対して母親のように接するスタンスを崩さないことには安達の望む(=大半の読者の望む)未来が訪れることはなさそうです。
そのスタンスを崩したとしても、しまむらの強固なATフィールドを打ち破るのは並大抵のことじゃないですからね。
端的に言ってほとんど不可能に近いです。でも、0じゃない。がんばれ、安達。

次巻ではいよいよ安達と樽見の直接対決や文学女子との正面衝突などが見られそうで楽しみ。
正直この状態で半年開くのはキツイので来年3月までには出してほしいところ。

あとがき

これってもしかして私のリクエストに応えてくれたんですか!? 嬉しいですっ!!

まずは編集タイトルについて。
『AとB』系タイトルは全部そうなんですね。
花咲やままニューみたいなパロディタイトルはいるまんかなーと思ってたので少し意外でした。
一番意外だったのは『たったひとつの、ねがい。』です。
これは絶対いるまん考案だと思っていました。どうやら私もまだまだ修行が足らなりませんね。
唯一未刊行作品で載っている『サムライ・デッドエンド』や『美少女とは~』もそうでしたか。
なんとなく最近はいるまんに丸投げして全部いるまんが考えてるものかと。
『砂漠のボーイズライフ』が編集考案で安心しました。

入間さん考案タイトルについて。
『トカゲの王』は編集考案だと思っていました。どうやら私も以下略。
それ以外は大体思っていた通りですね。
編集考案タイトルに比べ、全体的に詩的なタイトルが多くってやっぱりいるまんは詩人だなぁと。

どれも好きで甲乙つけがたいですが、一つずつ選ぶとすれば、みーまーと奇跡ですかね。
やっぱり処女作最強です。初めては尊いのです。

著者近影
これはあれですか、来年のサイン会に差し入れしてほしい食べ物リストですか。
……どれもこれも差し入れするにはキツイものばっかりじゃないですか!
持って行ったらサイン会場がすごい匂いになりそう。

たこパいいなー、私も食べたいな~って新キャラのカエルくんが!
涎掛けしてるということはもしかしてもしかしなくてもお孫さんなのでは?
ハルくん(ちゃん)って言うんですね、入間春間かぁ、将来イケメン間違いなしですねっ!! 女の子だったら美少女間違いなし!
これも私のリクエストを叶えてくれたんでしょうか。嬉しすぎます。ありがとうございます。

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Comments

次巻は感想ましましにできるよう頑張ります
・ヤシロの髪色について
エリオより薄いなぁと思いつつ少し前にツイッターで絵師さんの間で自分の中でよく使う配色表みたいなのが流行ってたのでのんさんの中ではこの色がエリオの青色のイメージなのかな?と解釈しています。編集者さんと絵師さんで情報共有できてないのであれば早急に改善してもらいたいです。

・樽見について
意味深な発言は寂さんと基本同意見です。学校の人間関係がうまくいかないのでまずは久しぶりに再開した地元の友達でリハビリしよう、みたいな感じなのかなと・・・

・家族について
私は家族は一番近くにいる他人だと思っていて、家族に対する行動は“家族だから”ではなく義務感で動いてるので他人への善意と似たようなものです。だからこそしまむらの考えは尊いなと思いつつ安達のしまむら家に対する印象に共感しました・・・。また家族の延長と出てきましたが、本当の家族への気持ちが先の様なものだからこそ家族以外の他人とそれ以上の関係を築きたいという願望と飢えがあるんだと思います。ついでにこの部分読んでそこら辺を歩いているカップルや夫婦ってすごい・・・と考えを改めましたw

・安達の吐露
寂さんはしまむら共感派ですが私は安達共感派なのでこのシーンものすごい気持ちがわかっちゃってグワー(言いたいことが多すぎて意味不明)ときちゃいました・・・。
感想というか私情が多くてすいませんが私は心理学を学んでいる途中です。元々興味があった分野なのですが入間作品(や電波的な彼女など)で更に意欲を刺激された結果、大学で学んでいます。そして今回の安達の心理が習っている分野にドンピシャなのを読了後に気づきちょっと努力が実った?ので少し嬉しかったです。題材への知識があるとより作品を楽しめる的なものを感じました。ちなみに認知行動療法、ABC理論、円環モデルなど調べるとより楽しめるかもしれません。知識を求めすぎるのも無粋なのかもしれませんがあって損はないと思います。

