魔界探偵 冥王星O フィータスのF 感想

電撃文庫MAGAZINE Vol.14掲載、越前魔太郎「魔界探偵 冥王星O フィータスのF」感想です。
久方ぶりの越前魔太郎。
何故かこの短編だけ雑誌掲載で、しかも今見たら公式の刊行スケジュールからも姿を消していました。
短編と言うことで外伝的な扱いが強いのかもしれません。
が、結構面白く頂けました。

物語は終始、“解体”に魅せられた男の語りで進んでいきます。
死体解体の描写はかなりグロテスクで単語の一つ一つもストレートにグロいんですけど、何故か不思議とスラスラ読めちゃいました。
語り手であるオレの軽快な調子がそうさせてくれています。
【窓を作る男】も少しだけ出て来ましたが、これまでで一番容赦がなかったです。
てかもう容赦とか以前の問題で、完全に【彼ら】側でした。
時系列的にはどのくらいなのか分かりませんが、多分今までで一番過去の話なので、そういうことなんでしょうか。
また、読み返してみないと。
【そいつ】は人間の進化系?もしくは【彼ら】との混血だったのか?
オレの怒り、生きて欲しい、死なせてたまるかと吠える感情、【そいつ】の目を曇らせている感情。
これもまた“愛”の物語でした。
結局、【そいつ】がどうなったのか分からず仕舞いでしたが、今後これが伏線となってくるんでしょうか。
人体時計にされた彼の話相手、【そいつ】に似ているというこの聞き手は一体誰だったんでしょう?

『ヴァイオリンのV』を補完する短編らしいんですけど、正直どこらへんを補完しているのかさっぱりでした。
簡単に見つかる繋がりとしてはVで登場した、まだ人間だった頃の【醜悪な臓物】が出て来ました。
あと、もしかしたらこの死体解体が人体楽器に関わってるのかなぁとか思いましたけど、微妙なところです。
気になる中の人ですけど、今回は全く見当も付きません。
文章自体のレベルはなかなかに高いと思います。
一気にガーッと読まされる、惹きのある文章でした。
V補完ということで乙一さん、なら書けるだろうと思うんですけど、一人一作に反しますし乙一さんが電撃で書くっていうのは無いかなって。
ネタばらしを待つしかないようです。

次はホーマーのH。

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