きっと彼女は神様なんかじゃない 感想

メディアワークス文庫20冊目『きっと彼女は神様なんかじゃない』の感想です。

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この世界を何も知らない彼女との出逢いが、わたしの毎日を変えていく。

『人は水の中でも、空の向こうでも息苦しくて生きられない。大地を愛せ』
 それが現在に至るまで受け継がれた部族の教え。だけどわたしは海を愛した。
 集落の嫌われ者なわたしは生け贄となって、海の底に沈む神の岩へ向かう。
 そこで出会ったのは、長い眠りから覚めたばかりの自称神様だった。
「私はあなたと旅に出たい。ずっと遠くに行きたい。この世界で、生きていたい」
 独りぼっちの少女と、無知な神様の少女の、ガール・ミーツ・ガール、ストーリー。

略称は『となりのヤシロ』でお願いします。
略称とは一体(哲学)

まず、これだけは言わせてください。
表紙&あらすじ詐欺ダメ、絶対!
この詐欺っぷりは『たったひとつの、ねがい。』以来じゃないでしょうか。
ただ、今回は良い意味で予想を裏切られたので、こういう詐欺だったらどんとこい!(どっちだよ
それから、今回に限っては前情報が全然なかった(試し読みもなく、純粋にあらすじとイラストのみ)のが功を奏していたので結果オーライかなと。
あらすじから想像してた話と全く違うじゃねぇか! っていう未知との遭遇感がたまらなく楽しかったです。

イラスト&あらすじの狙いとしては最近認知されつつある百合要素をアピールしたかったんでしょうけど、この作品はそうじゃないよなって。
結構がっつりSFしているので、もっとそちらについて紹介すべきだと思うのですが、SF要素を匂わせる文章0という……まぁ、今日日SF要素をアピールして売れるかと言えばまぁ、うん……仕方ないね。

イラスト
フライさんのイラストに関しては表紙もピンナップも文句なしに素晴らしかったです。
ただやっぱり、読了後に改めて見返してみると作品の雰囲気には少し合っていない印象が拭えません。
作風を大切にするなら、人物メインではなく背景メインのイラストにしてほしかったなと。
例えば、神の岩が沈む湖とか崖から眺めた星空とか。

あらすじでてっきり左が神様、右が生贄にされる子だと思い込んでいたので、少し読み進めて勘違いに気づいた瞬間「お前が生贄にされるのかよ!!」って叫びそうになりました。
というどうでもいい小話。

解説
四章でメイが懇切丁寧に説明してくれるので特に解説はしません。
細かい伏線については随時補足していきます。

暮れゆく星の五月に

皐月視点の悲劇の顛末。
『長い間』、『更なる長い時間』とさらっと書かれていますが、軽く数十年、下手したら数百年が経っているんですよね。
そんな気の遠くなるような時間を経て尚、「メイが待っているから」と皐月が正気を保っているのが残酷オブ残酷。

旧人類は泳げない(もしくは潜れない)ということだとは思うんですが、こんなに適応能力が高いのなら水中に適応することはできなかったんですかね?
身体能力からして肺活量とかもすごそうですけど。
陸上に特化した代償として水中は全くダメになってしまった、とかでしょうか。

一章『神の岩の終わり』

これまた巧妙なミスリードでした。
猫背気味で冴えない少女・皐月と有名長身美少女・メイの他愛ない終末を控えた日常風景。
そうとしか読めないです、この段階では。
確かに「んー、高いっていうか……姿勢の問題?」というセリフとその後のやり取りには少し違和感を覚えましたが、皐月は猫背なんだろうなって解釈しますよ普通。
今思うとマスクも普通のマスクじゃなくてフルフェイスのガスマスクなんですよね。
皐月から見たメイが今日も美しいってのは顔のことじゃなくて二足歩行するその容姿そのものだったと。
普段、メイがどんな服装だったのかわかりませんが、もしスカートだったとすると覗き放題なのでは?
そりゃあ、視線を感じるのは当然ですよ(違

「王子様つきなら姫も悪くないかも」
「おうじぃ? どんな?」
「頼りになるのがいいかも。なんかこう、勇ましいというか」
やぁ、とメイが剣か槍でも構えるように腕を掲げる。今時そんな人がいるものか。

槍を携えた王子様に巡りあえるよ! やったね、メイちゃん!

新天地へ向けた移住計画と聞いて『ふわふわさんがふる』と『おともだちロボ チョコ』の間の話? と思ったのですが、全然違いました。

やがて名前を呼ばれて、顔を上げる。振り向くと、同じ集落の仲間が立っていた。

あれ?

