あまり似ていない姉妹がいて 感想

電撃文庫MAGAZINE Vol.55掲載『あまり似ていない姉妹がいて』の感想です。

「うちの妹が犯人よ」
「姉様は聡明ですなあ」

悪党を探して殺すために金属バットを持ち歩く「妹」
いつの頃からか、妹の存在を認識できなくなった「姉」
歪んだ双子の姉妹の、交わらない日常。

本作は6月9日発売予定『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 11 終わりの続きは現実(仮)』の先行掲載短編となっています。
やはりみーまーは一味も二味も違いますね。
本文に入る前、あらすじで既に興奮させてくれるんですから。
『妹を認識できなくなった姉』、そう来たか!!
ミステリ脳でパッと考えちゃうのは同一人物の二重人格説ですが、作中で否定されていました。
ただ、今回も語り手もとい騙り手は父親譲りの嘘つきですから、100%信用はできません。
とりあえず、疑ってかかる。
このシリーズを読む上での鉄則です。

冒頭からいきなりクエスチョンマーク乱立させないでくださいよ!!
妹は母似??
『脇を締めてコンパクトに振り抜く』を読んだ人は今回のまいちゃんにもれなく違和感を抱いたのではないでしょうか?
先程の容姿に関する描写ももちろんなんですが、キャラから喋り方、地の文に至るまで違和感しかありません。
これは本当に『脇を締めてコンパクトに振り抜く』のまいちゃんと同一人物なのか? と。
実はこの違和感は『クリスマスの翌日編』にも覚えていました。
ただ、『クリスマスの翌日編』に関しては幼少期の話だったため、成長するにつれ純真天使から撲殺天使へとジョブチェンジしていったガラッと人柄が変わったのだろうと解釈していたのですが、今回の短編を読む限り、多少の変化はあれど、性格はほとんどそのまま大きくなっているように思えます。
以上を踏まえて私の見解は、『脇を締めてコンパクトに振り抜く』の主人公・枝瀬まいと『あまり似ていない姉妹がいて』に登場する枝瀬まいは別人である、となりました。
この二人が同一人物であるとするならば、おそらく1章となるであろう『脇を締めてコンパクトに振り抜く』の執筆時にはまだまいちゃんのキャラが定まっていなかった可能性が考えられます。
この場合、文庫収録に際して大幅な加筆修正が必要になってくるでしょうね。
ただ、キャラ(内面)だけでなく外見の描写にも矛盾が生じていることを考えると、この仮説はおそらく的外れなものだと思います。
そもそも入間さんがこんなミスをするとは思えないんですよね。
私が今感じているこの違和感には絶対何か意味があるんです。
もう既に入間さんの術中にハマっていることはわかっているんです。
ただ、それが何なのかはまだわかりません。
発売まで後僅か。
それまでに必ずやこの謎を解き明かしてやるぞ!!(超楽しそうな顔で

犬と猫の質問ですけど、まいちゃんこれ、味の感想にしか思えないんですけど!
叔母さんの悪影響受けちゃってるんですけど!!

犯人である妹のために探偵ごっこ。
みーまー1巻のセルフオマージュがそこかしこにあるのがもう嬉しいですね(チョロイ

金子!? 金田じゃなくて金子じゃないか!!
金子弟の子供という変化球でなければ、あの金子の息子ですよね!?
あっきゅんの娘と金子の息子が同級生ってなんかすごいですね……なんかすごい。
父親と同じ剣道部員なのもあざとい。ファンサービス過剰もいいとこですよ(満面の笑み
ここからあゆちゃんとのラブコメが始まったりは……しませんかそうですか。

あれ? 季節が冬?
ということは『脇を締めてコンパクトに振り抜く』の後になるはずですが、そうすると平和な町に殺人事件(仮)ないしは失踪事件が起きているという描写はおかしくないですか?
あの事件とは別にまた事件が起きているなら『平和な町』という表現は不適切ですし、同じ事件だとすると時系列に矛盾が生じます。
高校生とは書いていないので、ひょっとして中学生かとも思いましたが、親戚の家に住み始めたのは高校生からなので、その可能性も違います。
先程のまいちゃんに関する部分もそうですが、やはり『脇を締めてコンパクトに振り抜く』と本作は地続きに続いていないのではないかという疑念が強まってきます。
これらの話を矛盾なく綺麗に繋げるってどうすればいいんだろう?
一体どんなトリックを仕掛けているんだいるまんは!!