読み直して文章がグチャグチャだったり暗かったり感想が少なかったりしたのですが次巻もあるので感想は次巻のしまむらパートや結末を読んでからちゃんとまとめます・・・しまむらの『……めんどくさいなぁ……』からのしまむらパートが気になりすぎるので私もなるべく早く次巻が来ることを期待したいです!!
Posted at 2015.11.12 (17:52) by yuu2 (URL) | [編集]
Re: 次巻は感想ましましにできるよう頑張ります
・ヤシロの髪色について
色のみに関してであれば、まったく水色からかけ離れているわけではなく、極薄水色と言えなくもないのでその可能性もありそうですね。
ですが、三つ編みを巻いた髪型(名前がわかりません)を見る限り、星宮社のコピーだと誤認して描いていることは明かです。
編集さんですらヤチーがエリオをコピーしていることを認識していない可能性すらありそうで怖いです(紹介文に『水色の髪』とあるので大丈夫だとは思いますが)

・樽見について
安達と違って家族仲はそれなりに良好そうですし、同年代の交友関係を欲している感じですよね。

・家族について
『家族は一番身近な他人』、言葉としては理解できても感覚としては納得しかねる価値観です。
子供の頃、親の悪口を言う友人達にすごくショックを受けたことがあります。
今思えば、友人と盛り上がるための他愛ない会話だったんでしょうけど、当時、親を悪く言う(思う)という発想がなかった私にとっては信じられない光景でした。
結構この出来事がトラウマでして、陰口とか家族の悪口を言う人は生理的に受け付けません。
自分は悪く言う癖に他人に悪く言われると怒る、いわゆる愛情の裏返し的な悪口もあれば、本当にクソな家族に対する不満が爆発した悪口もあるでしょうけど、やはり聞いていて気持ちの良いものではありません(前者の場合はわかっていれば微笑ましくもありますが)

>また家族の延長と出てきましたが、本当の家族への気持ちが先の様なものだからこそ家族以外の他人とそれ以上の関係を築きたいという願望と飢えがあるんだと思います。
すごく腑に落ちました。
逆に考えれば、しまむらの家族以外の人間関係に対する執着の薄さも納得です。
というか、私自身に当てはまり過ぎていて思わず「それでか!」って声出ちゃいましたよ。
一方だけならまだしも、異なる家庭環境で育った人間をそれぞれここまでリアルに書ける入間さんは一体なんなんでしょうね?
私は常々、世の夫婦やカップルを尊敬しています。
本当にすごいと思います。

・安達の吐露
以前、みーまーについても同じように「入間さんは心理学を学んでいたのではないか」と仰っている方を何人か見かけたことがあるのですが、現役のyuu2さんもそう思われるということはそうなのかもしれませんね。
入間さんは経営学科でしたので、専門ではないですが、心理学関係の講義を取っていた可能性は大いにあり得ますし、そのときの経験が活かされているのかもです。
そういった方面から読み解くのも面白いですよね。
オススメの本(できれば新書が値段的にも分量的にも嬉しいです)があれば教えてもらえると嬉しいです。

次巻のましまし感想楽しみにしてます!
そのためにも入間さんには一刻も早く6巻を出してもらわなければです!
Posted at 2015.11.14 (07:45) by 天野寂 (URL) | [編集]
社の髪の色。
水色に見えない…ですかね?
言うほど水色に見えないとは私は思わないのですが。
Posted at 2015.11.14 (16:19) by HOMA (URL) | [編集]
( ゚д゚)⬅︎読後
こんにちは。発売日の学校帰りに買って即読みましたが、何というかかなり胃に来る感じの内容でしたね。
安達の5ページにわたる吐露をめんどくさいなあで切り捨てたにも関わらず3日後には普通に接してるしまむらにはもはや恐怖すら感じます。
入間さんがどういう形でこのシリーズを着地させるのか気になって夜も寝れません。早く次巻が読みたいですね・・・。
Posted at 2015.11.14 (23:14) by 鯵缶 (URL) | [編集]
Re: HOMAさん
「水色に見えない」というのは「ヤチーはエリオをコピーしているはずなのにヤシロをコピーしているようにしか見えない」ということが言いたいのですけど、上手く伝わっていないようで、書き方が悪かったかもしれないなと反省しています。
他にも同様の意見を結構見かけるので、改めて記事にしてまとめようと思います。
詳しくはそちらをお読みください。
Posted at 2015.11.15 (23:31) by 天野寂 (URL) | [編集]
Re: ( ゚д゚)⬅︎読後
まさかこのシリーズでこんな気持ちにさせられるなんて思いませんでした。油断していたので余計に重く感じましたし。
あのときのしまむらがどんなことを思い、その後どんなことを考えていたのか、そのあたりを早く次巻のしまむらパートで明らかにしてほしい気持ちでいっぱいです。特に何も感じてなかったりしたらどうしようとかなり怖くもありますけど。
4巻までは大体こんな感じで終わるんだろうなぁというのが想像できましたが、今回で一気にどんな結末を迎えるのか分からなくなりましたよね。
Posted at 2015.11.15 (23:54) by 天野寂 (URL) | [編集]
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