呼ばれることも、遠く久しい自分の名。
集落の仲間とのやり取りに、わたしの名前は不要だった。

あれあれあれ?
まぁ、ヤシロだからね、仕方ないね。

これはメイが言っていた人工衛星のことでしょう。

 膝まで隠れる草の中を移動する最中、なにかを軽く蹴る。屈んで草を掻き分けると、歪んだ欠片を見つけた。ああこれか、と拾い上げる。かつて空から落下してきたとされる星の欠片だ。

人工衛星って百年かそこらで落下するもんなんですかね?
まぁ、別にハードSFじゃないので細かいことにツッコむのはやめておきます。

この主人公、いくらなんでも肺活量ヤバすぎじゃない? もしかして、人間じゃない? とこの段階で正体を看破した私すごい(看破はしてないだろ
毎度毎度神の光にのたうち回りながら泳ぐ場所変えないって大蛇ドMかよ。
というか、これまでは神の岩に反撃しなかったの?
それとも今までに蓄積されたダメージが限界を超えて宇宙船が壊れたの?
俗に言うご都合主義的なアレかな、うん。

『神の光』は所謂レーザー兵器のことだと思いますが、となるとやっぱり『光を断つ』の『光の剣』を連想せずにはいられません。
なので最初、『神の光』を使う東の部族=アサギの一族のことかと少し思ったりもしました。
山すら一瞬で両断するアサギの『光の剣』の方が明らかに威力が高く、同一だった場合大蛇であろうと一刀両断するはずなので、全然別物なんですけど。
『神の光』は断つのではなく、焼き消すものみたいですし。

神の岩に飲み込まれたヤシロ。
未知の状況に置かれた人間が手探りで少しずつ状況を把握していくこの感じ、大好きです。
今回はそこに更にSF要素もプラスされてわくわく感が倍増されていました。
神の岩は宇宙船の一部だろうと予想していた通りだったので驚きはありませんでしたが、非文明人が宇宙船に迷い込んだ描写が非常に秀逸だったと思います。

培養液の中で漂い眠る美少女。
ビジュアル的にすごく映えるシチュエーションですよね。
それはともかく、冷凍睡眠じゃなくて数十~数百年老化させずに生命活動維持できるとかどんな技術力だよ。
しかも、起きた後すぐ動けてるし。
そんなオーバーテクノロジーがありながら宇宙船飛ばすのに失敗するとかどんだけ杜撰なんだよ。
閑話休題。
溢れ出した培養液をとりあえず舐めてみるところにすごくヤシロみを感じました。

初対面でいきなりなんなん? と方言全開なメイかわいい。
ここに限らず、バリバリ方言のメイ、正直めっちゃかわいかったです。
黒髪ロングやし、白ワンピやし、しかも裸に直接着とるし、でらエロかわいーでかんわ。

ヤシロが神を地上に連れて行くため、槍を捨てるシーン大好きです。

二章『ただ自然を愛でていたある日』

メイ以外の人類は皐月のような容姿なわけで、そんな社会で生まれ育ったら美的感覚は普通に考えてメイの方が変な顔になるはずなんですけど、メイの口ぶりが現代の価値観っぽいのがちょっと気になりました。
もしかすると皐月が旧人類(東の部族)の中でも特に不細工だったのかもしれませんが、それはいくらなんでも皐月がかわいそすぎる……幼いから仕方ないとは言え、思ったことズバッと言っちゃうメイひでぇ。

 人は独りで生きるものだ。集団とは個々の寄り添いであるべきだった。自分と向こうに生える頭が同じものと誤解するからたくさんの問題を生む。意見が違えるのも、気にくわないのも、自分ではないと考えれば当たり前のことなので腹も立たない。
 少なくとも、わたしは家族との生活の中でそういうものであると学んだ。

基本的にヤシロ一族って自己中ですから……でも、滅多に怒ったりしません。
あるがままを受け入れるというのが彼ら? 彼女ら? の性質なんでしょうね。

先程の規格外の肺活量と白銀の髪。

「ふぅん……あなた、実は宇宙人だったりしない?」

そして、このセリフで「こいつはヤシロ一族なのでは?」という疑念が生まれました。
にしてもニクいですね、この伏線は。

ヤシロマジチョロい。
このチョロさ、そして尊大さも一族の性ってやつなんでしょうね。微笑ましい。

わたしの家族のように、すべてがはっきりしているといい。

はっきりしすぎというか、欲望に忠実すぎるというか。

「家族と一緒にはるか西からここへ来た」
(中略)
「西ねぇ……その家族は? 一緒に住んでいるようには思えなかったけど」
「皆散り散りになった。今は誰とも暮らしていない」
(中略)
「二十七人の家族も、ここに残るのはわたし一人だ」
みな息災だろうか。いや無事なのは間違いないと思うが。
家族の顔ぶれを少し振り返っていると、女の頓狂な声が聞こえた。

遥か西のスケールが違いすぎる。
しかし、不定形のはずのヤシロ一族の顔ぶれを思い出すというのは一体???
このヤシロは他のヤシロと違って自分が宇宙人であることを自覚しておらず、人間だと思い込んでいるので、そこらへんの記憶も上手いこと改竄されているのかな?
なんていうか、ドラゴンボールの悟空みたいな感じですね。
昔、頭でも打って記憶喪失になった地球育ちのヤシロ人的な。

