魔界探偵 冥王星O ペインのP 感想

魔界探偵 冥王星O ペインのP』感想です。
例の如く、既読者対象のネタバレ記事にご注意ください。



本作は完全なスピンオフ作品でした。
【冥王星O】ではなく、金星堂に住む、小金井姉妹の話。

はっきり言って、ここまでのシリーズ中、一番面白くなかったです。
少なくとも自分には合いませんでした。
まず、魅力的な人物、ぶっ飛んだキャラが出て来なかったっていうのが大きいです。
キャラにしても話にしても、良くも悪くも平々凡々、平坦過ぎて読んでいて何も揺さぶられるものがなかったというか。
偏見まみれの意見ですけど、こういういわゆるラノベラノベした文体があまり好きではありません。
なんていうか説明がくどい、何度も同じ説明をしたり不必要な部分まで過剰にくどくど説いてるのが美しくないと感じるので、少しくらい説明不足でもいいから、なるべくシャープにズバッと書いた文章の方が好きです。
そういうこの感想もかなりくどくて美しくないですけど。

そして、【彼ら】がしょぼい。
設定的に【冥王星O】は【彼ら】の中でも上級階級を相手に仕事をしていて、【金星堂】は下級な部類を相手にしているということだから、しょうがないっちゃしょうがないんですけど、それにしたってしょぼい。
いや、良く考えればそれなりに驚くべき能力なのだけど、読んでいてそれが伝わってこない。異能の脅威というべきものの圧倒的な描写力不足を感じました。

それから、主人公?の日野遼一がダメでした。こういうヘタレ(少なくとも自分にはそう映る)が語り部だと、それだけで話自体に全く興味をそそられなくなります。ちょっと大袈裟に言ってますけど。
登場人物に関して言えば、唯一、今宵ちゃんは良いキャラだったかな、といったところです。
冒頭で和装してたところがポイントを上げる要因でした。

あらすじにもある通り、章ごとに寓話をモチーフにした短編になっていて、全体を通して一つの大きなストーリィになっているという構成でした。
こういう寓話を元にした現代版アレンジみたいなのはすごく好きなんですけど、本書はどうしてかイマイチ楽しめなかったです。

【ゼペット】が作る胸糞悪い人形の材料がずばり、Fで延々と死体解体していたアレなのではないかと思いました。
これでやっと繋がった?
でも、Vを補完するって書いてあったもんな、関係ないかな。

【冥王星O】もなんか無理矢理出してみましたって感じで、かなり違和感がありました。
今回はヴァイオリンとはっきり言っちゃってて、執着心バリバリでしたけど、Hを読んだ後だと違和感がハンパないです。
歪んで狂っているっていうのも、他の視点からみるとこう映るのかと解釈すればいいのかどうなのか。
あと、なんとなく今までの作品の雰囲気からしてちょっと前の時代だと思ってたんですけど、この作品で思いっきり現代だったのでそこらへんもちょっとなぁ、でした。

そんでもって【窓をつくる男】、正体バレすぎ。
まだこの世界に足を踏み込んで数年しか経ってないような女の子に正体看破されてるとか、本当に隠してるのか疑問に思うレベルです。
こんなん絶対【彼ら】も気づいてるやろ。

となんだかんだ酷評しましたが、最後のまとめ方はなかなか良かったです。
目次で初めにエピローグ、最後がプロローグになっていることから想像がついちゃいますけど、それでもこの仕掛けは巧かったです。
終わり良ければ全て良し、ではありませんけど、このラストのおかげで作品全体の印象がぐっと良くなりました。
それでも、まぁまぁかな、なんですけど。

結構回収されなかった伏線もあって、それが今後どう絡んでくるのかが気になるところです。
【先生】こと【ジル・ド・レ】や【ゼペット】、土星(サターン)なる存在もあるらしく、再登場があるのかどうかは謎ですが、舞城さんが担当された暁には今までのキャラ大集結のオールスターズを期待してます。
文量は『ディスコ探偵水曜日』程度希望。は流石に高望みしすぎですね。

内容には関係ないですけど、MW文庫の方向性がまったく分からなくなりました。
挿絵がばっちり入っていて、本書は誰がどう見ても完全にラノベでした。
なんでこれをMW文庫から出したのか本当に謎です。
普通に電撃文庫から出せばよかったと思うのですが。
イラスト担当はKeGさんという方で、Fの【窓をつくる男】のイラストも使いまわしで使われていました。
いやぁ、このイラストはかっこいいですね、ほんと。

越前魔太郎、今回の中の人は折口良乃さんじゃないかと言われています。
自分は知らない作者さんなので全然分かんないですけど、絵師さん関連でそうなんじゃないかと。
ちなみに、Amazonで『越前魔太郎』を検索すると何故か、折口さんの『死想図書館のリヴル・ブランシェ』がヒットします。
わざとなのか、単なるミスなのか。
越前魔太郎、まだまだ謎多き人物です。

次は『ジャンクションのJ』が8/4発売ということです。
表紙はまたredjuiceさんが担当されるそうでどんな素敵イラストが拝めるのか楽しみです。

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