ブーブーガッキーズ

すいません、また随分と間が開いてしまいました。
とうわけで、ふと突然に魔が差してしまいました。

最近、中々忙しくてPCすら開けないこともあるんですけど……言い訳男らしくないですねやめます。
みーまーの感想とか書きたいんですけどねー時間がねーというわけでですね、最近爆笑してしまった出来事でも、書いてみました!(く、苦しいっ!!)
本当、くっだんねー内容なので読まなくてもいいです。いや、むしろ読まない方がいいです。
がーっと勢いに任せて書いたので誤字脱字大量にあるかもですが、目をつぶってやってください。
その時は本当にすっげー笑ったんですけど、文章にしたらそうでもなくなりました。
明らかに筆力不足ですね、精進します。

一段落したらまた、みーまーの感想とかも書きます故、キリンになったつもりで末永~くお待ちいただければ、と思います。





 閉店まであと三十分ちょい、俺はいつものように清算業務をこなしつつ脳内で立てた計画表を塗りつぶしていく。クリアした項目からどんどんと真っ黒に塗りたくっていくこの感覚が俺は好きだ。普段は気の長い俺だが、仕事(正確にはバイトだが)となると話は別だ。仕事なんかで一秒たりと無駄な時間は過ごしたくないので、組まれたシフト時間の前には全て終わらせ即帰したい。いや、“したい”というのは正確ではないな、“する”だ。願望ではなく実現させる。今までもずっとそうしてきた。
 売上報告書を書き進めていると、眼鏡を掛けた30十代前半くらいの女性客に声を掛けられる。当然、無視するわけにはいかず俺は「はい、お伺いします」と薄っぺらい笑顔を張り付けてそれに応える。
「アダムとイヴの本を探してるんですけど」曖昧なリクエストだが別に珍しくはない。「どうぞ、こちらお掛け下さい」パソコンのある机へと誘導した俺はタタタッとキーボードを叩く。
『アダムとイヴ』で検索。検索結果73件。予想より少ないことにとりあえず一息つく。しかし、上から順に眺めていくもピンとくるものは見当たらない。古いものは画像がないからどんな本なのかも全く分からない。
「アダムとイヴってタイトルの本を探してるんですか?」顎に手を当てながら「う~ん、そういうわけでもないんですけど」とイマイチはっきりしない女性客。腕時計をチラッと見る。声を掛けられてから、1分32秒経過。俺は内心で舌打ちを連発する。脳内スケジュールがどんどん崩れていく。
Amazonでも検索してみるが、やはり画像がないものばかりで話にならない。「アダムとイヴ関係の話が書いてある本でいいんですよね」ディスプレイから女性客へと視線を移す。「そう、そうです。なんでもいいんですけど、なるべく短い方がいいかなって。あ、漫画とかでもいいです。何かありませんか?」と言われても困る。そもそもこの店には宗教関係の本はほとんど置いていない。俺が知ってるのだと、『聖☆おにいさん』くらいだな、あとは……俺みたいな無宗教者に尋ねるなってことだ。
 そんなこんなで過ぎゆく時間にイライラしながらも色々と調べていると、おそらく歳子だろう小学3,4年生くらいの男の子と小学2,3年生くらい男の子が現れる。大方、女性客の子供だろう。
「お母さん、何してるのー?」と兄っぽいの。
「のー?」と弟っぽいの。
見るからに元気が有り余ってしょうがない、やんちゃ真っ盛りなガッキーズの登場が俺の苛立ちに拍車をかける。ちなみに、ガッキーズと言ってもキノコ嫌いな大学生は全く関係がないのであしからず。
「んー、本探してもらってるの」と母親。
お、すごい仲良さげなのが今のやり取りだけでかなり伝わってきた。ガッキーズは「お母さん大好きー」で母親は「お母さんもー」なカンジだ。
 すると突然、ぶぶりゅっと異音が聴こえて何かと思えば、ガッキーズ兄の手にはブーブークッションが携えられていて、俺も昔何故か夏祭りか何かでやった鮫だったかカエルだったか忘れたがとにかくなんとか釣りの景品として貰ったことがあったなぁ学校持ってって遊んでたら一日で穴が開いてダメになったよなぁなどと懐かしがっている場合ではない。秒針は既に10周を優に超えている。
 ガッキーズはどうにかして母親をブーブークッションの上に座らせたいようで、「はい、お母さん」と椅子を差しだしたりもしているが「はいはい、分かったから静かにしてて」母親はつれない。
「んー、とにかくなんでもいいから読みたいんですよ。すいません、さっきのやつもう一度見せてもらえますか?」俺は最小化しておいた先程の検索結果を再度表示する。
「これだっていうのないですよね」と片っ端から内容情報を読んでいくが、どうにもぱっとするものがない。刊行順に表示されるから仕方ないこととはいえ、上位にあるものは『アダムとイヴ』に全然関係ないことに段々となんか腹立ってくるが、もちろん態度に出すわけにはいかない。
「んー」「んー」「んー」「んー」とかたつむりの歩みが競歩くらいには感じられる不毛な唸りがしばし続く。
 その間も糞ガッキーズは母親に色々とちょっかいを掛けて、このままだとマジでタイムオーバーするじゃねぇかとイライライライライライライライライラララ怒りのボルテージを上げていく。
あ゛ーはーや゛ーぐーじーろ゛ーよ゛ー踏み殺すぞーと俺の意識が傾きかける。いや、そんなことしたら床の掃除で結局時間取られるな、とそんなことを考えていると母親のおざなりなリアクションに飽きたのかどこかに行っていたはずのガッキー兄が戻ってきていて「お母さん、そんな風に身乗り出してるとみっともないよ」と優しく諭すような一言。ガッキー兄のその言葉に俺は思わず感心してしまう。指摘された母親も「あ」と声に出すか出さないかして自覚が芽生えたのか、「そうだね」素直に腰を下ろした。そのやり取りを横目で眺めながら、なんだ結構大人じゃないか、と不本意ではあるがガッキーズを見直しそうになったその時