 すべてが同一の存在から生まれたのなら、家族と形容することに問題ないと思うのだが。

母なるヤシロ、ヤシロマザーから生まれたのか、もしくは超文明の創造主によって生み出されたのか。
27人ということは後24人のヤシロがいるわけですよね……具体的な数字を出したということはいずれ登場させるつもりなのでしょう。
がんばれいるまんあんたならできる。
となると単に『ヤシロ』と言ってもどのヤシロのことなのか分からなくて不便になってきます。
各々にコードネームをつけたいところ。
今作のヤシロは槍使いなので“ランサー”、『電波女と青春男』は“エスパー”、『安達としまむら』は“デスティニー”あたりでどうでしょうか、と提案してみる次第。
ふと思いましたが、アルファベット26文字+記号1個でポケモンのアンノーンみたいにできそうです。
入間世界のアンノウンですからね、ぴったりというかいるまん絶対これ狙ったでしょ的な。
今のところ、L,E,Dが揃いました。なんか眩しいですね。
閑話休題。
裏表がなく素直なのもヤシロ一族の美点。

「こっちこそ、気が立ってごめんなさい。でもね、これでもけつこう緊張しているのよ。なにしろ初めてやもの、あなたたちみたいなのと交流するのは。そして、それはとても刺激的で情熱的だわ」
 いんまいどーと、なんだか急に陽気になる。

一読目はまたブレンパワードネタかよ相変わらず好きやなーと微笑ましく思っていたのですが、あなたたちみたいなの=原始人みたいな人間ではなく、自分と同じ二足歩行の人間という意味であると理解してから読み返すとメイにとってヤシロとの交流は些細なことでも刺激的で情熱的だったんだろうなと。

「いえむしろ、匂いというものがないのね。汚れてもいないし……変なの」

ヤシロ一族か断定できないまでも、普通の人間ではないと確信しました。

メイに促されるまま、水浴びに付き合うヤシロ。
いちいち死ぬ覚悟で槍を手放すランサーかっこいい惚れてまう。

うーん……槍で突っつきたくなる尻だ。

尻の感想も槍絡みとは流石ランサー。メイ逃げて。

「覚えていようと思った」
「忘れろ」

不意打ちやめいw
メイとの交流を通じてヤシロの中に芽生える未知の感覚。
野生児が人の温もりを知ってほわほわする話、良きかな。
鬼滅の刃の伊之助とか、いいよね!

 家族が揃えば、また遠くまで旅することはできるかもしれない。しかしそれは叶わない。家族は求める生き方に従い、それぞれの目指す先へと旅立った。遙か彼方へ向かった家族もいる、集合するには気が遠くなるほどの時間が必要だろう。待ちきれるものではなかった。

若干2名ほど、他人の家に住み着いてタダ飯を食らう毎日を謳歌してるもんね。
あいつら求める生き方に従いすぎでしょ。
気が遠くなるほどの時間って下手すると数億年レベルだからね、そりゃ待てんわ。
ところで、ヤシロ単体で宇宙空間を移動することはできないってことでしょうか?
ただ、エスパーを探しに後からやってきたデスティニーの件を考えると単体で移動できないと辻褄が合いません。
というわけで頭の固いランサーに限って、他のヤシロがいないと無理ということにしておきましょう。

ばしゃばしゃと手足を跳ねさせる。その動きが、あー似てると思った。
東の部族が息絶える直前の抵抗に。

東の部族駄々っ子かよ、と思っていたらそういうことだったとは。

唐突なメイの二足歩行発言には「えっ、もしかしてアンドロイド系?(ヤシロの正体が)」と驚かされました。
それともメイが四足歩行なのか? とちょっと遡って描写を確認したりもしましたが、ヤシロと手を繋いで走っているのを見ても明らかに二足歩行。
と、意味不明でかなり混乱させられたセリフでしたが、今思うと本当に心の底から嬉しかったんだろうなぁと。
相手に合わせて屈まなくても、同じ目線で話ができる。
言ってみれば、たったそれだけ。
でも、たったそれだけのことがメイにとってどれほど感動的だったのか。
それはきっと今までの価値観をひっくり返すには十分すぎる衝撃だったに違いありません。

食べ物に関して自制できるとかヤシロ一族随一の忍耐力なのでは?
自分で取った果物を自分では一切口にできないなんて、そんな待遇に他のヤシロが耐えられるとは到底思えません。
生態系を意識して加減することも承知している、ランサーは本当にできたヤシロです。

「行ってらっしゃい」と見送られてくすぐったそうなヤシロにニヤニヤ。
いいぞ、その調子でどんどんふわふわするがいい!
この辺りからヤシロの思考を占めるメイの割合がどんどん増えていくのもニヤニヤ度高し。

ほのぼのムードから一転、ついに現れる東の部族。

 折れ曲がるように親指の歪んだ爪先。仰々しい首飾りと、後ろ足の揺れ具合が連動している。
 極端に短い首、そしてその先にある強く潰れた目もと、唇の薄い口、存在しない鼻。
 小分けにするととても同じに見えないが、遠くからだと人型の輪郭が見える、そんな顔。
 東の部族だった。

ビジュアル怖っ! 紛うことなきクリーチャーじゃないですか!!
進撃の巨人のピーク↓をのっぺら坊にして首と手足をもう少し短くしたらイメージに近い気がします。
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8対2でも分が悪いのは東の部族が神の道具を使えるからかと思いきや、肉弾戦でも化物だったという……あの表紙から誰が化物みたいな姿の人間と殺し合う話だと予想できるよ。
しかも、槍で突き殺す一部始終を詳細に描写するサービス付き。
更に今ならオプションで断首ショー開催可。
首落とさないと安心できない生命力とか益々持って東の部族化物すぎる。
ただ、ヤシロが仕留めた東の部族こと斎藤さんは一緒にいた娘を逃がすために囮になったんですよね。
見た目はこんなでも中身は同じ人間なのが見た目よりもよっぽどエグい。