6、7年前というと大体10歳の頃、その日起きた何かがきっかけで妹を認識できなくなったと。
そして、妹は死んだわけではないと。
周りの人曰く、『妹なら、そこにいるじゃないかと』
パッと思いついた仮説を挙げてみます。

・“まーちゃん”と呼ぶ人を“みーくん”と認識するようになったマユの逆で、“姉様”と呼ぶ“妹”を認識できなくなった
 →特に否定する描写もないが、肯定する描写もない
・死んだわけではない=植物人間状態で、作中のまいはあゆが演じている(二重人格に近い感じ)
 →そこにいる、という周囲の人間の言葉に反すので×
・死んだのは妹ではなく姉で、作中のあゆはまいが演じている(二重人格状態)
 →個人的に現段階で最有力候補ですが、どちらか片方が死んでいるというのはあいあいとうさまの深い悲しみを思うと死んでしまいそうになるので、間違っていてほしいです……

パッパラパーに見えて意外と色々考えているようですが、やっぱりパッパラパーな幼き日のまいちゃん可愛すぎでは?
勝手におやつ食べたら怒られる、真っ向勝負が必要って、マママユ子供相手でも容赦ねぇな!
と、存分ににへにへさせてもらったのですが、ここからもミスリードの予感がします!
本当にこの姉妹はあゆまいでしょうか?(疑い始めるとキリがない

まるで別世界にいるよう、とまいちゃんが感じていますが、それが一番手っ取り早い解答なんですよね。
ただ、パラレルワールドでした! とか言われてもふーんってなるだけなのでそんなオチは却下なのです。

いつの間にかバット中毒にまでなっちゃっているということはやっぱり『脇を締めてコンパクトに振り抜く』の後で間違いないのですが、それはやっぱりおかしいです。
そして、そんな撲殺天使(暫定)の前に現れるは我らが露里魂紳士(真性)花咲太郎!
もうお前どこにでも出張ってくるな(満面の笑み2回目
時系列に関してはもう少しあとで詳しく触れますが、このルイージは46歳で立派な初老のはずなのに、『頬のそばかすがやや幼さを醸す』ってお前どんだけ童顔なんだよ。
若さの秘訣かい? 日々瑞々しい女性たちから新鮮なエキスを摂取することさ!
いや、聞いてねぇし!! おまわりさんこいつです!!
でも良かった、まいちゃんが後1、2歳若かったら変なおじさんの餌食になるところだったよ。

しかし、まいちゃん軽いな。月面かよってくらいぴょんぴょんしてますね、この娘。
あっきゅんと湯女を足して2で割った、という表現が非常にしっくり来ます。
まさか浮気してないだろうな、あっきゅん。

マユは悪い母親ではないけれど、いいお母さんにもなれなかったんですね。
欲しがっていた女の子が産まれたら、肉親である我が子だったら、あるいはって思っていたんですけどね……。
本当だったらいいお母さんになっていたと思うんですよ、マユは。
寝る前には必ず枕元で絵本を読んであげるような、そんな優しい母親になっていたんじゃないかなって。
でも、壊れなければ××と結ばれることもなかったわけで。
本当嫌になるくらいままならない世界なことよ。

