一章『Ever』 感想

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん11 ××の彼方は愛』一章『Ever』の感想です。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん11 ××の彼方は愛 感想

イラスト編からの続き→


一章『Ever』

この章の感想は↓2つの感想と合わせてお読みください。

あまり似ていない姉妹がいて 感想

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん11 ××の彼方は愛 試し読み 感想

今回、解説で述べたように目まぐるしく視点および時系列が入れ替わります。
そこで、視点が切り替わるごとに誰視点でいつの話なのかを逐一明記していこうと思います。

P11-12・枝瀬××(幕間)
試し読み時点では『あれ』とは9割方1~10+i巻のことだろうと疑うことなく解釈していまいしたが、11巻を読んだ今となると書かれていないだけで本編終了後もたくさんの苦難を乗り越えてきたんだろうなと、元々重みのある独白が更にずっしりと重みを増して感じられました。
一つとして忘れることのできない山ほどの後悔を抱えたまま、『……けれど、まぁ。』に至るまでの経緯。
そして、『必然だったのだろう』とそれらすべてを受け入れられる境地。
ちょっと果てしなさすぎて、私なんぞでは想像もつきません。

これまた試し読み時点では2033年のことだと思っていましたが、2055年の可能性もある、というかそちらの方が高そうです。
だとすると、常人では考えられない苦労を重ねてきただろう彼が65歳になって白髪一本もない黒々ふさふさなわけですよ、この世界の住人どいつもこいつも老けなさすぎ!

『あまり似ていない姉妹がいて』
3章でわかりますが、この幕間ナレーションは湯女によるものでした。

ただ、最後の3行に関してはその限りではありませんでした。

 そして、妹はたずねました。
「姉様は私が犯人だと思う?」
 姉は言いました。

次のページにそのまま繋がっているように見せかけて、実はラストシーンにかかっていた、という演出は最高によかったのですが、結局犯人ってなんの犯人だよっていうのが最後までしっくり来ませんでした。
あゆの中だけで起きている連続殺人事件の犯人ってことはわかるんですけど、それをまいがずっと気にしているというのがイマイチわからないんですよね。
最愛の姉から殺人犯だと思われているのは辛いってことでいいのかな?
まぁ、この問いかけは1巻の「何で、あの子達を誘拐したんですか」(結局最後まで聞かなかった質問)と「あれをやったの、みーくん?」(シリーズ中でも屈指の伏線)のオマージュなような気がするので、あんまり深くツッコむところではないのかもしれません。

P14-19・枝瀬あゆ(2033年)
同級生たちはなんの話をしていたんでしょうね?
いきなり「うちの妹が犯人よ」って言われてさぞかしきょとんとしたことでしょう。
あゆの学校での立ち位置はマユと接触する前のあっきゅんと大体似たようなもんですかね。
詳細とまではいかないにしても、過去に犯罪に巻き込まれたことは少なからず知っている者もいるでしょうし、クラスメイトからは近寄りがたい存在として認知されていそうです。
まぁ、事件が起きる以前からぼっち気質みたいですけど。
ただ、あゆの場合、過去の事件を思い出させるような人物を自身の認識から排除してしまうので、傍から見ると嫌われたら徹底的に無視される怖い女子みたいに映っているんだろうなと。
高校はともかく、中学のときは相当数の同級生や先生が消されたんじゃないでしょうか。
同級生はともかく、先生が消えたら授業受けれませんけど、どうしたんですかね?
先生がいないのに他の子は授業受けているという不可思議な状況が生まれることになりますが……ホラーかよ。
閑話休題。
そんな触るな危険系女子であるあゆに気さくに話しかけてくる金子Jr.はマジで金子ですね(涙)
まぁ、あゆが美人だからかもしれまけどね!