三章『私が生んだ殺意』

またひでぇ話思いつくないるまんは。
ここで二章にあった「二足歩行」発言の意味がはっきりします。
東の部族の正体、それはメイが暮らしていた世界の人類でしたとさ。

なんとなく嫌な予感はしていましたが、青いリボンをプレゼントしたエピソードの直後に首にある青色の跡というわざとらしいくらい分かりやすい描写が目に入り、この後待っているであろう最悪の展開が容易に想像できてしまいました。
東の部族が顔を剥ぐ理由は羨望と嫉妬が入り混じった感情の発露でしょう。
取り分け『顔剝ぎ』こと皐月の場合、剝いだ顔を被ったり、コレクションしていそうで怖い。と同時に不憫すぎて辛い。
皐月が一番手強いのはきっとメイを迎えに行くまでは絶対に死ねないという確固たる信念があるからだと思うんですよね……。

共存するには、わたしたちは少し大食らいなのだ。わたしの家族が別れたのも、理由はそこに起因していた。

あ、やっぱヤシロだわこれ。
ずっと抱いてきた疑念がここで確信に変わりました。

いつも肌身離さず持っていた槍を忘れ、取りに戻るか迷いはするもののそのままメイの元へ向かうヤシロ。
順調に絆されてますね、感心感心。

「いかんな……いかん、いかん」

いかんくないよ~むしろその調子その調子(ニヤニヤ
すっかりお互いの笑顔を見て安らぐ関係にヤシロの価値観が揺らぎ始めてますね。
にしても、久しぶりのごちそうをんまいんまいと堪能する姿はヤシロ以外の何者でもありません。
人の美味しそうに食べる姿を見るのが好きな私にとってヤシロ一族は最高の銀色エイリアン。

「うちの家族はみな大食らいだった」
わたしも例外ではない。
「そのせいで別れることになったが」
(中略)
「え、つまり、食べ物が足りないからばらばらになったってこと?」
「うん」
(中略)
 このままではひもじい思いを続けるから、分散して生きていく。ごく当然の帰結である。
 多少の心配はあるが、みんな元気にやっているだろう。腹いっぱいで転がっているだろう。
 多分。

ヤシロ達が見境なく食料を食い尽くすモンスターじゃなくて本当によかった。
下手すりゃ食欲を満たすため星という星を食い滅ぼす『トリコ』のネオみたいな存在になっていたかもしれませんし。
欲望に忠実。だけどきちんと分別のつく食いしん坊、我が家にも1人やってこないかなー。

そうかそうか。果物食べるとかわいいのか。いいことしかないな、と笑う。

この単純思考回路が一番かわいい。

「あなたって歳いくつ?」
「歳? うーんと」
 冬を越えたら一つ歳を重ねるというのが普通だ。
 こっちに来てからの冬の数を思い出す。
「十五だ、多分」

こっちに来てから15年ということは余裕で150歳は超えているでしょう。多分。
ついでに本作の時系列について触れておきましょう。
まず、今回の舞台は月や星の描写からして地球とみて間違いないはず。
過去というのは考えにくいので『みーまー』はもちろん、『トカゲの王』からも遥かな未来であると考えるのが妥当でしょう。
(厳密には『みーまー』と『トカゲの王』はパラレルワールドなので同一には語れませんが、とりあえずこの場では割愛します)
未来と言っても少なく見積もって数千年単位の未来になりますから、ほとんどパラレルワールドみたいなものです。
そもそも、完全なるパラレルワールドだと考えるのが一番無理がありません。
ただ、これだけ家族の存在を何度も何度も匂わせるということは同一世界な気もします。
どっちにしろ、気の遠くなるような話なので、規格外の寿命を持つヤシロ一族以外には与り知らない領域になってしまいますが。

初めてできた友達と喧嘩して、自分の中に生まれたモヤモヤをどうしていいのか分からない子供みたいなヤシロ。
仲直りという概念もないですから、頭悪いなりに(ぶっちゃけ全然頭悪くないですけど)精一杯考えるヤシロ。
結論:よし、抱きつこう。
感想:いや、なんでやねん。
名前も手伝ってか、いきなり抱きつかれたメイのリアクションがジブリ特有の髪がブワワッてなるアレで脳内再生されました。
効果は抜群だ! 骨抜きにされて『ていうか』連呼してるメイがかわいすぎる。ハグ強い。

ヤシロも髪が光るんですね。
いや、他のヤシロも光ってましたけど、あれはコピー元の人間の特徴を再現しているものだと思っていました。
『虹色エイリアン』のカニャエといい、入間世界の異星人は髪が光る、とメモメモ。