ここでちらっと小路坂の名前が出てくるからまたややこしいことに。
同姓同名の別人説もこうして共通の登場人物によって潰されていきます。

妹の後を追い、事件現場の落書きを見つける、なんかすごいデジャヴだったのですが、伊坂さんの『重力ピエロ』ですね。
先程のまいちゃんたちがいたのはガソリンスタンド、そしてあゆちゃんが今見ているのは元喫茶店。
どうやら犯人は事件現場に魚の落書き、それも鮎の落書きを残して回っているようです。
事件現場に謎のメッセージを残すのはミステリ小説の定番で、当然そこには重要な手掛かりがあるわけです。
今回の場合、露骨に鮎=あゆが関連していることを示唆しています。
犯人からあゆへのメッセージか、はたまた犯人はあゆになんらかのリアクションを期待しているのか。
惜しむらくは犯人に絵心が欠如していたことでしょうか……。
ただ、思わせぶりなあゆのイメージ映像からするに妹を認識できなくなった一件と何らかの関わりがあることは間違いなさそうです。

枝瀬家では似顔絵禁止なのかぁ……まぁ、やむなしですね。
いつまたあの時のような事態に陥るかわかったもんじゃないですし。

 2033年、世界は未だ回り続ける。

入間作品で具体的な年号が出るのは非常に珍しいです。
そして、2033年と言えば、『2015年10月21日』で送られてきた手紙に書いてあった内容と一致するじゃないですか。

『追伸。2033年が一番大変でした』

予告通り、といったところでしょうか。
ただ、あの手紙の差出人は明らかにあゆちゃんなのですが、これまた一人称が“私”になっています。
これは、話し言葉ではなく手紙だから“私”と書いてあるだけなのか、2045年ではあゆちゃんもアラサーなので一人称が変わったと見るべきか……。
それはさておき、舞台が2033年であることがはっきりしました。
これまで短編が出る度に何度も何度も時系列に関する考察を行ってきましたが、ほぼ予想ドンピシャでした! やったね!
まぁ、これは私がすごいのではなく、ここまで矛盾なく綺麗に繋げるいるまんがすごいんですけど。
というわけで、2033年、あっきゅんは43歳。
つまり、双子が産まれた当時、27歳。
ということは……もうお気づきでしょうか?
双子ちゃんたちが産まれたのって今年(2017年)じゃないですかー! おめでたーい!
んでもってやっぱり『2015年10月21日』の後すぐ(少なくとも1年以内に)まーちゃんを食べちゃったんだねあっきゅん。
なんだかんだ言って、美女の前では嘘つき少年も所詮は狼だったと。

猫伏景子(43)さんキタ――――!!
一般的にはそぐわないかもしれませんが、これほど妙齢と形容したくなる女性もいませんよね。
相変わらず飄々として掴みどころのないあなたがストライクすぎて困りますわ、すわすわ。
左さん絶対イラストにしてくださいね!! てかもうしてくれてますよね!? 信じてますよ!?
湯女(あ、言っちゃった)の手の中の石の例えが二重人格だと言っているとしか思えません。
しかも、あゆちゃん自身も自覚があるようなのが余計わけわからなくなってきます。
それから、最初のやり取り↓なんですけど、

「双子の頭悪い方だったかしら」

素直に読めば、わかった上でわざと皮肉っているように思えますが、もしかすると重大な伏線の可能性はないでしょうか。
湯女は皮肉っているわけでも間違えているわけでもなく、本当に妹のまいちゃんだったという可能性です。
もし、これがまいちゃんだとすれば湯女の例えもすんなり理解することが出来ますしね。
本人が本人を探そうとしているわけですから、そりゃあ見つけられるはずがありませんよ。
ここまで言っておいてあれですが、ぶっちゃけあゆちゃんよりまいちゃんの方が賢いところあるので、それを知っている湯女が単純にそのことについて皮肉っているだけかもしれません。
でも、「あれをやったの、みーくん?」レベルの伏線を期待しているので、そうだったらいいなという願望混じりでチェックしておこうと思います。

この合間合間に入る、幼き日の双子パートが匂って匂って仕方ないです。ぷんぷんですよぷんぷん。
何がって?
叙述トリックの匂いですよ!!
あゆまい姉妹とは別にもう一組の双子ないしは姉妹がいて、その二組が入り混じっているとか?
う~ん、自分で言っておいてあんまり気乗りしない仮説です……。
せめて名前が出ていなければ良かったんですけど、『脇を締めてコンパクトに振り抜く』も今回もばっちり名乗っちゃっているんですよね。
同姓同名の姉妹がそんな近くにいるのはいくらなんでも都合が良すぎですし、にもうとや湯女との絡みからも彼女たちがみーまーの娘であることは間違いなさそうですし……でも、どうしてもそれぞれに登場するまいちゃんが同一人物とは考えられない、というのも確かです。
いや、もう本当にワケガワカラナイヨ。

