もし体育館二階で出会わなかったら 感想

入間人間公式サイト『入間の間』掲載“安達としまむら漫画化記念『もし体育館二階で出会わなかったら』”の感想です。

ガンガンONLINEにて、コミック化です! ご期待ください!

一言で言えば、『みーまー偽伝』のあだむらver.でした。
ただただ素晴らしかったです。
入間さんのifストーリーにハズレなし、です。

『みーまー偽伝』が↓に要約される(誇張あり)ように、

「きっとぼくは、どんな形でこの子と出会っても嫌いになれないんだろうな」
「……よく分かっているじゃない」
 呆れつつも、その自己分析の正確さに肩を揺すってしまう。
 この男は、本物であろうと偽物を求めて。ニセモノであろうと、本物を追究するのね。

『もし体育館二階で出会わなかったら』は最後のページに要約される(誇張なし)と思いました。

 たとえどこかで出会う機会を損ねても。
 彼女とは必ずいつか巡り会う。
 私の人生を変えうるたったひとつの運命が、つまらない世界を慌ただしく塗り替えていった。

ヤチーの言葉を借りれば、『おぉ、うんめー』ってやつですね。

ほとんど交流なかったとしても、高校の時のクラスメイトの顔見たら(どっかで見覚えあるなぁ……)ぐらい思うと思うんですけど、全く記憶にない感じなのはツッコみたくなりました。
女は化粧で別人に化けるからね仕方ない
逆に安達としまむらの他人への無関心っぷりが伺える良描写と捉えることもできますけど。

細かいところでは、安達パートではしまむらのことを“女性”と言っているのに対し、しまむらパートでは安達を“女の子”と言っているのがすごく安達/しまむらっぽくっていいなぁって。
パートと言えば、交互ではなく安達P→しまむらP→安達P→安達Pだったので、いるまんったらまた誤読を誘う書き方を……とちょっと思いました。
だがそこがいいんですけど。

そして、社会人になってもシンクロ率120%のしまむらさん推定20代前半。

 これから、自分の人生に面白いことは起こるだろうか。
 平地を歩き続けるのではなく、地面が波打つようななにかは、あるのだろうか。
 いざ自分から走り出そうとしても、行く手になにもないのなら意味がない。
 もし、そういうものが一つもないなら、ずっと眠っていたい。
 苦痛は短くて済む方がいいに決まっていた。

完全に刊行がないときの私です。
早く安らかな眠りにつきたいのに、あなたに出会ってしまったから。
これからも遠慮無く安眠妨害お願いします。
真面目な話、ここのしまむらの気持ちめちゃくちゃわかります、というか常々思っています。
一番面白い部分を味わった後の人生を過ごす意味はあるのだろうか。
哲学的な問とかじゃなく、即物的な疑問としてよく耽ります。
答えのある問題じゃないですし、答えが出たところでどうなるものでもありませんが、そんなことをうだうだ考えながら、それでもなんだかんだ生きていくのが人間なんでしょうきっと。

初対面ではないですけどファーストコンタクトでいきなりワッチャネームするあたりも安達っぽいなと思いました。
この後、「人に名前を尋ねるときはまず自分からって言葉知らない?」と冗談で返したしまむらに「し、知らない、です」と真面目に返す安達という展開まで見えました。
初期の氷の彫像さんなら「そんな昔のことは忘れたよ」ってクールに返すことも可能だったかもしれませんが、あの頃の安達は死んだ、もういない!!

別キャラでもいいからこの設定で1冊読みたくなる、それくらいこの掌編単体での完成度が高かったです。
安達としまむらを知らなくても全然問題なく読める仕様でもあり、入間作品の魅力がギュッと凝縮されたこの掌編は未読の方へのファーストイルマッションとしてうってつけかもしれません。
それはそうと、こういう感じの張りのない人生を送る渇いた社会人が主人公の話をメディアワークス文庫あたりで書いてくださいお願いします。
あ、職業は小説家以外でお願いします。それはもうあるので。
バカ全裸の続編は可とします。

電波女はそうですけど、あだむらも本編完結後の後日談が素晴らしくなる予感をひしひしと感じました。
高校卒業までを描いて本編が終了したとして、その後、社会人になった二人の話とか相変わらずな日野と永藤の話とか大きくなったしまむら妹と大きくならないヤチーの話とかすごくすごく楽しみです(気が早すぎる)

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