 うんめい? うめい、うんめー? なにか食べているのか? 口もとをじっと見る。噛んでいる様子はない。

やることがデスティニーとおんなじ過ぎて笑いました。

「いいなぁ……人を抱けるって」

この一言に込められた思いの重みを考えるとそれだけで泣けてくる、本作屈指の名シーンです。
初めて自分と同じような人間と出会い、知った様々な喜び。
同じ目線で話ができる喜び。
手を繋いで歩ける喜び。
抱きしめられる喜び。
そして、抱きしめる喜び。
ヤシロにとってはなんでもないようなことも、メイにとっては涙が止まらないくらい幸せなことで。
月明かりの下、抱き合う2人の姿はめっちゃロマンティックやなって思いました。

東の部族の襲撃を受け、真っ先にメイの元を目指すヤシロの王道っぷり実にグッドです。
他人を優先する機会は自分には訪れそうもないと思っていたヤシロが、メイを庇って長たちに向かって怒鳴る日が来るなんて……完全に悪口しか言ってないんだけど、明らかに感情の裏返しになっているセリフっていいよね。

予想通り、かつての親友との再会はこれ以上ないくらい悲劇的な再会でした。
そして、迫られる選択の時。
皐月と過ごしたこれまでの日々。
ヤシロと過ごしたこれまでの日々。
幼い頃からずっと一緒だった、一番の親友か。
出会ったばかりの、名も知らぬ少女か。
きっとヤシロを見たときには既にメイの中で答えは決まっていたんでしょうけど、自分だけではどうしても踏ん切りがつかなくて、最後の一押しが欲しかったのかなと。
王子様に一言「行こう」と言ってもらいたい面倒くさい複雑な姫心ってやつやね。
この時、皐月の上げた雄叫びが切ない……。

「わたしが、守ってやる」

こんなんメイでなくても惚れてまうやろ。
“ランサー”改め“プリンス”でええかもわからんね。

四章『落ちた星の五月に』

自分たちが人類本来の姿である二足歩行になれるわけではないと承知の上で、それでも人類の回帰の一助となれるなら、理想の世界をこの目で見ることができるのなら。
胸に抱く思いは人それぞれでしょうけど、宇宙船に乗ることを選んだ人々は概ねそういった考えだったんでしょう。
メイと出会わなければ、その美しい姿を知らなければ、きっとそれまで通りいつまでも、幸せでいられたのに。
己の醜さを一度知ってしまった以上、もう心から幸せを感じることはできなくて。
本作で誰が一番かわいそうって、ぶっちぎりで皐月ですよ。
メイに罪はありませんが、メイによって人生を狂わされた彼女が作中一の犠牲者だと私は思います。

メイの両親はなんで亡くなったんでしょう?
超高齢出産でもない限り寿命ではないでしょうし、メイの様子からして過激な反対派に殺されたわけでもなさそうです。
となると残るは事故死もしくは病死ですけど、あれだけ強靭な肉体の人間が死ぬような事故や病気があるのかという疑問が残ります。
そもそも病気にはかかったりするんですかね?
もしかすると、メイの両親もほんの少し先祖返りしている部分があったのかもしれません。
だから、他の人と比べて寿命も短く、身体も弱かったと考えると合点がいきます。
両親共に先祖返りしているなんて都合が良すぎる気もしますが、そんな偶然と偶然が重なって生まれた奇跡がメイなんだと考えると運命ってやつを感じずにはいられません。
ただ、メイが母親のことを『産んだ人』と表現しているのが気になりました。
実の母親でさえ、自分以外の人間の内の1人程度の関心でしかなかったんだなって。
両親の立場になって考えてみると仕方ないとは思いますけどね。
自分たちと全然違う姿で生まれてきた我が子をどう扱っていいのかわからないという困惑と世間から浴びせられる様々な目による心労は相当なものだったはずです。
先程、両親も先祖返りしていたのではないかと言いましたが、そうではなく彼らの死は度重なる過度なストレスによるものだったのかもしれません。
少し脱線しましたが、肉親でさえ心を許す存在になり得ないそんなメイにとって、完全とは言えないまでも気のおける友人と呼べる皐月の存在がどれだけ大きかったか……それを考えるとこの後に待つ展開がより辛く、悲しくなるんですよ、ええ。

人型を捨てた人類は理性というものを少しずつ失っていると聞いたけれど、博士はその理性に恵まれた人物であったと思う。

東の部族と呼ばれるようになった旧人類はかつて使っていた言葉を失い、別の言語というか鳴き声? で意思疎通を行うようになっており、メイはそれを「また『適応』したのかな」と推測していました。
でも、かつて自分たちが話していた言葉の意味を全く理解できなくなるなんてことあるんですかね?
ここに関しては正直、言葉が通じた方が辛くなると思うのでそうしなかったのはいるまんの中に残った一抹の優しさ(酷い言い草)だと個人的には思っています。正確にはそう思いたいです。
で、理性を少しずつ失った結果、あんな凶暴な性格に変貌してしまったということでしょうか、旧人類は。
自己防衛のためにやむを得ず、新人類を殺すのは仕方ありませんが、顔を剝ぐ行為は理性とは程遠い蛮行です。
ただ、完全に理性を失ったクリーチャーになったのならそちらの方がいくらか良かったですよ。
自分を囮にして娘を逃がしたり、親友を迎えに行くために人一倍頑張ったりさ、全然理性残ってるんだもん。やりきれんわ。