ロリコンスロットル絶好調かよ。
どんな美少女だろうとストライクゾーンを1ミリでも過ぎたら興味を失う、そのブレなさすぎの太郎には本気で憧れます。いや、冗談抜きで。
まいちゃんを危険な目には遭わせたくありませんが、木曽川には会わせたくあります。
お互いに一体どんな反応するのかすっごくすごく興味津々であります。
ってことで、遠慮せずに木曽川も出張してきていいんだよ?
もちろん、あっきゅんファミリーに指一本触れようもんなら地の果てまで追いかけて×すけどね。

このまいちゃん、人を思いっきり殴ったことがあるようで。
キャラが全くもって違うことを除けば、理屈っぽいキチガイ(あ、伏字にし忘れた)なところとかなんて『脇を締めてコンパクトに振り抜く』のまいちゃんと瓜二つなんですよね。
やっぱ脇締めのときはまだキャラが定まってなかっただけなのかなぁ……(弱気

いくら知人からの頼みだからってこんな破天荒ガール(出来得る限りのオブラート包み)のお守りを押し付けられた太郎の苦労が偲ばれます。
そもそも、あっきゅんと関係が気になりますよね。
知り合い中の知り合い程度の付き合いだったはずが、いつの間に仕事を依頼したりされたりする関係になったんでしょうか。
補足Web小説、待ってます。

過程を重んじる妹と結果が全てと言い切る姉。
両親を見て育った反動なのでしょう、『正常であること』に強い執着を持つあゆ。
そして、自分が正常でないのを妹のせいにして当たり散らすお姉ちゃんかわいいけどかっこ悪い。
今ぱっと思いついたんですけど、目の前にいるはずなのに認識できないのではなく、実は妹なんて初めからいなくて、過去の思い出も全部あゆちゃんの捏造妄想だったというホラーなオチは……ないですね。
逆に双子ではなく実は三つ子でまいちゃんが2人いるというオチは……あるわけないですね。
正直に言いましょう。
今回に限っては全く検討がつきません。わかりません。お手上げです。
上で述べたように一番可能性があると思うのは死んだのは妹ではなく姉で、作中のあゆはまいが演じている(二重人格状態)説ですけど、あゆちゃんが死んでいる可能性とか仮説だとしても考えたくないんですよね。イラストを見ちゃった後だと特に。
そもそも、容姿が全然違うから内面を演じたとしてもまいちゃんであることはイラストを見る限り一目瞭然です。
となると、父親似の『脇を締めてコンパクトに振り抜く』のまいちゃんは本当はあゆちゃんじゃないとおかしいのですが、それはそれで小路坂の存在がネックになってきますし……いるまんのミスかな。
と思考停止はしたくないんですけど、もう本当にわからない。
これらの話を矛盾なく繋げることなんて可能なんだろうか? と思えてなりません。
発売までもう後1週間切りましたけど、私をどう驚かせ、どう納得させてくれるのか。
いるまん10年の集大成、お手並み拝見させて頂こうじゃありませんか!!
正直、未だかつてないほどハードル上がってますからね!!
しょーもないオチだったらしょーちしませんよ!!(なんでお前はそんなに偉そうなんだ

Leave a comment

Private :

Comments

- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
08 10
発売カウントダウン!
入間人間著作一覧
7/7更新

刊行年月日順リスト

シリーズ別著作リスト

刊行予定リスト
天野寂のお気に入り
Profile

天野寂

Author:天野寂

“あまのじゃく”と申します。
読書メーター始めました。

このブログについて

Recent Entries
RSS
Recent Comments
Categories
Archives
FC2カウンター
RSSリンクの表示
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QRコード