ぶりゅりゅうううぶぶぶすぶすぶすぅぶりょりょぶすぅっっ!!!!!!





それはまるで孤高の狼がふと襲ってくる寂しさに抗おうと月夜に向かって慟哭するかのごとく、高らかに店内に響き渡った。
横に目をやると母親は笑いすぎて声が出ていない。というか呼吸が出来なくてかなり苦しそうだが、大丈夫かと思う俺もやばい。流石に今のはツボった。
さっきまでの苛立ちも全て吹き飛んで、笑いが込み上げてくる。
深呼吸をひとつ、なんとか「あは、だ、だいじょう、ぶ、ですか?……ぶふっ!!」と確認する。喋れない母親は首だけこくこくと振って見せるが、明らかに大丈夫ではないだろうその様子は。
笑いすぎて涙を浮かべた目で見やるとミッションコンプリートなガッキーズは床で笑い転げている。普段なら汚いからやめろ糞ガキどもと思うだろうが、今はただ、称賛の眼差しを送るほかない。「お前らやるじゃねぇか。いや実際、お前たちはやり遂げたよ」と拍手喝采大喝采、だ。
 その後、やっと息を吹き返した母親は「もー、ホントにいい加減にしてよねー」と怒っていたが、まだ笑いの余韻が抜けきっていない言葉に力はない。
いつの間にか俺は、今日はもういっか時間までに終わらなくても、偶にはこんな日があってもいいよな、と穏やかな空気が胸の辺りで充満するのを感じていた。

 その後、もう少し探してみたがやはり目ぼしいものは見つからず「すいません、もう少し調べてからまた来ますね。お忙しいところ、お時間取らせてすみませんでした」と何度か頭を下げてその親子は帰っていった。「えーお母さん結局何も買わなかったのー?」「のー?」「見つからなかったんだからしょうがないでしょー」三人の後ろ姿を眺めながら「本当、命拾いしたなガッキーズ」と俺は小さく呟いた。

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Comments

おや、背景が変わっている。木瀬です。

とりあえずクッソ吹いた。言葉使いぶっ壊れ中。
ガッキーズやるじゃないか。その場で聞いてみたかったぜ。
というか何故その母親はアダムとイブなんてものを探していたんでしょうね・・・謎です。
Posted at 2010.07.22 (20:05) by 木瀬 (URL) | [編集]
お、テンプレ変えたんですね。洒落た感じでいいですね。季節は夏ですが、春の温かさを思わせる花柄が可愛らしいです。また「天野寂のお気に入り」が小粋で素敵です。