「私が調整したんだ。絶対に新人類は生まれるし、旧生物共は駆逐する」
「そっすか。……宇宙船にそんな機能あるの?」
「そういう風に設定した。着陸後に自動で機能するはずだ。そうして長い時間を経て生まれてくる新人類も、同様に環境改善を徹底するような意識を持つはずだ。……そっちは、きみ次第だが」
(中略)
「もっとも宇宙船が無事に辿り着けたらの話だが。そっちは私の専門外だ」

優秀すぎるのも考えものですよ博士。
いや博士は悪くないな、宇宙船の発射担当が全部悪いな、うん。
入間作品に出てくる博士たちはみんな竹を割ったような人ばかりで好感が持てます。
今回も例に漏れず、ズバズバ言ってくれるのが気持ちいい。

「友情も愛情も、新世界で一から学び直せるさ」

セリフが一々男前すぎて惚れそうになります。
でも、博士も自分の設計した装置で駆逐されたんですよね……自身の設定は完璧だったことをその目で確かめられて本望だったのか、それともやり残した研究への未練を抱きながら死んでいったのか。
せめて前者であってほしいと願うばかりです。

衝撃的な運命を求め、新天地への期待を胸に、眠りにつくメイ。
長い長い時を経て、目覚めた彼女の目に映ったのは――。
一目惚れってやつやろね。
ひよこが初めて見たものを自分の親だと思い込むように、メイが初めて目にする自分以外の美しい人型に運命感じちゃうのも無理はありません。

森の奥地で束の間の休息。
やっぱこういう何気ないやり取りがいるまんの真骨頂やなぁとしみじみ感じます。
直後に迫った自己紹介に備えて、最後のダメ押しみたいにめっちゃ伸びるほっぺの描写がさらっと入っているのも芸が細かいです。
かつてこの星で何があったのか、静かに昔話を語りだすメイ。
なんちゃって神様による解説タイムと言い換えてもOK.

「わたしの生き方は、自分かお前が決める。それでいい」

熱い、熱すぎる!
なにが熱いって(別個体ではあるにしろ)あのヤシロが運命を否定し、自身の生き様は自分かメイが決めるのだと言ってのけたことですよ。
痺れましたね~、思わず「おぉ、うんめー!」って言いそうでした。
てか最早これってプロポーズなのでは?

「今この世界で、私にとって確かなものはあなたぐらいやから」

と思ったら、メイもすかさずカウンタープロポーズ(造語)だと!?

「分からん話だが……わたしは、長たちとは違う。自分の意思でお前を選んだ」

怯むことなく、右ストレートプロポーズが炸裂していくゥ!!

「私もあなたを選んだもの。あなた、最高の二足歩行よ」

こ、これは諸刃の剣、クロスカウンタープロポーズだぁ!!
おっとこれは効いたようです!! ヤシロ選手の足が止まりました!!

「私が落ちてきたから、あなたはここに留まる。これこそ、運命ね。そして、そう。確かにそれは私が決めた出会いなんかもしれん」
 きみに決めた、と先程のやり取りを意識するようにメイがおどける。

トドメの左アッパープロポーズがクリーンヒットォォォォオオオオオ!!!!!

 前言は撤回せず、メイが決めたのなら、と受け入れる。

ヤシロ選手ダウン! 勝者! メイ選手!!(カンカンカンッ
閑話休題。
散々前振りがあったのでやっぱりなって感じではあったんですけど、分かっていてもやはり『ヤシロ』の名前を目にした瞬間は鳥肌が立ちました。
3、4回ほど「宇宙人なの?」ってわざとらしいくらい尋ねていたのはこのためだったんだなと。

「そうか? 家族はみんな同じ名前だが」

ん? んん? んんんんん?
ヤシロって名前を尋ねられ、宇宙語で話したけど通じず、そのときたまたま通りかかった星宮社を名乗ったんじゃありませんでしたっけ?
後付が産んだ矛盾でしょうか?
いや、社をシャじゃなくヤシロと誤読したのは誤読じゃなく、日本語に訳すとヤシロになるということなんでしょうか? と精一杯好意的に解釈しておくことにします。

 以前に長から言われたことがある。
『なぜお前は変わらないんだ?』と。

そりゃ、集落の住民も気味悪がって避けますよ。
少し前まで新人類は30歳も生きられなかったくらい短命なのに、15年前から一切容姿が変わらない人間がいたらそりゃあ自分たちと同じ人間じゃないって思われても仕方ありません。
冒頭で生贄にされたとは言え、15年も集落から追い出さないでくれた長たちは実はかなり優しかったんじゃないかと思えてくるレベルです。