この時点で読者はあゆ=××、まい=マユポジションだと思い込まされるわけですが、実際は逆だったというミスリードでした。
説明がまだでしたが、こういうシリーズを読み込んでいればいる人ほど騙されるミスリードを(セルフ)オマージュ誤認と呼んでいます。

あゆの後をつけている気配の正体ですが、まいではなく誘拐犯の可能性もありますね。
白昼堂々、学校の前で待ち伏せて尾行するのは危険すぎますし、こんな前からあゆに付き纏っていたのだとしたら、まいに気付かれないはずがないので、考え過ぎっちゃあ考え過ぎですけど。

P20-24・長瀬まゆ(2055年)
正直、まいの回想かまゆの現在かを断定するのは困難です。
『あまり似ていない姉妹がいて』の感想で本当にこの姉妹はあゆまいでしょうか?と疑った私は正しかったわけです。えっへん。
変なおじさん=××が出てくるパートはまゆ確定ですが、その他はどちらとも解釈可能なので、個人的にこちらだと思う方を挙げています。

めったに笑わない父はあっきゅんのことだろうとは思いますが、まゆたちの父親もあまり笑わない人かもしれません。
他の根拠を上げると、田んぼの描写が有力です。
2055年では開発が進んで小学校までの道のりに畑が少なくなったという描写があるので、この子はまいちゃんのはず。
なんですが、二章最初のまゆちゃんパートに『昨日と似た状況』と書かれているんですよね……一体全体どっちなんだよ!
ぶっちゃけ、ここに関しては五分五分だとしか言えません。むぅ。

P24・枝瀬まい(2026年の回想)
ここ、試し読みのときに見落としちゃっていました。
こんな重要な伏線を見逃していたとは、私もまだまだです。

誘拐犯にリコーダーで殴りかかるも返り討ちに遭った、屈辱の思い出ですね……。

P24-33・枝瀬まい(2044年)
2044年と書きましたが、一章のまいパートに関してはもしかすると2044年ではないかもしれません。
誘拐犯をフルスイングしたときが5回目の依頼だったので、まいと太郎のファーストコンタクトである一章はあれよりもう少し前である可能性が考えられます。
過去1~4回目の依頼時に、ターゲットであるまいにまったく接触しないというのも不自然なので、2044年の数年前だと考えるのが自然な気がします。

姉様と長らく会っていない気がした。

何気にすごい重要な伏線でした。
最後に会えたのが11年前(もしくは数年前)だったと。

幼い頃、姉様の気を引こうと描いた自分の絵を見て笑うまいちゃんが悲痛すぎて辛い。

P33-43・枝瀬あゆ(2033年)
『あまり似ていない姉妹がいて』の感想で伊坂さんの『重力ピエロ』がすごいデジャヴったのですが、まさかオチまでそっくりそのままとは……こんなニアピン賞要りませんよマジで。

妹は認識できなくても、妹の描いた絵は認識できる、ということはですよ、文通とかできそうですよね。
妹が書いているとわかった時点で認識できなくなる可能性ももちろん捨てきれませんが、その場合は別人として書くとか……姉に別人として手紙書くとか余計辛いな。
そもそも、人付き合いに感心の薄いあゆが見ず知らずの人物と文通なんてするはずないですね、うん。

P43-45・枝瀬まい(回想)

「ここもそう。あんた、足し算やかけ算は得意なのに引き算はよく間違えるわね」

根拠としては弱いですが、九九を習うのは2年生。
習ったばかりであろうまゆちゃんにこの言い方は少し違和感があるかなと。
それから、いびつなねえさまはあいちゃんじゃなくてあゆちゃんっぽいです。
よって、まいちゃんでしょう! と前向きに結論しておきます。

P45-52・枝瀬まい(2044年)

「か弱い乙女故、護身のために」
 昔々、いやそれほどでもないかな。まぁいいや。失踪事件が続くときがあって、私も狙われたことがある。そのときから護身用にバットを担いでいるのが今も続いているだけだった。

試し読み時に違和感を感じたこの加筆部分、かなり重要な伏線でした。
ここで時系列がズレていることに気づいていれば……いや無理ですけど。

『脇を締めてコンパクトに振り抜く』が高校入学してすぐ、2032年の出来事。
先程、1章のまいパートは2044年以前かもしれないと言いましたが、ここの描写と合わせて考えると2040年代ではあるでしょう。
というかあれからずっと、卒業して成人してからも、外出時はバット所持してるわけですよね……普通に不審者やないですか。

P52-55・枝瀬あゆ(2033年)
考えてみると枝瀬一族も女の子ばっかりですよね。
子供も孫も曾孫も男の子1人もいねぇ。

→二章『Never』へ続く

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