心配なさっていたようですが普通に面白かったですよ? ガッキーズナイス! 兄の機転に感服です。
「それはまるで孤高の狼がふと襲ってくる寂しさに抗おうと月夜に向かって慟哭するかのごとく」という表現とその場の状況のあべこべ感がツボでした。
そういえば天野寂さんは本屋でバイトをなされているんですよね? 羨ましいです。私も本に携わるバイトがしたいです。

あと、いるまんのサイン会決定ですね! わくわく。
おそらく抽選でしょうがきっと参加権を手に入れてみせます! 天野寂さんと参加権を賭けて勝負ということになってしまうのでしょうが、出来ればお互い勝利を掴み取って会場でお会いしたいですね。
Posted at 2010.07.22 (20:33) by つかボン (URL) | [編集]
Re:木瀬さん
はい、変えてみました。どうでしょう?なかなかどうして良くなくないですか?

おっしゃ、この面白さ伝わった♪
いや、本当にリアルでこんなことってあるんですね。まさに“事実は小説より奇なり”です。
まぁ、それは謎なんですけど、結構そういう謎な問い合わせは多いんですよ。
Posted at 2010.07.22 (20:47) by 天野寂 (URL) | [編集]
Re:つかボンさん
イメチェンですイメチェン。洒落てますよね、作者さんが名古屋の大学生さんとかでそこも決めてだったり。
ひまわりのやつもあったんですけどねー、色々試してみてこっちかなって。また変えるかもしれないんですけど。
そこにまで気付くとは良く見てますね、いやはやもうありがとうございますです、はい。
次の記事で紹介しようと思ってたんですけど、先に気付かれちゃいました。

面白いと感じて頂けたなら何よりです。ガッキー兄は将来、大物になりますよ絶対。自分が保証します。
ブーブークッションってかなり響くんですよ、吃驚しました。近くにいたお客さんもビクッ、バッ!て振り返ってましたw
はい、その通りでございます。バイトはしたくないですけど、まぁ、本に囲まれてる状況は悪くありませんよ。つかボンさんも募集を見つけたらぜひ。

そうなんですよ!うきうき。
ちょうど今、その記事を書いているところです。
愛さえあれば、抽選なんてへのへのかっぱです!
もちろん、奪い取ってでも手に入れるつもりですけど、お互いサイン片手に会場の中心でガシッと熱い握手を交わせたら最高ですね。青春ポイントウナギ登り間違いなし。
Posted at 2010.07.22 (21:02) by 天野寂 (URL) | [編集]
ガッキーズ、いい仕事してる。
静かな店内の中で鳴り響くブーブークッションの音。
これは笑ってしまいますよ。
その場に居合わせたかったです。

本屋のバイト羨ましいです。
1回くらい本屋でバイトしてみたかったですよ。
今からでも遅くないか。転職して本屋で働こうか。
いえ、冗談ですよ・・・たぶん。

いつの間にか、リニューアルしてました。
雰囲気がガラリと変わりましたね。
お洒落な感じでいいです。
Posted at 2010.07.22 (21:34) by 半熟タマゴ (URL) | [編集]
Re:半熟タマゴさん
ガッキーズ、彼らはただものではありません。
きっとなんらかの特別な訓練を受けているに違いないです。
自称・ポーカーフェイスな自分もこれには流石に堪え切れず吹き出してしまったくらいですから。

本屋は自分にとってはかなり良いバイト先ですね。
まぁ、客としていくのが一番ですよやっぱり。
転職ですか……その店に骨を埋める覚悟があるならいけるんじゃないかと、たぶん。
半熟さんはお仕事何されてるんですかね?何気に気になります。

いつ間にか、といってもついさっきなんですけどね。
今はまだ違和感バリバリですけど、すぐ馴染むと信じて……
お洒落ですよね、シンプル&キュート。
Posted at 2010.07.22 (22:11) by 天野寂 (URL) | [編集]
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