「でも、槍を持って走るのさ……かっこよかったわ」

どう見ても夢見た王子様に熱い眼差しを送るお姫様の顔です。本当にありがとうございました。

メイを前にぼろぼろと大粒の涙を零す皐月が見ていて本当に辛い。悲痛とはまさにこのこと。
しかし、もうどう足掻いても元の関係に戻れないのは明らかで。
皐月もそんなことは分かっていて、でも諦めることはできなくて。
自分でもどうしたいのか、どうしていいのか分からない。
ただ、メイの隣にいるあいつは許せない。
そこは、わたしの場所だ。
メイの隣にいるのはわたしなんだ!
そんな、ヤシロへの怒りと憎しみ。
誰なのそいつ?
ねぇ、なんでわたしじゃなくてそいつの隣にいるの?
迎えに来るのが遅れてごめん。
でも、わたしもずっと楽しみにしてたんだよ。
またメイと会える日を。
お願い、こっちへ来て。
そんな、メイへの非難と懇願。
全部勝手な想像ですけど、皐月の絞り出す痛切な鳴き声に胸を締めつけられます。
皐月のイメージ映像がなぜか白豚なので(鼻がないっつってんのに)、頭の中でピギィィィィィィイイイイイイイイイ!!!!!!!!! という幻聴が響くのが更にしんどかったです。
もう誰でも良いから、早く、早く皐月を楽にしてあげてって祈るような気持ちでした。

暗闇に寄り添いながら、首をもっと遠くまで伸ばせればと悔やむ。家族のように身体をもっと自在に扱えればいいのだが、わたしは頭が固いらしい。人並みに、人の形を持って、人として生きるしかないそうだ。

この口振りだと自分が本当は人間でないことを知っているようにしか見えませんが……まぁ、メイ好みのかわいらしい姿でよかったってことですね、うん。きっとそう。

 槍を手放す生き方なんて、受け入れられるとは思わなかった。

メイの価値観がヤシロと出会って一変したように、ヤシロの価値観もメイとの出会いによって塗り替えられていたというわけです。
こういう関係書かせたらやっぱいるまんは最強だと思います。
槍を託す、それはつまり生死を委ねるということ。
自分の生き方はお前が決めるという啖呵通り、行動を持ってその信頼を示すヤシロ。
同じく行動を持ってその信頼に応えたメイ。
そして、自分に槍を向ける親友の姿にショックを受ける皐月。
もうやめて皐月のライフ、いや、そんな皐月の姿を見る私の心がもう耐えらんない。辛すぎる。

 死んでたまるか、と今までよりずっと強く決意していた。
 生きるために生きてきたわたしに、こう生きたいから生きると思わせるもの。
 理由となる核。
 メイ。
 メイと生きる。
 生きてやる。
 生きたい。
 だから、死んでしまえ。

これこそ、入間主人公が入間主人公足るに必要不可欠なエゴオブエゴですね。

これでやっと楽になれるね、皐月。
苦しかったね、頑張ったね、お疲れ様。もう十分だよ。
最後まで辛いことばかりだったけれど、メイが側にいて最後を看取ってくれるってさ。よかったね。
懺悔の内容は分からなくても、メイの思いはきっと伝わってるよね。
うん、うん、そっか……って耳を傾けながら、どうか安らかな気持ちでおやすみ……と必死に涙を堪えながら皐月の最期を見守っていたのに、こんな酷い仕打ちがありますか?
いや、首を落とさなければならないのはわかってますし、短剣って単語が出てきた時点でちらっと頭を過ぎらなかったと言えば嘘になりますけど、だからってよりによってメイにやらせますか?
みーまー11で嫌というほど思い知らされましたが、いるまんは血も涙もない鬼畜生野郎ですよ。ええ、本当に。

「私はあなたと旅に出たい。ずっと遠くに行きたい。この世界で、生きていたい」

ここで。
ここでこの台詞に繋がるのか……あらすじにこの台詞を抜粋した編集さんのセンスは大いに評価したいところ。
確かに、本作はこの一行の重みを味わうためにあると言っても過言じゃないかもしれません。
この世界で生きていくための覚悟の表明であり、過去の自分との決別の儀式であり、死にゆくかつての親友にしてやれるせめてもの手向けであり……。
頭では色々と理屈をつけられても、首に刃を入れ、肉を裂いていく様を見るのは胸が引き裂かれそうなくらい辛かったです。
首の青い跡の描写とか本当勘弁してほしい。かつてリボンを巻いたその手で、今度は首を切り落とすという悲劇の結末。こころがしぬ。
メイが辛いのはもちろんですが、私としてはそれ以上に身じろぎ一つせず黙って受け入れる皐月のことを思うともう涙が止まりませんでした。
もうほとんど意識はなかったのなら、それに越したことはありませんが、意識がなかったら反射で身体が動くと思うんですよね。
じっと動かなかったということは全てを理解した上で、メイの選択を受け入れたってことなんじゃないかなって。
でも、それってどんな境地なんでしょうね?
憧れの存在であり、一番の親友だった女の子に首を落とされる。
思いつく限り最悪の結末にしか見えませんが、たとえ一抹でもそこに救いはあったんでしょうか?
朦朧とする意識の中、遥か昔、誕生日プレゼントを巻いてもらったときのことを思い出していたんでしょうか?
せめて幸せな記憶と共に安らかな最期であったことを願ってやみません。
『少女妄想中。』の芹みたいな三角関係において絶対報われないポジションのキャラは好きなんですけど、いくらなんでも皐月は報われなさすぎてキツいッス。
もう少しお慈悲を……でも、人生は優しいことばかりじゃないっていう世界観だからこそ、そこに尊さが生まれるんですよね。

「がんばったな。お前は、凄い」
(中略)
「もっと強くなって、一緒に生きよう。メイ」
 それがわたしの、メイと共に決めたうんめいってやつなのだ。

どうしてもジブリ風に脳内再生されてしまうのは私だけでしょうか。
皆さんはアシタカの「共に生きよう」と(やっぱりプロポーズじゃないか!)、あの大粒の涙がボロボロ溢れてくるお馴染みの演出がフラッシュバックしませんでしたか?

 わたしはそれなりに長い時間、呼吸しなくても生きていける。
 しかしそれでも、その水滴が途切れるまで息を止めていられる自信はなかった。

すっごい詩的。
お気に入りの2行です。

5月、それは――別れ、そして出逢いの季節。

 ぐんぐんにょきにょき、真っ直ぐ、生きていける。

トトロだぁー!(CV:坂本 千夏)
やっぱりジブリじゃないか!
今にもあーるこーあーるこーわたーしはーげーんきー♪とEDテーマが流れてきそうな希望溢れるエンディグでした。

『いつか神様を越えて』

黄昏時もといかたわれ時やね。
1人じゃなく2人なら。
辿り着く日はきっとそう遠くはないでしょう。

総評
傑作も傑作、文句なしの傑作SFでした。
いやー最初にも書きましたが、今回は最高の表紙&あらすじ詐欺でした!
序盤のここはどんな世界なんだ? いつの時代なんだ? とわくわくが止まらないSF要素から始まって、殺るか殺られるか、緊張感満載の手に汗握るサバイバル描写、そして、徐々に明らかになっていく残酷すぎる真実。
そんなシビアな世界で、メイとヤシロの間に芽生えていく友情とも愛情とも少し違う絆のようなものにほわほわする、おぉ、うんめーな傑作SFヒューマンドラマだったと思います。
今作は設定自体も秀逸でしたが、特筆すべきはやはりメイとヤシロの心理描写の巧みさですよね。
一番の見所はどこかって言われたら、お互いがお互いにとってかけがえのない存在になっていく過程、これに尽きるでしょう。
個人的にはこの報われなさが酷い! ランキング2017ぶっちぎり優勝候補の皐月も注目してあげてほしいポイントです。

タイトルですが、やっぱり改題前の『彼女は五月の水辺に沈む』の方がどう考えてもいいです。
『きっと彼女は神様なんかじゃない』も悪くはない、悪くはないんですけど、比べるとどうしても前者の方が相応しかったのにという思いは拭えません。
表紙といい、あらすじといい、タイトルといい、最大限売れるよう努力してくれているんだろうということは伝わってくるのですが、内容とのマッチング具合にももう少し気を使ってくれたらなって思う部分はあります。
今更感ハンパないですけど、思う度に何度でも言いますとも、ええ。

超個人的に期待していた『おともだちロボ チョコ』のリベンジとしては、これ以上ないくらい完璧に果たされていました。
チョコボの方もこんな感じに2人が旅立つところで綺麗にキリをつけておけばよかったんですよ。回収できない伏線は最初からカットしてさ。
というわけで、今回は大満足させてもらったのであの時のことは許します。
ただ、入間の間で完結させると宣言した以上は有言実行してもらわないと困ります。そこはお忘れなきように。

4月にちらっと『槍持った女の子がなんやかんやする話です』と新刊について一度触れたっきり音沙汰なし状態だったことについて、何度かあれはどうなってるの? また自ボツになったんですか? とか生意気なこと言って申し訳ありませんでしたぁっ!
肌身離さず槍持ってましたね、はい。

あとがき
完全にSeaBedの楢崎じゃないですか。
入間さんが哲学的なものが自分の考えに近いと仰っていたキャラはやっぱり彼女だったんですね。
とか言っていますが、まだ読み終わっていません。面白いんですけど、いかんせん長すぎます。
できれば一気に読み切りたいので、その前にひとまずDQXI完クリしないと。

Trackback [0] | Comment [2] | Category [入間人間] | 2017.08.29(Tue) PageTop

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びっくりが沢山詰まっていた作品でしたね。入間人間ファンとしては(個体は違えど)あのヤシロがっていうのもそうですが、メイとヤシロの関係の描写が良いなぁって思いました。女と女ではあるけど入間主人公らしさ全開のエゴさでしたよね。個人的に歴代入間人間作品の中でも上位に来る面白さだと思います。

2017.09.01(Fri) 23:17 | 鯵缶 [URL] | 編集 | ▲PageTop

Re: 鯵缶さん

良い意味で予想を裏切りまくってくれましたね!
ヤシロサプライズはこれでもかって量の布石が打ってあって「なんでもアリじゃねぇか!」とトンデモ展開にならずに納得せざるを得ない流れになっていたのが素晴らしかったです。
2人の関係が深まっていく様子は真骨頂しまくりで、相変わらずお見事でしたよね。
みーまーと違って新作ということもあり、今回は手放しで絶賛できる傑作だったと思います。
これだから入間作品はやめられませんよね!

2017.09.02(Sat) 00:00 | 天野寂 [URL] | 編集 | ▲PageTop

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